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授業時間内に職員室でのんびりくつろぐ高校の教員たち

高校の職員室。

4時間目や5時間目に中を覗くと、授業のない教員たちが、のんびりとくつろぎながら昼食をとっているかもしれない。

わたしはこの光景を小さなオアシスと書いた。

では、実際、教員たちはどのようにくつろいでいるのだろうか。



まず、わたしは昼食を食べたり、さらに時間があればコンビニスイーツを食べたりコーヒーを飲んだりしながら、スマホを見ている。

メールのチェック、LINEのチェック、ニュースのチェック、SNSのチェック、通販サイトのチェックなどなど……

まあそんなところである。
プライベートのときと変わらない。

わたしのようにスマホを見ながらくつろぐ教員が最も多く、なかには堂々とYouTubeを見たり、すこし隠しながらゲームをしたりする教員もいる。

また、スマホではなくパソコンを使って、大画面で上記を堪能する教員もいる。



ゲームといえば、数年前のことになるが、ポケモンGOが全国的に大流行した。

当時は夏休み中だったため、夏休み明けは校内でプレイさせないよう生徒たちに注意しなければ、と教員たちはげんなりしていたが、その教員たちも大半がプレイしていた。

もちろんわたしもそのひとりである。
昼休み中に更衣室で荷物を整理していたら、レアなモンスターが出たので大喜びで手に入れた。
何食わぬ顔で更衣室から出てきたわたしを見て、まさかモンスターを手に入れたあとだとは誰も思わなかっただろう。

幸いというか何というか、夏休み明けにはすでに流行の勢いがおさまっていたので、生徒のみならず教員もホッとしたものである。



とはいえ、職員室で教員に声をかけたら、格闘ゲーム・パズルゲーム・RPGなどの画面が見えたこともある。

わたしはいままでに出会った同僚のなかで「自分が高校生だったらこのひとに担任をしてほしい」と思える教員が3人だけいるのだが、そのうちの1人もまさに堂々とゲームをプレイしていた。

ショックを受けるわけがない。
むしろ真逆だ。

彼は授業や生徒対応や保護者対応がとても丁寧で、生徒からも慕われている教員だった。

つまりゲームをプレイしていようが仕事の質に影響はないのである。

それよりも普段とのギャップがおもしろく、強靭なメンタルが頼もしかった。



また、居眠りをする教員も多い。

腕組みをしながらうつらうつらしたり、顔を伏せてがっつり眠りこけたりと様々である。

特に体育科の教員や年配の教員は、体力がもたないのか、居眠りをする率が高い。

スマホやパソコンであれば外からちらりと覗かれてもなにをしているかわからないが、居眠りはバレバレだ。

わたしは居眠りをしないが、どうしても眠くなったら職員室ではなく、所在を明らかにしたうえで外から覗かれない教室(教科室や研究室など)へ行ったほうがいいのではと思っている。

しかし職員室で居眠りをする教員は必ずいる。



ほかには読書をしたり、論文を書いたり、子どもの幼稚園グッズの名付けをしたりする教員もいる。

いやもう本当に自由である。

まさにくつろぎかたは十人十色だ。



なお、試験期間中や長期休み中は昼休みに外出して、コンビニなどで昼食を買ってきたりファミレスなどで昼食をとってきたりする教員も増える。

以前、昼休みにマックへ行った教員が、ポテトを大量に買ってきてくれたことがある。
ちょうど重大な生徒指導案件が出たあとで、どんよりしていたのだが、職員室に広げられたポテトのおかげで空気がパッと明るくなった。
ケチャップやマヨネーズなどを冷蔵庫から取り出し、管理職も含めてみんなでつまんだ。

それからめんどうな事務作業が山積されていたとき、上司がコンビニでアイスを買ってきてくれたこともある。
夏の暑い日、授業の空き時間に食べたアイスのおかげで、さあちょっとだけがんばるかという気持ちになった。

そういう息抜きは支えになる。

平常授業の日だとむずかしいかもしれないが、タイミングさえとれればどんどん外出するといい。



ここまで読み、教員としてどうなのか、自分が抱いてきた教員のイメージと違うからけしからん、と思うひとがいるかもしれない。

でも教員も就業規則上は昼休みがあるのだ。

本来であれば昼休みをとれないことが異常であり、昼休みにくつろがないというイメージを抱かれているならばそれこそ正す必要がある。

教員もひとりの社会人だ。

昼休みの時間をスライドさせて、授業の空き時間に昼食をとりながらくつろいでも何ら問題はない。



わたしはくつろぐ教員でいたい。

生徒たちに、将来、昼休みのない姿勢を美化するような働きかたをしてほしくない。

明るく楽しく働いてほしいし、そのためには規則を活かしたオンオフの切り替えも必要である。

くつろぐことに引け目を感じず、しっかりひと息つきながら、またしっかり働いていきたい。

かくいうわたしも、かつては職場でくつろぐことができていなかったため、自戒を込めて言い聞かせている。

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