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帰ってきた夕刊UNI

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夕刊UNI~有料note~に続く第二弾! 追記型有料エッセイマガジンです。表紙は、めめんともりさん作。
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2015年5月の記事一覧

緊急搬送。

ドカ弁とちゃっかりを送り出し、ようやく一息つこうとしたそのとき実家からの電話が鳴った。 「なんやフラフラするから病院連れて行ってくれるか・・・」 弱々しい父の声である。 慌てて病院に連れて行った結果、軽い熱中症という診断であった。 そういえば思い当たることがあることに気がついた。 前日の夕方嬉しげに父が我が家にやってきていたのだ。 「uni!これ見てみー!なんと!100円のズボン!!」 またわからんことを言い出した。やれやれである。 聞いてみれば、自転車で

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力尽きたか、ドカ弁。

入学後の課題テストに引き続き、中間テストもさっぱりの結果のドカ弁。 テストで惨敗を連発したのは、ドカ弁には初めての経験である。 ドカ弁は特別頭が良いというわけでは、けして、ない。 今までもえらいこっちゃな結果を出した、やらかしたー‼︎ということはあったが、必ず次にはいくらか挽回してきていたのだった。 憧れの高校に合格し、夢を叶えたまでは良かったが、やはり背伸びして入った学校だったかと本人を見ていても感じる今日この頃。 『あんたさー、今のまんまやったら多分夏休み前に先

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すっぱい葡萄。

高校生になってから成績が振るわないドカ弁。 ほんまどないするねん!という有り様であるが、本人は新しく始まった高校生活が楽しくて仕方ない様子で、勉強については現実逃避しているとしか思えない。 「ま、なんとかなるわ!」が、 「ちょっとどうにもならへんわ・・・。」になるのも時間の問題のような。 先日行われた中間テストの結果が次々に返ってくるのであるが、それぞれえらいこっちゃな点数ばかり。 一瞬猛烈な落ち込みぶりを表すものの、三歩歩けば忘れる鳥のようなドカ弁。 ごはんを食べ

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反古紙を使って。

毎日稽古したり作品を書いたりするたびに増える反古紙。 捨てるには惜しく、満足することは出来ない仕上がりの反古紙は日々どんどんたまる。 反古紙とは、書きそこなうなどして不要になった紙のことである。 しかし一度魂というか、自らの気を入れて書きあげた作品は、丸めてゴミ箱に捨てることがなかなか出来ない。 何か利用出来ないか、別の作品に生まれ変わらせることはできないかと色々考えていたところ、いつも行く道具屋で一冊の本を見つけた。 反古紙を使って新しい作品を作れることを知ったの

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ドカ弁の誕生日。

昨日はドカ弁の16歳の誕生日であった。 昨年までの15年間、一度も欠かさず参加してくれていた私の両親、妹夫婦たちが今年は参加していない。 ゆえに、私が大量の祝い膳を用意することもなかったが、ケーキだけは用意してお祝いしてあげた。 高校生になり、新たな人間関係が始まったドカ弁。 今年の誕生日は友達が我が家にやってくるのだと何やら楽しそうである。 週末であるから当然スナフキンもいる。 『ちょっ、ドカ弁の友達が遊びにくるから家片付けて‼︎』 スナフキンとちゃっかりにも

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1000回。

このnoteで1000noteになりました。 いつも温かいコメントやスキをくださる皆様、本当にありがとうございます。 noteを利用させていただき1年余り。 その間に様々な経験をさせてもらえたと思っています。 家族に作るごはんレシピを紹介させていただいたり、ドカ弁に作る曲げわっぱ弁当の詰め方のコツを発表したり。 当たり前の日常生活の一部である、食事を作るということを価値あるものとして受け止めてくださる方々がいらっしゃることが本当に嬉しく励みになりました。 また、どう

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たぶんできました。

ちゃっかりの部屋からまたこんなものが発見された。 『これはあかん感じや…。』 スナフキンとドカ弁が一枚のプリントを見つめながらブツブツ言っている。 『なんやの?』 『あかん。みーひん方がいいかも。また頭痛くなるような気がするで…。』 なんやの!またなんかちゃっかりがやらかしたんか⁉︎算数か⁉︎ たまらずにスナフキンの手からプリントを奪い取った。 後かたづけチェックカード。 あ、家庭科の調理実習のか。 なんでこれがあかん感じなん? どれどれと目を通してみる。

