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免疫(37)-ウイルス感染に対する感染防御1-

今回はウイルスが動きですね。

細菌との違いがあるはずなので、見ていきたいと思います。

まず、おおまかな流れはおなじです。

感染が起こると、自然免疫応答と獲得免疫応答が順に起こります。

引用:細菌やウイルスに対する最初の生体防御のシステムが明らかに-形質細胞様樹状細胞が感染免疫応答の活性化に重要な役割を担う- 独立行政法人 理化学研究所 プレスリリース 2011/12/16

この研究では、形質細胞様樹状細胞を中心に研究を行っている。

形質細胞樹状細胞は免疫応答に関わるサイトカインの一種であるⅠ型インターフェロンを多く産生する。

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・インターフェロンは、哺乳動物におけるサイトカインファミリーの一種で、当初はウイルス感染を抑制する因子として同定された。現在では、増殖抑制や、免疫調節などの多くの活性を示すことが明らかになっている。

・哺乳動物のⅠ型インターフェロンは、IFN-αなど9種類以上の異なるクラスで構成されている。ヒトでは6種類が見つかっている。Ⅰ型インターフェロンは、Ⅰ型受容体(IFNAR1+IFNAR2)という2つの受容体鎖で構成される受容体に結合する。

・Ⅰ型インターフェロンは、シグナル伝達カスケードとしてJAK1-STAT経路を活性化し、ウイルス感染細胞を防御する種々の遺伝子(Mxタンパク質、(2’-5’)オリゴアデニル酸合成酵素、タンパク質キナーゼR(PKR)など)の発現上昇を誘導する。

引用:インターフェロンとは コスモ・バイオ株式会社 記事ID:15082

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この論文では、Siglec-Hというタンパク質が、形質細胞様樹状細胞のサイトカイン抑制を行っていることや、T細胞活性化能(増殖誘導能)に必要であることが示されている。

そして、形質細胞様樹状細胞が最初に病原体を感知して、Ⅰ型インターフェロンなどを産生し、通常型樹状細胞などを活性化させて、自然免疫応答を誘導している。さらにキラーT細胞を積極的に生成することで獲得免疫応答を誘導し、効率的に病原体やその感染細胞を排除することが示されている。


今回の研究では単純ヘルペスⅠ型ウイルスを感染させたマウスで実験しているようなので、ヒトにそのまま応用できるかはもちろん精査が必要。

また、題名には細菌感染もふくまれているようなので、ウイルス以外の病原体であっても同様の流れになるのかどうかも確認が必要。これは原文を読んでみないといけない。


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