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    免疫について調べた無料記事のまとめ

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免疫(39)-アレルゲンに対する免疫応答2-

引用した文献が舌下免疫療法にかかわるものだったため、口腔粘膜における樹状細胞の働きが細かくのっているため、その点についても記載する。 引用文献:侯波ほか アレルギー性鼻炎における舌下免疫療法の奏功機序 耳鼻免疫アレルギー 2015;33(4):209-213 引用文献は前回とかわりなし。 今回は口腔粘膜の主要な樹状細胞である口腔ランゲルハンス細胞(oLCs)について。 oLCsは恒常的にIgEに対する高親和性受容体(FcεRⅠ)、IgGに対するFcγRⅠ、FcγRⅢお

    • 免疫(38)-アレルゲンに対する免疫応答1-

      細菌・ウイルスときましたので、スギ花粉などを含めたアレルゲンに対する免疫応答について調べてみたいと思う。 引用文献:侯波ほか アレルギー性鼻炎における舌下免疫療法の奏功機序 耳鼻免疫アレルギー 2015;33(4):209-213 この文献では、杉花粉による花粉症に対して、舌下免疫療法が行われていることから、その奏功機序について論じている。 他のアレルゲンも同様の機序をとるとおもわれるため、この文献を参考にしてみる。 図1 抗原特異的免疫療法の機序とアレルギー疾患にお

      • 免疫(37)-ウイルス感染に対する感染防御1-

        今回はウイルスが動きですね。 細菌との違いがあるはずなので、見ていきたいと思います。 まず、おおまかな流れはおなじです。 感染が起こると、自然免疫応答と獲得免疫応答が順に起こります。 引用:細菌やウイルスに対する最初の生体防御のシステムが明らかに-形質細胞様樹状細胞が感染免疫応答の活性化に重要な役割を担う- 独立行政法人 理化学研究所 プレスリリース 2011/12/16 この研究では、形質細胞様樹状細胞を中心に研究を行っている。 形質細胞樹状細胞は免疫応答に関わ

        • 免疫(36)-細菌感染に対する感染防御1-

          免疫を学ぶにあたって、抗原各種にたいして、どのように生体が反応するのかを横断的に学んでいきたいと思う。 これまでは、各個別の言葉を中心にそれに関連した流れを調べてきた。 つながりを未だ作れていないため、抗原から始まる流れの把握に努めていきたい。 今回は皮膚における細菌感染をみていきたい。 引用文献:斧康雄 細菌感染症と生体防御機構 日本臨床微生物学雑誌 2006;16(2):1-6 図1 細菌感染に対する感染防御機構の流れ ヒトの皮膚からの感染において、本来は物理

        免疫(39)-アレルゲンに対する免疫応答2-

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          免疫(35)-マイトジェン活性-

          マイトジェン活性について考えてみたい。 まず、マイトジェンとは、 細胞の分裂を誘起する物質のこと 免疫学の分野では、抗原非依存的にリンパ球の幼若化、分裂増殖を誘導するものを指す。 多くはレクチンであり、コンカナバリンA(ConA)、インゲンマメレクチン(PHA)、ポークウィードマイトジェン(PWM)などがある。 ほとんどがT細胞マイトジェン(PWMだけがB細胞マイトジェン)である。 リポ多糖(LPS)はグラム陰性菌由来でマウスB細胞マイトジェンである。 レクチン

          免疫(35)-マイトジェン活性-

          免疫(34)-抗原-

          これまで、免疫について、思いつくままに勉強してきた。 免疫の勉強には抗原の種類とそこからの免疫反応の流れを横断的に勉強していくことが必要だ。 そこで、まずは抗原の分類を列挙していきたい。 抗原とは、動物に抗体と感作リンパ球を作らせるきっかけを与え(免疫原性)、また、作られた抗体や感作リンパ球と特異的に反応する(反応原性)物質である。 ①完全抗原 完全抗原は免疫原性(抗体誘導)と反応原性(産生された抗体に結合)の両方の性質を備えている。 ・胸腺依存性抗原(T細胞依存

          免疫(34)-抗原-

          遺伝(ノーベル賞特別企画)-CRISPR/Cas9-No.6

          前回まででやっと、CRISPR/Casシステムがどのようにして、DNAやRNAを切断するのか、Cas9って何?という話ができた。 また、DNAへの結合の仕方や切断の順番までをまとめることができた。 ゲノム編集という観点から、非相同末端再結合や相同組換え修復についてもまとめておきたい。 ①相同組換え 姉妹染色分体(DNA複製によって生じた同じ配列を持つ染色体)のDNA配列を利用して正確な修復を行う。 しかし、染色体の欠失や転座を引き起こす可能性もある ②非相同末端連

          遺伝(ノーベル賞特別企画)-CRISPR/Cas9-No.6

          遺伝(ノーベル賞特別企画)-CRISPR/Cas9-No.5

          前回までで、CRISPR/Casシステムには、Adaptationフェーズ、Ecpressionフェーズ、Interferenceフェーズがあることを紹介してきました。 引用文献:新海暁男 CRISPR-Casシステムの構造と機能 生物物理54(5);2014:247-252 今回のノーベル賞で話題になった、CRISPR/Cas9は、2013年にCas9-sgRNAの系が人工ヌクレアーゼとして利用可能であることが報告されたことが発端でした。 図1 Cas9を用いたゲノム

