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遠隔操作で目的の場所にアクセス。テレプレゼンスロボット「VGo」と受付タスク自動化アプリで医療現場を支援するVecna Healthcare社

アメリカのマサチューセッツ州にあるVecna Healthcare社は、医療現場を支援するためのプロダクトを開発しています。

その一つがテレプレゼンスロボット「VGo」です。テレプレゼンスロボットとは、テレビ会議機能、ロボットのボディ、遠隔操作技術を組み合わせたロボットです。ユーザーは遠隔地からロボットを操作でき、さらに人とコミュニケーションが取れるということですね。

もう一つ、Vecna Healthcare社は病院の受付に関するタスクを自動化するアプリケーションも提供しています。今回は、これらのプロダクトが可能にすることを紹介します。

株式会社ユニキャストは、人とロボットによる未来の共創を目指すソフトウェア開発会社です。このマガジンでは、海外の情報を中心に様々な社会課題の解決のために開発されたロボットを紹介しています。また弊社では最新ロボットの導入支援も行っております!お気軽にご相談ください。

そこにいないのにそこにいる。あらゆる場所へのアクセスを可能にする「VGo」

テレプレゼンスロボットVGoは、リアルタイムの音声およびビデオ通信を提供し、ユーザーが離れた場所にいる自分の存在を再現できるようにします。横幅約33センチ、奥行約38センチと比較的コンパクトなロボットですので、狭いスペースも移動することが可能です。

VGoはPC、タブレット、スマホから操作できます。ユーザーの操作をサポートするためのセンサーも搭載されており、障害物や階段を検知してくれるので安心です。

遠隔地からの患者の診察・病院内の巡回、他の施設にいる臨床医や専門家との相談など、VGoの使い方は様々です。VGoを通して、患者が家族と顔を合わせて会話することもできます。

▲VGo for Healthcare Vecna Healthcare社公式YouTubeチャンネルより

医療現場ではスタッフが患者から感染してしまうケースがあるそうですが、VGoはロボットなので病気になることがありません。新型コロナウイルスをはじめとした感染症対策としてもよいですよね。また、VGoを利用することで、ウイルス対策などに必要なPPE(個人用防護服)を節約できます。

VGoは医療現場以外でも活用されています。例えば、白血病の9歳の少女がVGoを利用して学校の教室と中継し、授業を受けているがあります。彼女は「またクラスの一員になれた気がして嬉しい」と話しました。

他にも、水族館や博物館などでリモートのツアー・遠足を行ったり、ビジネスの場でリモートワークの選択肢として導入したりなどの用途があるそうです。病気の方や足の不自由な方、遠方の方もその場にいるように行動できるので、社会や人とのつながりを維持するという点でもよい効果をもたらすと思います。

受付をもっと楽に。ロボットとアプリケーションで包括的な支援を提供

冒頭でも述べた通り、Vecna Healthcare社はVGoに加えて病院の受付タスクを自動化するアプリケーションも開発しています。このアプリケーションは「Vecna 患者受付プラットフォーム」と呼ばれているようです。Vecna 患者受付プラットフォームでは以下のことができます。

・患者による受診時のセルフ受付

患者はまず患者ポータルに自分の情報を登録する必要があります。このポータルに登録することによって、患者はセルフ受付ができるようになり、病院のスタッフは患者の情報を管理しやすくなります。

セルフ受付に使うツールは、病院に設置されたキオスク端末、タブレット、スマートフォン、VGoの4つから選べます。また、事前に問診票に回答したり、保険情報を更新したりすることもできます。請求書の発行と支払いもセルフで行えるため、スタッフの受付タスクの負担を減らします。

▲Vecna 患者受付プラットフォームのキオスク端末

スマートフォンアプリで受付をした場合は、スタッフの診察準備が整うと通知が来るようになっています。スマートフォンであればどこからでも予約・受付ができますし、通知が来るので車で待ちたいときなどにも便利ですよね。

・スタッフ向けの管理用ダッシュボード

管理用ダッシュボードにはリアルタイムの来院情報や受付フローで入力・編集された情報が表示されます。患者に固有のフラグを付ける、診察に優先順位をつけて部屋を割り当てるといった機能もあります。受付に関してスタッフが必要とする情報はここに集約されているそうです。

待合室にディスプレイを設置し、管理用ダッシュボードの情報と連携させることで、患者が待ち時間や診察状況を確認することもできます。公式サイトによると、 Vecna 患者受付プラットフォームの利用によって患者の受付に要する時間が75%短縮し、スタッフの作業効率は30%上がったとのことです。

▲スタッフ向けの管理用ダッシュボード

では日本の医療現場はどうなのかと調べてみたところ、テレプレゼンスロボットというよりは物を運ぶロボット手術を支援するロボットの利用が多いようです。また、受付タスク自動化については株式会社リクルートの「Airウェイト」のほか、類似するアプリケーションがいくつかありました。受付機能を備えたアプリケーションという観点では、弊社の「企業受付 for Sota」やアバター遠隔接客サービス「KSIN」も展開中です。

日本でも医療現場を支援する様々なロボットやアプリケーションがリリースされているんですね。今後さらに導入が拡大することを期待しています!

株式会社ユニキャストは、人とロボットによる未来の共創を目指すソフトウェア開発会社です。当社では、新規ロボット・ITシステムソフトウェアの開発や最新ロボットの導入支援を行っております! ご関心がございましたら、こちらのページからお気軽にご相談ください。

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