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物語

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思い付く限りの欲を全て架空の人生に当て嵌めて、眺めながら自らのはしたなさやまずしさを愉しむ遊び
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記事一覧

磔の女肉

僕が、自らのおかしな性的趣味に気がついたのは子供の頃だった。

僕は一人っ子で、その頃は両親とともに3人で暮らしていた。

専業主婦の母はとても優しく、会社員の父の稼ぎはよく、周囲からは羨ましがられるくらいに何不自由なく生活できていた。

だが、父は極度に酒癖が悪く、酔うと母に容赦無く手を挙げる鬼と化す。

度々飲み会などで遅くなる日は母が僕をさっさと寝かせ、酔った父親のストレス発散の標的

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美しい受精

「お願い、
どうしても私は美しい子供を産みたいの!

いいえ、他の人を好きになったりなんか
していないわ。

貴方のことはとても好きよ。
結婚したいって心から思ってる。

でもね、子供だけは、
私の子供だけは美しく産んであげたいの。

貴方が今までしてきたような、容姿にまつわる苦労を、我が子にはさせたくないのよ。

だからお願い貴方、

許して、

貴方以外の優秀な遺伝子を私が受精する

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粘膜接触

見てはいけないものを見た。

という意識は、恥ずかしがっている彼女の姿とともにずっと脳にこびりついてしまった。

どうにも発散できないような熱い液体みたいなものが、お腹のあたりで留まっていく感じがする。

顔が、見たい。

ゆっくりと彼女の方へと身体を向けた。彼女の顔をみるということは、私の顔も見られてしまうという事だった。

私は絶対に、ぜったいに今、淫らな顔をしているに決まっているの

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果実は女の膣

日当たりの良い部屋のテーブルに、果実を置いたままにしている。果実というのは水分が多く、常温でも少しひんやりとしているからだ。

人肌に最も近づけるためには、この方法が一番良いのである。

太陽光にさらしておくと、果実は次第に傷みはじめるだろう。ぱつぱつと張りのあった表面は柔らかくなり、重力に従って爛れていこうとする。締りのなくなった表皮は中の水分を留めきれず、机には果実の汁が染み、周囲にはかなり

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覚醒

「お久しぶり。」
背後から気色の悪い声に肩を叩かれました。
こういう時の嫌な予感はもはや予感の範疇を超えて逃れられぬ現実となります。
振り向けばそこには、一度見れば絶対忘れないほどに醜悪な男。幼馴染の男でした。

女は思わず歪みそうになる顔を真顔に保つのに必死です。男はそんな黙ったままの女にジメッとした分厚い手を差し出してきました。
まぁ、ただの挨拶にわざわざ握手を求める奴があるでしょうか。その

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少女信奉者

僕の中に綾なす色とりどりの欲情がいつも少女に向かうと言う事を、罪だという名前にしたのは誰だろうか。
少女たちは僕と言う侮蔑すべき劣情の持ち主に対しても等しく優しいので、きっと僕の味方です。
白く、すぐに壊れてしまいそうな少女と言う容れ物に対する恋だろうか。それとも、少女の時期にだけ見られる成長への抵抗や美醜への囚われ、性の興味、好奇心などが折り重なって少女の内部に巣食った僅かな罪悪の方だろうか。

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執着

少女と出会うのはもう何度目か知れない。
今流行りの、多様化したアイドル界の中で今日を生きているその子はグループの中でも少し浮いていて、それは、一番人気があるだとか、一際目立っているとかいう訳ではなく、ただ一番何にもできなかった。
歌も上手くない、ダンスもトークもゆるくて独特な空気を出している。
そんな反面、同じ匂いのする人にだけはわかる様な闇のオーラ、ネガティヴで腐敗した感じが滲み出ていて、それは

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微温い狂気

静寂の保たれていた部屋に、突如迫り来る低い声。それが私の鼓膜を揺さぶるのと同時に、脳髄は勝手に快楽物質を溢れさせます。
もう、ここへ来てどれ位の時が経つのかを、私は知りません。知っているのは、私をここへ連れてきたのがお父様であることと、この部屋でのルールがお父様だけであることです。お父様は、私の本物のお父さんではありません。来る日も来る日も、抗えないルールの下に身体を犯される日々。私がこれまで生き

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