海野まなみ

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この度、ブログの内容を再編集した電子書籍が出版されました。 離婚まで365日 海野まなみ著 https://www.amazon.co.jp/離婚まで365日-あーと出版-海野まなみ-ebook/dp/B0BHPRC444/ref=zg_bsnr_562880_sccl_2/355-6874546-5939648?pd_rd_i=B0BHPRC444&psc=1 まさかこのブログが、書籍化されるなんて、全く考えてなかったことで・・・。 さらに、ろくに宣伝もしなかったの

    • 離婚まで0日 〜さよなら〜

      彼から 「今日、離婚届を提出しました」とのLINEがあった。 わかりました。とだけ、返信をした。 あっけない幕切れ。 あんなにケンカして、たくさん傷ついて、何度も何度も彼を呪った。 今だって、全てを納得してるわけじゃない。 悔しさと寂しさも、まだ残ってる。 それでも、もう過去を振り返るのはやめにしよう。 今は「離婚」に、必要以上にセンシティブになっているだけ。 傷ついた心は、時間でしか癒せないから、焦っても無駄なんだ。 いつか笑って話せる日まで、少しづつ頑

      • 離婚まで1日 〜学んだこと〜

        「病院から連絡がありましたので、折り返し電話してください」 とだけ、彼にLINEをした。 数時間後に「わかりました」との返信。 病名はなんとなく察しがつくけど、あえて聞かなかった。 そして、これで全てはおしまい。 サイン済みの離婚届は、すでに彼に渡してある。 今日か明日には提出するのだろう。 今になって本音をいえば、私は離婚はしたくなかった。 ずっと死ぬまで、幸せな結婚生活を送りたかった。 でもそれは、彼が変わらない限り無理だとようやくわかったので、「結婚」

        • 離婚まで2日 〜運命と宿命〜

          彼の机の上に、無造作に置かれている健康診断結果を見つけた。 いくつかE判定がある。多分、これだな。 彼の親族は、闘病しながら長生きしていた。 彼のお父様も。 彼のお祖父様も。 彼はそれをとても気にしていて、もし自分が同じような状況になったら「安楽死する」とよく言っていた。 日本ではそれは難しいんだよ、私、安楽死の許可にサインするのは嫌だよ〜。 まだ仲が良い頃に、笑って話したのを思い出した。 彼はまだ発病していないだろうけど、この数値の高さは、将来の可能性を物語

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        • 離婚まで365日
          359本

        記事

          離婚まで3日 〜神様は見ている〜

          それは、行きつけの病院からの電話だった。 「ご本人様に何度も電話したのですが通じなくて、  緊急連絡先に奥様の電話番号が書かれていたので・・・」 ・・・そうか。 私の連絡先はあちこちに登録したままだ。 少しづつ、変えてもらわないといけないな。 そんなことを考えながら、病院からの話を聞いた。 精密検査の日程変更だった。 え?精密検査?なんの? けれど冷静を装い、話を合わせて聞き出した。 そういえば数ヶ月前、健康診断に引っかかって、再検査に行っていたことを思い

          離婚まで3日 〜神様は見ている〜

          離婚まで4日 〜最後の日〜

          今日、やっとこの家を出ることができる。 全く寛ぐことができなかった家。 嫌な思い出しか残っていないから、悔いがないわ。 彼は珍しく出掛けている。 もう、私と顔を合わせるのが嫌なのかもしれない。 それならそれで結構だ。 私も昨晩は言いたいことを言ったけど、どうせ彼はほとんど理解していないだろう。 まあ、それも彼の人生だ。 忘れ物がないか、ぐるっと部屋を見回す。 その時だった。私の携帯電話が鳴った。 知らない番号からだった。 「突然すみません、◯◯病院のもの

          離婚まで4日 〜最後の日〜

          離婚まで5日 〜幸せにはさせない〜

          あの女を切らない限り、あなたは幸せになれないの。 でも、あなたからはもう切れないよね。 今回こそ、絶対に連絡してはいけなかった。 私との離婚が、最後の砦だったんだよ。 これが、あの女の復讐だよ。 自分に依存させて、あなたを幸せにさせないの。 考えすぎだって思ってる? 女が原因で、人生間違う男はたくさんいるよ。 最初はみんな、軽い浮気から始まるんだよ。 あなたは女という生き物を舐めすぎだよ。 私のことも、浮気相手の女のことも。 女は、あなたの暇つぶしのため

          離婚まで5日 〜幸せにはさせない〜

          離婚まで6日 〜蜘蛛女〜

          あなたは、恋愛感情がなくなっても、あの女との縁を切る気はないよね? 出張ついでにこの女とデートするのは、楽しみの一つとして定着してるもんね。 かといって、あの女と再婚する気はないんでしょ? あれは不倫だから楽しめたんだよ。 あなたもそれはわかってるはず。 この先も、腐れ縁みたいにズルズル続くと思うよ。 けれどこの先、例えばあなたに、好きな女が出来たとする。 真剣に付き合っていたとしても、新しい彼女はやがて気がつく。 「浮気してるの?」って。 今までだって、な

