2024年11月24日 おでんについて考える
寒いのでおでんを仕込みました。
調理してわかることではありますが、
おでんは想像ほど、「簡単な」料理ではありません。
必要な調理技能は、確かに大したことがありません。
切る、茹でるができれば問題なし。
しかし、1番大変なのはそれを各種具材ごとにする必要があることです。
たまごを入れたければ、ゆでたまごを作らなければならないし、
大根やこんにゃくを入れるなら下茹でが入り、
練り物も軽く湯通しする人もいるわけです。
しかも一度にはできず、それぞれの鍋を用意しなければなりません…。
入れるもの、また、入れる人のこだわりによって、どこまでも、手をかけられる料理、
それがおでんです。
いや、それどころか、おでん出汁にまでこだわるならば、さらに、難しくできます…!!
その上、出汁だけでなく、
味噌おでん・黒おでんなどを考えればより幅は広いのです。
最も簡単にするのならば、おでんセットを買ってきてあたためる、ということになるでしょうか。
一般的におでんといえばこれという具材を調理して、パック詰めしてくれているあれです。
大変、便利です。
しかし、大根をもっと食べたいとか、こんにゃくはもっと分厚い方が良いという人間には、いくばくかの不満をもたらします。
おでんというものは、自分の欲望に基づいて自由に作り上げられるところに良さがあるような気もするからです。
私が学生の頃は、コンビニおでんが流行っており、寒い時には連れ立って、
コンビニへおでんを買いに行ったものでした。
たしか、ファミリーマートだった気がします。
まんまるに白いハンペンがあった気がしますし、
ロールキャベツもあった気がします。
たくさん買って食べるというより、小腹がすいた時のあたたかい食べ物として重宝していました。
大人になった今、コンビニおでんにはさほど興味がなくなりました。
家ならば、好きな具材をたくさん作れるという至極単純な道理に気づいたからです。
何をどれだけ入れたとしても、おでんだと言い張ることができる、それが、家庭のおでんのよさです。
さて、おでん出汁ですが、
これは最近はもっぱら希釈タイプのめんつゆに昆布出汁とみりんを足したものにしています。
めんつゆだけだといまいち、めんつゆ感が抜けず、おでんの感じがしないためです。
昆布出汁と格好をつけて書きましたが、
昆布をそのまま入れて、最終的にはそれも食べます。
SDGsです。
こういうふうに、私の家庭料理はズボラと適当でてきています。
しかしまあ、大体、美味しいのだからそれで良いのだ、と思うことにしています。
それでは次におでんの具材です。
何が入っていれば、それをおでんと呼べるかについては、人によってずいぶん好みがあると思います。
これは好きなおでんの具材と同じようで、少しばかり異なるというところもポイントです。
その具材が好きか嫌いかではなく、それが入っていた方がおでんらしいと思えるもの、ということですね。
さて、何が入っていれば、あなたはおでんと呼べますか。
どうぞ、自分の好みの具材を思い浮かべながらお読みください。
わたしのおでん具材
大根
私にとって、おでんとはまず大根です。
大根なき、もしくは大根の少ないおでんはおでんではありません…。
大根の形がまんまるでも半月型でも良いので、どっさり入っていること、
しっかり味が染み込んでいること。
この2つが大事です。
大根は味がしみていてほしい、のです。
飴色になるまでになっていなくても良いです。ただ、口に含むと、じゅわっと出汁の味がするのは譲れません。
おでんの主役は、やっぱり大根です。
おでんはご飯のおかずにならないという人もいますが、
味がしっかり染みた大根は、白米にも合うと思います。
こんにゃく
続いて、絶対入ってほしい具材は、「こんにゃく」です。
灰色で、三角に切ってあり、しっかり分厚さがあるものが良いです。
薄いものや手綱こんにゃくでは、物足りないですね。
家で作る際には、片面に細かく、包丁を入れて、下茹でをしてから、おでん出汁に入れています。
こんにゃくはつるつるしているのに、味を含むのが面白いなぁ、と思います。
カロリーが低いのも、嬉しいところですね。
結局、出汁を食べている、ということになるのでしょうか。
そうそう、こんにゃくには必ず、辛子をつけたいですね。
たまご
このたまごというのは、ゆでたまごです。
巾着にたまごが入っているとかではなく、そのままつるんと入っているものです。
白いゆでたまごが、味が染みて、少し茶色になるくらいが食べ頃です。
たまごの黄身にはよく火が入り、割ってみると、もろもろと出てくるくらいが好きです。
ここは半熟でなくて良いのです。
素朴な、たまごである方が、家のおでんらしいのです。
よく火が入ったゆでたまごが1番美味しいのは、おでんという料理である気がします。
そのままたまごを食べるのはもちろん、白ごはんとともに食べても、良きですね…。
ごぼう天
練り物はどれも好きですが、どれかひとつだけしか入れられないとしたら、
ごぼう天かな、と思います。
ふっくらとした練り物の中に、歯応えのあるごぼうが入っているという食感の違いが楽しいのが良いです。私は食べ物に食感を求め、特に歯応えがあるものを好むからでしょう。
最初に練り物にごぼうを入れてみようと思った人はすごい、と思います。
普通は考えないと思うのです…。
きっと私と同じで食感を求めるタイプだったのでは…。
個人的には、練り物は長く煮込まず、食べる直前にさっと入れるくらいが1番、おいしいです。
個人的にあまり入れないもの
じゃがいも
じゃがいもはとても好きですが、
おでんのじゃがいもはあまり好ましく思っていません。
溶け出して汁が濁る、
ジャガイモがどんどん崩れていくのは美しくない上に、おでん全体がじゃがいもの味になるようで、
好きではないのです。
下茹でせずに入れたら良いのか、面取りをすれば良いのか…。
同じ理由で、私は人参も入れたくはありません。
入ってなくてもいいけど入ってると美味しいもの
鶏肉
手羽元や鶏肉を大きめに切ったものをおでんに入れておくと、美味しい鶏出汁が出る気がします。
そして、食べた際の満足感が大きくなります。
おでんとしては必要ではないけれど、夕飯に出すおでんなら、鶏肉が入ってた方がよい、と個人的には思っています。