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離婚まで13日 〜たかが紙切れ〜

あれから一言も話さないまま、翌朝、彼は出張に出かけた。

結局、書きかけの離婚届を持っていったのかはわからない。

まさか私のサインを偽造してまで、勝手に出すことはないだろう。



彼がいなくなって、改めて考える。

離婚に迷いはない。むしろ、早く楽になりたいくらいなのに。


けれど目の当たりにした「離婚届」に動揺した。

それを見た途端、ぎゅっと胸が締め付けられて、思わず涙が込み上げてきたのだ。

彼には気づかれなかったけど。

たかが一枚の紙切れなのに、自分でも驚くくらい、その紙の存在は重かった。


その昔、嬉しくて、興奮して書いた「婚姻届」を思い出した。

書き損じがないように、2枚用意したっけ。

そういえば、今回の離婚届も、2枚用意してあったな。


どうしたって、離婚届は書かなきゃならない。

結論を、先延ばしにすればするほど、事態は悪くなっていく。

それはこの一年で、嫌というほど学んだことだ。



ー今日の教訓ー

離婚届は自由へのパスポート

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