12月24日の手紙 食べたいものを作って食べる夜
拝啓
今日はクリスマスイブです。
キリスト教徒でもないのに、お祝いするのも失礼なのかもしれませんが、
料理好きの海外小説好きとしては、クリスマスディナーを食べるチャンスを逃すわけにはいきません。
聴いたことも見たこともない、
お料理の数々、
どんな見かけなのか、味なのかもわからずただ語感のみで、憧れた不思議な名前の食べ物たち…。
子どもの頃から、英国の児童文学やアメリカ文学が好きだったので、聴いたこともない音の料理を目にしては、どんな食べ物だろうと想像していました。
子どもの頃の情報では、甘いのかしょっぱいのか、お食事なのか、デザートなのかもわからないメニューも多かったのです。
特にプティング、プディングのあたりは今でも違いがよくわかりません。
思いつく限りあげてみるとすると、
ヨークシャープティング、プラウンカクテル、ローストチキン、ローストビーフ、マッシュポテト、クリスマスプディング、ミンスパイ、トライフル、ジンジャーブレットクッキー、ローストターキー、ピカンパイ、コブラー、コーンブレッド、キーライムパイ…。
大人になる頃には、インターネットが発達し、ネット検索で写真や作り方がすぐわかるようになりました。ここ数年に至っては、作り方の動画まですぐに見ることができるようになっています。
日本で手に入る材料がどんなものか、手に入らない場合は何で代用すれば良いか、調理道具から食べ方に至るまでも、すぐにわかります。
クリスマスイブは、そう言う夢のご馳走、
普段なかなか作らないような料理をつくるいい機会なのです。
クリスマスイブは食べたいものを作って食べる夜になっているのです。
何より嬉しいのは、大人になったので、こういう酔狂な遊びを咎められることがないことです。
これぞ、大人の自由だと思います。
1週間ほど前から何を作ろうか…とあれやこれやと考えてきました。
もう、これ自体が料理好きとしては、楽しいことです。
数年前まではローストチキン、それもチキンレッグ一本ではなく、丸鶏に詰め物をしてどーんと焼くのにハマっていたのですが、今年はそう言う気分ではありません。
丸鶏を焼くのはとても楽しいのですが
(特に何をスタッフィング・詰め物にするかを考えるのが、なかなか面白いです。)
それなりに準備がかかり、
また食べきるのにも時間がかかるのです。
また、ちょうど良いサイズの丸鶏をどこで購入するか…と言う問題があります。
数日前、スーパーで見かけた丸鶏は比較的大きく、うちのオーブンレンジからははみ出てしまいそうなので見送ったのです。
以前は小ぶりの冷凍の丸鶏を購入していました。しかし、最近の配送事情を知っていると、注文する気にはなれません。
と言うことで、2023年のクリスマスは丸鶏ではなく、牛肉をメインにすることにしました。
日頃、あまり牛肉を食べないので十分ご馳走です。
ビーフシチューにするか、ローストビーフにするか悩み、結局、ローストビーフにすることにしました。
失敗しないローストビーフのレシピを見つけたからです。
以前も紹介した、
今井真実さんの「拍子抜けするほどかんたんな絶品“常備肉” 低温オーブンの肉料理」のレシピです。
柔らかく、なおかつ、ちゃんと火が通った美味しいローストビーフが簡単に出来ます!
今井真実さんは太っ腹なので、noteでもレシピを公開されています。
おせちにもおすすめです。
レシピ通りにすれば、失敗がありません。
メインはローストビーフに決まり、前日に牛肉を買っておきました。
さて、他の料理は何にしましょうか。
最初は、海老入りマカロニグラタンを作る予定にしていたのですが、
ローストビーフの付け合わせにマッシュポテトを作ることにしたので
(今井真実さんの本にマッシュポテトのレシピが載っており、これなら作れそう…となったため)
味のタイプが被ってしまいます。
また、ご馳走の場合、主食をどうするか問題があります。
ピザ?、バケット?、リゾット?パスタ?…ご馳走に白ごはんというのもつまらないので、いつも悩むところです。
しかも、ちょっとご飯を食べたい気分なんですよね…。
あ!とひとつのレシピを思い出しました。
またまた今井真実さんのレシピです。
素晴らしく簡単なのにものすごくおしゃれで美味しいパエリアができます。
柚子が味の決め手なので、ケチらずに買って、使うことをお勧めします。
柚子の香りと牡蠣の味わい、生ハムのしょっぱさとターメリックの黄色が贅沢な一皿になります。
フランスでは、クリスマスに牡蠣を食べる家庭もあると何かで読んだ気がします。(気のせいかも)
生ハムも入っているし,クリスマス感はすごくあります。
このレシピに決まり、です。
あとスープとサラダをつければ、コースメニューのようになります。
スープはホットクックでポタージュを作ることにします。
ホットクックでポタージュを作ると簡単かつ美味しいのでおすすめです。(これもまた記事にしてもいいかもしれません。)
材料を切ってスイッチを押せば、45分ほどで簡単にできるのです。
サラダをどうしたものか…と悩んだ結果、エビグラタンに使おうと思っていたエビが頭をよぎります。
エビを茹でて、サラダにしましょう。これなら簡単、かつ、プラウンカクテルを作ったという実績が解除されます。
エビのサラダ、ポタージュ、ローストビーフにマッシュポテトを添え、牡蠣とターメリックのパエリア、デザートにはお気に入りの洋菓子店のケーキです。
よし!メニューが決まれば、どういう順番で作るのかを考えます。
ローストビーフは昼過ぎから、オープン調理の過程をしておけば十分です。
今井真実さんのレシピは行程をシンプルなので、、マッシュポテトとパエリアを並行しながら作ることができました。
フライパンが古くなっていて、パエリアがこびりつくというアクシデントもありましたが、味は素晴らしく、マッシュポテトとローストビーフの出来も、かなりのものです。
エビのサラダとポタージュも合格点!
今回のメニューは全て、得意レシピに入れても良いかもしれません。
コース料理のような料理を全て作れたことが、格別に嬉しく、
プレゼントなどもらわなくても、楽しいクリスマスイブになりました。
自分のために美味しいものを作る、って楽しいものですよ。