          遺伝(ノーベル賞特別企画)-CRISPR/Cas9-No.5

          遺伝(ノーベル賞特別企画)-CRISPR/Cas9-No.4

          CRISPR/CasシステムのInterferenceフェーズについて、記載していきたいと思う。 前回、Expressionフェーズを記載した。 TypeⅠ~Ⅲがあり、 TypeⅠでは、crRNAはCascade複合体になる。 TypeⅡでは、Cas9-tracrRNA:crRNA複合体が形成される。 TypeⅢ-Aでは、Csm複合体にcrRNAが結合し、TypeⅢ-Bでは、Cmr複合体にcrRNAが結合する。 Interferenceフェーズについて、 crR

          遺伝(ノーベル賞特別企画)-CRISPR/Cas9-No.4

          遺伝(ノーベル賞特別企画)-CRISPR/Cas9-No.3

          CRISPR/Casシステムのつづき。 前回はAdaptationフェースについて記載した。 今回はExpressionフェーズについて記載していきたいと思う。 引用文献:新海暁男 CRISPR-Casシステムの構造と機能 生物物理 2014;54(5):247-252 Expressionフェーズとは、 CRISPR領域が転写されて、pre-CRISPR RNA(pre-crRNA)が生成される。 次に、pre-crRNAのリピート部分がある種のCasタンパク質

          遺伝(ノーベル賞特別企画)-CRISPR/Cas9-No.3

          免疫(33)-アデノシン-

          アデノシンがT細胞の制御に関連しているなんて。 すいません。しりませんでした。 なので、調べてみましょう。 アデノシンは、細胞内中間代謝体としての役割に加え、4つの細胞膜アデノシン受容体(A1、A2A、A2B、A3AR)に結合し、多彩な生命現象に関与。 cytoplasmic 5'-mucleotidaseは細胞内に豊富に存在するATP/ADP/AMPを分解しアデノシンを産生する。 産生された細胞内アデノシンはadenosine kinaseやadenosine d

          免疫(33)-アデノシン-

          遺伝(ノーベル賞特別企画)-CRISPR/Cas9-No.2

          そもそものCRISPR/Casシステムを少し掘り下げて行きたいと思う。 引用文献:新海暁男 CRISPR-Casシステムの構造と機能 生物物理 2014;54(5):247-252 ●Adaptation フェーズについて このフェーズは、外部から侵入してきたDNAの1部分を切り出し、新たなスペーサー配列としてCRISPR領域に挿入するフェーズである。 図1 CRISPR-cas領域 CRISPR領域は、スペーサー配列を挟んでリピート配列(図1では黒色の領域)が繰

          遺伝(ノーベル賞特別企画)-CRISPR/Cas9-No.2

          遺伝(ノーベル賞特別企画)-CRISPR/Cas9-

          ノーベル化学賞が発表されたので、CRISPR/Cas9について紹介する。 自分がどこまで理解できるのか、についてもこれではかることができるだろう。 まずは、大手新聞社で紹介されている内容を比較対象として記載。 ********** 参照:朝日新聞社 ノーベル賞のゲノム編集「圧倒的に簡単」広がる応用研究 10/7 21:46 生命の設計図を操るゲノム編集 DNAの狙った部分をピンポイントで変えられる技術で、農作物の品種改良や、病気の治療への応用研究が広がりつつある。

          遺伝(ノーベル賞特別企画)-CRISPR/Cas9-

          免疫(32)-マクロファージ-

          マクロファージという免疫細胞について。 MΦなんて書かれたりもするよね どんな機能があるのか、よくしらないので、調べるしかない マクロファージは、貪食機能に優れた細胞である。 病原体、死細胞、細胞や細胞外マトリックス由来の老廃物といった不必要な物質の排除を担っている。 それにより、生体の防御や恒常性の維持を担っている。 マクロファージは、病原体を認識する多くのレセプターを発現し、自然免疫応答と獲得性免疫応答のいずれにも寄与する。 また、成長因子を分泌し、血管増殖

          免疫(32)-マクロファージ-

          遺伝(6)-DNAポリメラーゼ-

          DNAの合成に必要な酵素を見ていこうと思う。 DNAポリメラーゼは、すべての生物種に存在する酵素である。 生物の遺伝情報を担うDNAを合成するという重要な役目がある。 ヒトにおけるDNAポリメラーゼは、この文献によれば、14種類見つかっている。 アミノ酸配列の類似性に応じて、A、B、X、Yの4つのファミリーに分類されている。(なぜこのアルファベットなのだろう?) それぞれのファミリー毎に特徴的な機能がある。 例えば、 DNAポリメラーゼδやεなどはBファミリーに

          遺伝(6)-DNAポリメラーゼ-

          遺伝(5)-トポイソメラーゼⅠ-

          トポイソメラーゼⅠについてもチェックしてみよう。 二本鎖のDNAは生理的な条件では二重螺旋構造を形成しており、この二重らせんにはねじれが生じている。 このねじれ構造を超らせん構造という。 このDNAの立体構造を変える酵素として、トポイソメラーゼがある。 今回はトポイソメラーゼⅠについて トポイソメラーゼⅠは2本鎖の片方だけを切断して再結合させる働きがある。 これによって、二重螺旋構造を変化させて、DNA複製などに関与している。 また、JUNなどの転写因子によるR

          遺伝(5)-トポイソメラーゼⅠ-