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2024年4月3日 仕事について話そう

台湾で大きな地震があったようです。
できるだけ被害が少なく、また、その土地やお住まいの方々が、安全でありますようにとお祈りいたしております。

雨が降っています。
小雨というよりは強い勢いです。
このまま雨が降り続けると、せっかくの桜も散ってしまいそうです。
先週までの雨とは違い、ぬるい雨です。
もはや冷たくはなく、
雨にあたっても、身体が冷え切ってしまうということさなさそうです。

とはいえ、
どんよりとした灰色の空にに、葉桜、つぼみ、雨、新年度からの緊張感、
それぞれがチグハグで、ぼんやりしていて、
春うららという感じでもありません。
全部において中途半端です。
「4月からスタート!」と意気込んでいる、
就職や転職をした方々におかれましては出鼻をくじかれたような感じではないでしょうか。

しかし、それなりに仕事に取り組んできた人間としては
「あんまりかっとばなさなくていいと思うぞ、仕事なんて」と、思うのです。

この国では、
とかく、仕事で成果を上げるとか、仕事を真面目に勤め上げるということが、褒め称えられますし、
自分自身もそういう価値観にどっぷり浸かっている人間ですが、
最近、本当にそれでいいのだろうか、と思っています。
生活できる程度に仕事をすれば、
本当は誰にも文句を言われるようなことはないし、
それで十分、
誇るべきことなのではないかと思うのです。
まだ、「仕事なんて全くしなくていい」というところまではいけていないのですが、
仕事を人生の唯一の目的にしない方がいいのではないかと個人的には思っています。

どうしても仕事を人生の目的にしたいならそれも良いですが、
結局のところ、仕事はあんまり確実な目的にはならないのでは、と思うのです。
「理想通りのキャリアを歩めたら、幸せになれる」
「年収〇〇〇万円になれば幸せになれる」
というのは、
本当なのか?確実に幸せをもたらすものなのか?、ということです。
よくよく考えれば、幸せは、どんな時にもあり得るし、同時にどんな時にもなくなり得ます。

結局、幸せが目的なら、仕事を介して幸せを求めるのではなく、
どういう状態が自分にとって幸せなのかを
時々、自分に問うて、その都度、幸せに向かう行動をする方が良いと思うのです。
「他人の目線から見て、うらやましいか」とか「他の人から見て立派か」というような、
他人軸の物差しを持ちながら、
仕事を人生の目的にするのは、かなり危険です。
気づくと、仕事に追われて、それ以外をどうすればいいかわからなくなります。
実は、人生において、仕事はまだ攻略しやすい分野だと思います。
家族、パートナー、友人との関係とか自分の創造力をどう活かすかとか何を信じるのかとか、そう言った生身の人間が主体の分野に比べると
ノウハウがあり、結果が出やすいからです。
自分も、そういうところがあったなぁと思います。
「仕事で、何とか食べていけるようになりたい」というのは、真面目な目標ではありますが、
同時に、
もっと、複雑怪奇で、面倒臭い、人間関係のこと、自分自身のことを後回しにしてきた気もするのです。
今となっては、このやり方・このタイミングしかなかったと思うのですが、
それでももう少し早く、人間関係のこと、自分自身のことに取り組んでも良かったかもしれません。
仕事は大事…、
でも、人間関係や自分自身のことも忘れない方が良いし、なんなら時には、仕事が後回しであってもよいのです。

先日、友人の誘いで、ちょっとしたトレッキングに出かけました。
さほど人がいない中、てくてくと木々の中を上がったり下ったりして、歩く、
そのことがただ楽しかったです。
山に出かけると、「実際に行動すること>考えること」になります。
もちろん、どう歩くかのペース配分や旅程のことも考えます。
でも、それがどうあれ、自分という身体を動かしていかねば、目的地にも到着しませんし、
帰ることもできません。
何と言っても、一歩を踏み出さなくてはならないし、足を進め続けなければなりません。
日常だとここで、「もっと上手いやり方があるのでは」とか「他の人はどう思っているのだろう、どうしているのだろう」とスマホで検索したくなりますが、
電波の届かない山奥では、とにかく、自分の身体を使って、動いていくしかないのです。
これがとても良かったです。
思いつくままの行動、
周りの目を気にせず、歌ったり、
自然をぼんやり眺めたり、
川の水に指先をつけたり、ということを楽しみました。
頭の中に詰まっていた、くだらない考えが、一気に
捨てられてしまったようでした。

そして、
その時、この渓谷が、自分がいない時も、ここにあり、これまでもあり続け、これからもしばらくはそうだという至極当たり前の、
素晴らしい事実に気づき圧倒されました。
そして、
見てもいないその時々の様子が頭の中で生成されたのです。
誰1人いない、真っ暗な渓谷、ただただ水が流れ、虫と鳥が鳴き、
月明かりが降り注ぎます。
見る人は誰もいなくとも、月明かりも水の流れも自然の営みもたまることはありません。
雨が降る今日なら、水量はさらに増し、
水音が大きくなっているでしょう。
川の流れが少し変わったり、水が意外なところから染み出すかもしれません。
雪が舞う時も、酷暑の時も、渓谷はそこにあります。
誰も見る人がいなくとも、ほんの少しずつ変化しつつも、渓谷はそこにあるのだ、と想像すると、ふっと肩の力が抜けます。
「仕事が全てなんかではない、大切なのはある、ということだ。今もこの瞬間もあの渓谷はただ渓谷としてある」と思ったのです。
仕事で一喜一憂することなんてないのかもしれません。
そして、その方が案外うまく行くのかもとも思うのです。
仕事で煮詰まっている方は、自然の中に遊びに行くと良いです。
自分のちっぽけさがわかります。
いきなりそんなことできない、という方は、散歩をするのも良いと思います。
近所の神社仏閣、小さなお店、公園をのぞいてみてください。
仕事から切り離さられたものを体験、体感する方が、仕事に良い影響がある気がします。
お試しあれ!


#仕事について話そう

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千歳緑/code
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