          離婚まで6日 〜蜘蛛女〜

          離婚まで7日 〜復讐の仕方〜

          女はね、自分を見捨てた男を絶対に許さないよ。 自分が幸せになってその男を忘れるか、もしくは呪って復讐するか、どちらかだよ。 復讐と言ってもね、別に犯罪行為するわけじゃないよ。 この女はね、あなたを、自分に依存させようとしてるんだよ。 この意味わかる? あなたもこの女に対して負い目があるから、会ったら優しくするでしょ?お金だって出すでしょ? 最初は女も遠慮気味かもしれない。 でも、そのうちどんどん図に乗っていくよ。 あなたに傷付けられた分、元を取ろうと思うはずだ

          離婚まで7日 〜復讐の仕方〜

          離婚まで8日 〜一番、言いたいこと〜

          それなら私も親切心で一つだけ、あなたにアドバイスするよ。 あなた、またあの女と連絡取ってるでしょう? もちろん今更、私が口出すことじゃないんだけどさ。 どうせあなたの方から「離婚が決まった」って連絡したんでしょう? 大体わかるよ。 でもさ、あなたから一方的に見捨てられた女が、あなたからの連絡に再度応じる意味、わかってる? 自分に魅力があるからだとか思わないでよ・笑 自分を見捨てた男と、もう一度連絡をとる理由はひとつだよ。 復讐だよ。 あなたに復讐するためだよ

          離婚まで8日 〜一番、言いたいこと〜

          離婚まで9日 〜キレイゴト〜

          「色々迷惑かけてごめん・・・」 サインをした離婚届を渡した瞬間に、彼は言った。 最後はキレイに終わりたいのだろう。 カッコつけたい彼の気持ちはわかるけど、今になって謝られてもね。 「憎み合って別れたくないからさ・・」 ・・・憎み合う気はないけど、キレイゴトを言うつもりもないよ。 「マナミには幸せになってほしいと、本気で思ってる」 ・・・あなたの親切心に水を差すようだけど、余計なお世話だよ。 あなたを恨む気はないけど、幸せを願うつもりもないよ。 むしろ記憶から

          離婚まで9日 〜キレイゴト〜

          離婚まで10日 〜サイン〜

          前回は、離婚届を目の当たりにしてみっともないほど動揺してしまった。 そこから逃げ出したくてしょうがなかった。 彼がサインを急かすのにも、腹が立った。 たった一枚の紙切れで、人生が変わってしまう。 思い描いていた結婚生活には程遠く、悔しさと無念があふれ出た。 こんなはずじゃなかったのに! でも、どんなに頑張っても、どうにもならないこともある。 それを痛いほど学んだ結婚生活だった。 次こそは冷静に対応しよう。 彼の出張中、ずっとそう思っていた。 これは自由への

          離婚まで10日 〜サイン〜

          離婚まで11日 〜二度目の離婚届〜

          彼が出張から帰ってきた。 すでに私の荷物がないことに、一瞬驚いたようだったけど、全てを悟ったようだった。 「荷物運んだのか。いつから新居に住むんだ?」 明日の朝にはここを出ていくよ。 あとは私の布団を運ぶだけだから。 「そうか。  あ、昨日メールしておいたけど、保証人の件は無事に外れたから」 うん、見たよ。 私は敢えて、ありがとう、とは言わなかった。 「じゃあ、これ」 彼は離婚届を差し出した。 ー今日の教訓ー サインは全てが終わってから。

          離婚まで11日 〜二度目の離婚届〜

          離婚まで12日 〜引っ越し〜

          彼から「出張が数日伸びます」と事務的なメールが届いた。 現地で誰と何をしているのか、もう考えないことにした。 この機会に、引っ越しをしてしまおう。 この家にいるから、いつまで経ってもグズグズ引き伸ばしてしまうのかもしれない。 大家さんに交渉したら、日割りで入居できるようになった。 新居はここから車で1時間弱。 大型家具や家電はないから、自家用車で3往復もすれば、ほぼ運び込めそうだ。 ちょうど彼が帰ってくる日には、私の私物は何もない状態にしよう。 彼の引っ越しな

          離婚まで12日 〜引っ越し〜

          離婚まで13日 〜たかが紙切れ〜

          あれから一言も話さないまま、翌朝、彼は出張に出かけた。 結局、書きかけの離婚届を持っていったのかはわからない。 まさか私のサインを偽造してまで、勝手に出すことはないだろう。 彼がいなくなって、改めて考える。 離婚に迷いはない。むしろ、早く楽になりたいくらいなのに。 けれど目の当たりにした「離婚届」に動揺した。 それを見た途端、ぎゅっと胸が締め付けられて、思わず涙が込み上げてきたのだ。 彼には気づかれなかったけど。 たかが一枚の紙切れなのに、自分でも驚くくらい、

          離婚まで13日 〜たかが紙切れ〜

          離婚まで14日 〜家庭裁判所〜

          続けて私は言った。 不満があるなら、家庭裁判所に申し立てるよ。 そこで、裁判員を巻き込んで、公平に判断してもらおう。 ただそうなると、夫婦の赤裸々な話を全てすることになる。 生々しい暴露合戦になるよ。 私はそれでも構わないよ。 本当は、法律に基づいて判断してもらったほうがいいと思ってたから。 でも、そうなると、私に分があるよ。 その理由はわかってるよね? 彼は私を睨みつけたまま、 「オマエは本当にバカだ!離婚することになって本当に良かった!」 そんな捨て

          離婚まで14日 〜家庭裁判所〜