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ドカ弁の袋とじ。

『すごい!ドカ弁の袋とじ写真が出てきた〜!』 朝から要らなくなった大量の本の整理をしていたスナフキンが、本の間から見つけた一枚の写真を手にドタバタ走ってきて興奮している。 差し出された写真を見てみると、まぁ、なんと懐かしい!若かりし日のドカ弁のヌード写真である。 お風呂上がりには素早くバスタオルで身体を拭き、あせもが出ないようにテンカフを叩き、今頃の季節ならサッカー生地のサラリとした甚平やパジャマを着せていたものである。 『ドカ弁!ちょっと!これ見てみ‼︎』 明日か

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白いごはん。

『白いごはんとシャケがあればいいの!』 そう言って3杯のごはんをマシマシ食べるのは、ちゃっかりである。 炊き込みごはん、炒飯、ちらし寿司。 どれも米がありきで出来る料理であるが、ちゃっかりは断トツ1位で白いごはんが好きなのだそうだ。 塩むすびだけでテンションが上がる小学生って、今どのくらいの割合でいるのだろうか? 『うちの子あんまり食べなくて…。』 そんな声をよく聞くのであるが、我が家は毎日米5合〜6合は炊くのだ。 年間の米の消費量は220キロである。 ちょっ

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もう終わった。

帰宅したちゃっかりがランドセルを開けた。 なんだか怪しげなプリントを発見したが、サッと隠すように蓋を閉めようとするちゃっかり。 ランドセルを奪い中身を確認すると、対照の図形を作図する算数プリントが全て出来ていないのである。 適当に描いているため、頂点がずれており、なんちゃって対照の図形が仕上がり、先生が赤ペンで添削してくださっている。 『ちゃっかり。コレは何?』 『えっと図形を描くやつ。』 『出来てないよね。しかも1個も!』 『もう終わったからいいの。』 『こ

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めぐりあい。

偶然の出会いからかけがえのない人になるっていうことを何度か経験している。 仕事で出会った人もいるし、家族になったスナフキンもそうだ。 『ママ友』という不思議な言葉に違和感を感じていたが、子どもを通じて出会い、今ではかけがえのない親友になった人もいる。 私の親友となった彼女は、私よりも6歳若いシングルマザーだ。 彼女と私は『男』だと周りの友人たちにはいつも言われていて、酷いときには『おっさん』とまで言われてしまうほど、女性的ではない。 メールやLINEでの連絡も最小限

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伝える。伝わる。

UNSENDOのカスタムオーダーが先日から続き、思いのほか忙しいGWである。 今回はアメリカ在住の日本の方からのオーダーである。 転勤する同僚の方に書のギフトを贈りたいというご依頼を頂いた。 UNSENDOのカスタマーサービスは福井ウサ子さんにお任せしているので、直接お客様とのやり取りをしたのは今回が初めてである。 『雲泉さんの書を見て書道を習いたいと思いました。』 海外在住の方にも書道を伝えたいという想いをいつも持っている私にとって、何より嬉しい言葉をいただき感激

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トモチケ。

『なぁなぁ!ちゃっかり!聞いて聞いて‼︎』 帰宅したドカ弁が興奮しながら、ちゃっかりに話しかけた。 『なぁに?ドカちゃん。』 『あのさ、学校の帰りにゲーセン行ってさ、プリパラやってんけどさ、なんか一年生くらいの子がさ、どうぞ。とかってさー、トモチケくれてん!』 『ふ〜ん。良かったね。』 『それがさ、その子メジャーやで!』 『えっ⁉︎一年生が⁉︎ちゃっかりはまだ研究生なのに‼︎』 何が何やらである。 さっぱりわからない。 ゲームセンターで、女の子向けのカードゲー

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はなむけのことば。

先日『UNSENDObyUnimam』にカスタムオーダーが入った。 アメリカの大学の先生からのご依頼である。 福井ウサ子さんから連絡を受け、どんな感じの書をお求めになりたいのかを確認してもらうことにしたのである。 ほどなくして、福井さんから依頼主の方のご要望を具体的にヒアリングした内容のメールが届いた。 この度日本に行く事を夢見ている美術系の生徒が卒業するので、その子が必ず夢を実現する様に刺激になる書の作品を雲泉にお願いしたい。どんな作品が仕上がるか楽しみにしています

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