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たぶんできました。

ちゃっかりの部屋からまたこんなものが発見された。

『これはあかん感じや…。』

スナフキンとドカ弁が一枚のプリントを見つめながらブツブツ言っている。

『なんやの?』

『あかん。みーひん方がいいかも。また頭痛くなるような気がするで…。』

なんやの!またなんかちゃっかりがやらかしたんか⁉︎算数か⁉︎

たまらずにスナフキンの手からプリントを奪い取った。

後かたづけチェックカード。

あ、家庭科の調理実習のか。

なんでこれがあかん感じなん?

どれどれと目を通してみる。

調理実習で使った食器や用具をきちんと洗ったりしまったりできたかを自己チェックするものである。

きちんとできていると自分が思ったら◯をつけるようになっていて、全ての項目に◯をつけている。

さすが、自分に甘い採点やな。ちゃっかり。

これがドカ弁なら、生真面目に△とか✖️とかいちいち報告するはずである。

1番下の段に<ふり返り>を書く欄が設けられている。

やさいいためははじめはこしょういれすぎたかなと思ったけどふつうにおいしかったです。

漢字の使用は『思』の一文字のみ。句読点なし。

『ふつうにおいしかったです。』ってなんやねん。日本語としてもなんかおかしいやないの。

さらに。

『おいしくエネルギーのある朝食を作ろう』のめあては、たぶんできました。

『完全になめてやがる!』

スナフキンとドカ弁はそう言って、こんなんじゃあかん、ほんまにちゃっかりはあかん感じや、やる気なさすぎる!と父として、姉として、ちゃっかりの行く末を心配しているようである。

先生もコメントに困ったのだろうか?

『めあて』は達成!次は家でもチャレンジしてみてネ^_^

『めあて』は達成!と先生が書かれているところをみると、たぶんできました。では、達成できていませんよ。お家でももう一度チャレンジして『めあて』をたぶんできたではなく、達成しましょうねということなのだろう。

『おいしくエネルギーのある朝食作りを頑張りました。みんなで協力して作ったので、おいしくて栄養のある料理ができたのだと思います。大成功でした!』

こんなふうに書ける子がきっと、通知表の評価基準である、関心、意欲、態度のポイントを稼ぎ、よくできるをもらえる子なんだろう。

よくできるの数が少ないと毎度終業式のたびに通知表を見てはため息をついているちゃっかり。

こういう積み重ねが結果に繋がるのだ。

それにしても。

『たぶんできました。』って。

謙虚なのか、自信がないのか。
正直すぎるのか、アホすぎるのか。

まったくつかみどころがないJSである。

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