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東京で抹茶なパフェ


おうちで、見て、食べる、パフェ」。

第25回目として、紹介したいのは、

林屋新兵衛」さんである。



マダムと外国人が集う街、銀座。


ここは、古く1753年から続く、

京都の老舗お茶屋「京はやしや」さんが

プロデュースするワンランク上の高級甘味処だ。


「京はやしや」さんといえば、

お茶を使ったスイーツ文化を

提供し続けてきた先駆者である。


「抹茶パフェ」という商品を初めて世に送り出したのも

この「京はやしや」さんである。

なんと、ありがたい歴史的開発であろう。


さて、今回、「京はやしや」さんが挑戦したのは、

「祇園の雅な雰囲気を銀座に再現する」という試みである。

それが、「林屋新兵衛」であった。

和カフェでありながら、夜はバーとしても使え、

まさに、「祇園」の雰囲気を生で味わえるよう工夫されている。



もちろんわたしのお目当ては、パフェだ。

林屋新兵衛特製パフェ」である。


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薄暗く静かで落ち着いた店内に、

輝くようなビジュアル。

美しい。

主役は、抹茶のアイスクリームと自家製わらび餅だ。

これが悶絶するほどにおいしい。


まず、抹茶が極上だ。

程よい苦みと甘み。

少し溶けた抹茶アイスとゆでたての白玉、

つぶつぶの小豆を絡めて食べれば自然とまぶたが落ちる。


国産本わらび餅には抹茶が練り込まれており、

やわらかく、やさしく、口の中でとろけてしまう。

おいしい。


さらに、あんずのコンポートでさっぱりと味を締めてくれる。


それぞれの素材が役割を全うし、

無駄が一切ない。

完成された抹茶パフェ。


「抹茶パフェ」と呼ばれるものは、

いくつも食べてきた。

これは、それらのなかでも、

最高峰を飾るパフェであった。

感動した。


ただ、残念なお知らせがある。

実は、この銀座店は閉店してしまったのである。

林屋新兵衛特製パフェ」はもう、食べることはできない。

このニュースを耳にしたときは本当に悲しかった。


が、その代わり・・・閉店から程なくして、

林屋新兵衛・日比谷店」がオープンした。

今回はこちらについても紹介しよう。



新店舗は、近年話題となった、

東京ミッドタウン日比谷の2階にある。



オーダーしたのは、

古都の庭園パフェ」。


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もちろん、一般的な縦長のグラスに入った、

「抹茶パフェ」などのメニューもあったが、

横長い形の新しいパフェを楽しむことにした。


上層の抹茶パウダーや黒豆甘露煮、クランブルで

苔むした日本庭園を表現している。

美しい演出だ。


スプーンですくうと、

抹茶にマスカルポーネのクリーミーな甘みが溶け合う。

とてもおいしい。


横にずれ、もう一口食べると、

すだちシャーベットが現れる。

意外だった。

爽やかな香りが鼻を通り抜ける。


また、横に食べ進めると、

抹茶のゼリーと抹茶アイスだ。


場所によって、味が変化するのがおもしろい。


宝探しのように、つぎは何が出るのだろう?

と、わくわくする。


縦長のグラスと違い、

素材同士を混ぜて楽しむというより、

素材それぞれを味わうイメージだ。


これもまた、「抹茶パフェ」の新しい挑戦であろう。




でも、やはり、わたしは

銀座で食べたあのパフェが忘れられない。

またいつか、

あの感動が訪れると信じている。


なぜなら、「京はやしや」さん、

そして「林屋新兵衛」さんの

抹茶スイーツへの挑戦は続くからだ。


あたらしい「抹茶パフェ」の登場を待つばかりである。








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