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【イベントレポート】青森ゆかりのみオンラインvol.1<三八地域>前編

青森県の中では冬の降雪量・降雨量が少ないとされている八戸市でも、今年の年末年始は大雪に見舞われました。新型コロナの流行により、毎年恒例となっている忘年会や初詣すら自粛した方も多いのではないのでしょうか。静かすぎる忘年会シーズン、実家への帰省も何だか気が引けたりして、おまけに道路は雪が積もってデコボコ状態。鬱屈した年末年始を過ごされた方も中にはいらっしゃるかもしれません。

しかし、コロナ流行中だから自粛しなければならないということは、捉えようによってはコロナ流行中の今だからこそできることがあるのではないかということ。地元に帰省できない人が多いからこそ、地元との繋がりを今まで以上に求める人が増えるのでは?

「ゆかりのみ」ってなに?

今回、海猫ふれんずは「かえれる地元をつくる」ために活動されている永井彩華さんにご協力いただき、永井さんが企画されている「栃木ゆかりのみ」を青森でもスタートできないかというプロジェクトにジョインすることとなりました。

「ゆかりのみ」の目的に、地域との関係づくりの第一歩として、地元から離れて住んでいる地方出身者たちが、地元に住む人たちとともに「かえれる地元」について語り合う場づくりがあります。県内・県外問わず、出身地も問わず、青森が好きだ、青森に興味がある、青森に住んでみたいまたは移住してみたいなど青森にゆかりを持つ方であればどなたでも参加していただけます。

青森ゆかりのみオンラインvol.1<三八地域>開催!

「青森ゆかりのみ」は最終的には青森県全土を対象に行うことが目標ですが、私たち海猫ふれんずが八戸を中心に活動していることもあり、初回の2021年1月22日は三八地域(八戸市、三戸町、五戸町、田子町、南部町、階上町、新郷村)を主な対象とし、zoomを利用したオンライン上で開催されました。

海猫ふれんずに場所を提供してくださったのは「漁BAL 二代目湊のいろは」さん。今年1月に開店したばかりのお店で、30年ほど前に地域の人々に惜しまれつつ閉店してしまった店「いろは」を、八戸を湊から元気にしたいという地域活性化の思いを持つ湊の有志たちがその第一歩として復活させたお店です。早朝に湊の朝市から仕入れる新鮮な食材を使った昔懐かしいメニューが楽しめます。今回はご協力ありがとうございました。

参加者の紹介

青森県三八地域にゆかりがある人を対象に今回募集させていただきましたが、日本各地から様々な方が参加してくださいました。

私たちと同じように八戸市在住の方では八戸圏域の活性化や地方創生事業に尽力されている方や、人気飲食店の方、おとなり階上町の方、青森県出身で今でもよく三八地域に遊びに来られるという方から、東京に住みながら青森に関わる仕事をしているという方。

そのほかにも様々な地域のことを知りたいという方がいらっしゃったり、いろんな人との出会いを楽しみに参加してくださった台湾出身の方、青森より先にスタートしている栃木・群馬ゆかりのみのメンバーさんたちが遊びに来てくださったりと本当にいろんな方がいらしてくださり、私たちにとって楽しくもたくさんの勉強になる会となりました。みなさまお忙しい中ご参加くださり、本当にありがとうございました。

【青森県】未だ続く津軽vs南部の戦い

ここからはトークの一部を紹介していきましょう。せっかくいろんなところから参加者のみなさまが集まってくれたので、まずはそれぞれの視点から見た青森県や三八地域のイメージについてお話していくこととなりました。

青森県出身・在住の方はご存知の方も多いとは思いますが、歴史的背景が影響し未だ津軽と南部の間には根深い遺恨が残っている部分があります。また県の中央に八甲田山があったため、昔から互いの地域が行き来しにくく、また天候も違っていたために、方言の違いをはじめとしたそれぞれ全く別々の文化が築かれました。

それをふまえて、弘前出身の方から見た青森県・三八地域についてです。まずは八戸周辺には新幹線が止まる駅や空港があって羨ましく、弘前の人々も中学生くらいまでは地元でよく遊んでいたが高校生の年齢が上がるにつれて遊ぶ場所を青森市や八戸市までと足を伸ばすようになるそうです。しかしやはり津軽プライドもあるため、南部の人には負けられないという強い思いは常にあるとのこと。津軽勢も南部勢も納得の頷き。未だにお互い何となく津軽には、南部には、負けたくないという気持ちが残っているようです。

中立視点として、とお話してくださったのは青森市出身の方。青森市は津軽や南部に比べると歴史が浅く、県庁所在地であるにも関わらず津軽や南部よりも注目度が低いと感じることがあるそうです。しかし、いろんな企業が集まる青森市。経営者にあたる人々は年齢層が高いこともあり、私たち以上に津軽と南部の遺恨を残している面もあり、役員の出身地の割合などにも気を遣うらしいといった話も聞いたことがあるそうです。青森市に関わらず、まさかの東京にある会社でも青森出身の方々の間で実際にそういう話があるとのことで、これにはみなさん思わず苦笑し、自分たちが思っていた以上に津軽と南部の溝が深いことを知ることとなりました。

一方、青森県外の方の印象をいくつかあげてみると、青森というとりんごのイメージが強すぎることや弘前や八戸のことはなんとなくイメージできるがそのほかの下北や細かい地域のことはほとんど知らないということ。また青森県民は津軽と南部の溝を多くの人が歴史的背景から理解している、または語れるところに驚いたとのこと。津軽と南部、お互いを強く意識してしまうのもひとつの地元愛のかたちなのでしょうか。

後編に続きます。

なつめ

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