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セレブなパフェ


おうちで、見て、食べる、パフェ」。

第30回目として、紹介したいのは、

和光ティーサロン」さんである。



和光といえば、銀座のシンボル、

あの時計台が目印の、高級ブティックである。


そんな和光さんのアネックス館2階には、

大人のためのティーサロンが用意されている。



そこでは、

華やかなマダムたちが美しいケーキを前におしゃべりに花を咲かせていたり、

一人の貴婦人が紅茶を飲みながらゆったりと流れる読書時間を満喫していたり、

おだやかそうな老夫婦が微笑みながらクロックムッシュを頬張っていたり、

およそ銀座の一等地でしか見られないような光景を目にすることができる。



そこでのパフェは、絶品だ。




今回は、父からのプレゼントとして、ホワイトデーに

ごちそうになったときのパフェを紹介しよう。




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右が「チョコレートパフェ」、

左が「ストロベリーパフェ」だ。


わたしと母は「チョコレートパフェ」を注文した。

これは通年で食べることができる。

一方、父が注文した「ストロベリーパフェ」は、

冬期限定となっている。



では、実食。

「チョコレートパフェ」の花びらをパリパリと崩し、

もったりと濃厚なダークチョコレートクリームを口に運ぶ。

クリームというより、生チョコに近い。

洋酒が使われているため、大人の薫りが漂う。

おいしい。


生クリームは濃厚だが、どこかあっさりとした爽やかさがある。

そこに、冷たく濃厚なアイスクリームが現れる。


ここまで、かなり濃厚な味わいが続く。


と思いきや、バナナの風味が薫ってくる。

急に、爽やかな味わいが全身を突き抜ける。


バナナがソルベ状になっているからだ。


丁寧に細かく刻まれたソルベ状のバナナによって

さっぱり上品な風味が加わった。

すごくいい。


実は、「バナナ」という素材の扱いは難しい。


庶民的フルーツゆえに、

使いようによっては、

一気にチープ感が漂いかねない。

時に、かさ増しと言われたりもする。


しかし、このパフェでは、

そんなことを一切感じさせない。


むしろ、丁寧に調理したバナナを入れることによって、

全体的に重くのぺっとしていた印象を

爽やかな空気へと一変させてくれた。


和光ティーサロンさんの仕事は本当に丁寧なのだ。


繊細な仕事はまだ続く。


写真を見てわかるように、

パフェの層が鮮明に分かれているだろう。

これは、薄い板チョコで仕切られているからなのだ。


だから、美しく魅せることができる。


しかし、ただ、魅せるだけでない。


パリパリとした食感を楽しめる。



一つ一つの素材は決して珍しいものではないけれど、

それぞれへの向き合い方が丁寧だからこそ、

食感や味、薫り、温度など、

ひとつのパフェで、

さまざまな体験をすることができる。


計算しつくされ、

食べる側への配慮が感じられる丁寧なパフェ。


これが、日本のおもてなし、なのか。


ちなみに、父が注文した「ストロベリーパフェ」は

少ししか味見することができなかった。残念。

またの機会に、ぜひ、食べたい。



そういえば、

家族3人でパフェを食べていて思い出した。


わたしは、小さい頃から、

パフェが大好きだった。


パフェは特別だった。


家族3人で外食したら、

デザートに食べるのは必ずパフェだった。


誕生日ケーキは

ショートケーキではなく、

パフェだった。



学校で喧嘩したわたしを迎えに来た母が、

何も言わずにファミレスに連れて行って、

注文してくれたのはパフェだった。



初任給で両親にごちそうしたのもパフェだった。



わたしがこれほど、

パフェに夢中になれたのは、

両親のおかげでもある。


また、ひとつ、銀座で

パフェの思い出が生まれた。


パフェはわたしの人生


父と母にありがとう。











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