人生に役立つ「表現力」

ある日テレビを見ていて不思議に思ったことがありました。

それはあるグルメ番組で魚料理が好きなタレントさんが、

高級で新鮮なお刺身を食べた時に「お肉みたいで美味しい~」

とコメントしていたことです。



最初は特に違和感を感じなかったんですが

そもそもこの人は魚が好きで、高級な魚のお刺身食べてるのに

そのコメントでお肉みたいって肉を例えにだすのって言葉の表現として

あってんの?とふと思いました。



そんなことを考えながらテレビをみててもすぐ他のことを考え出して

興味が薄れてすっかりそのこと自体忘れていた頃に出会った一冊が

「言葉にして伝える技術」

という世界的に有名なソムリエの田崎真也さんの本でした。

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この本には日本人の言葉の表現に対する、誤った認識や先入観などが

わかりやすく解説されています。

読んでいきながら思わずアイリスオーヤマの家電ぐらい

「なるほど~」となることがたくさん書かれています。



普段自分が何気なく発している言葉が

どれほど曖昧で、いい加減か気づかされます。

この本の中で、特に印象に残ったのが

「日本的なマイナス思考による表現」という項目です。



僕は普段、なるべくマイナス思考な発言はしないように

気を付けているつもりですが、この本を読んでハッとさせられました。

例えば「クセがなくて美味しい」

この表現って当たり前のように使っていたのでむしろ

どこがマイナスなの⁉ってなりました(笑)



「クセがなくて」のこの「なくて」はクセがないという否定の意味です。

その後に美味しいと表現していますが、

この表現を使う時は大概、「意外にクセがなくて美味しい」

こういう使い方をすることが多いですよね。



でもこの表現をよくよく考えてみてください

「意外にクセがない」というのは実は、失礼な話なんです。

なぜかというと、食べる前に「きっとクセがあるに違いない」

と先入観をもって食べたら「意外と」食べれる味だった。

こう言っているのと変わらないからです。



他にも「食べやすい」「飲みやすい」などの表現も

日常生活にありふれた、おいしさを表現する言葉のひとつだと

思っていたんですが、これも大きな間違いだと気づかされました。


「食べやすくて美味しい」

食べやすくて美味しいを突き詰めると刺激がなく、スムーズに喉を通り

あまりかまなくてもいいもの・・・そうなると「お粥」ですよね(笑)


「飲みやすくて美味しい」

これは日本酒などによ使われる表現ですが、これも突き詰めていくと

限りなく水に近いような味わいのものが美味しい、ということになります。

でも実際の日本酒の美味しさってそこだけじゃないですよね。



こう考えると、「食べやすい」「飲みやすい」という表現は

間違いではないけれども、本来のおいしさとは結び付かないものであって、

おいしさを表す表現としては正しくないということ。

いやー僕自身よく使っていたので、びっくらぽんの塩こん部長でしたね(笑)

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ここで少し話は戻って、じゃあなぜ「日本的なマイナス思考による表現」

が日常にたくさんあふれていると思いますか?

それは日本の「減点方式」の教育法がバックボーンにあるからです。

(バックボーンっていう単語かっこいいから使いたかった)


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減点方式の教育法って何ぞやって方は

学生時代のテストを思い出してください。

大抵のテストは100点満点で、正解が1つしかない問題をつくり

間違った答えを減点した点数がその生徒の評価です。



ところがどっこい、フランスの学校では日本のように正解が一つしかない

選択問題ではなく、文章形式の試験が多いのが大きな違いです。

ある程度の模範解答はあっても生徒が優れた回答を書いていたら

5点満点設定でも6点とか7点をつけるそうです。

なので合計点が20点満点の試験でも22点となどの点数があるとのこと。



日本とはまるで異なる考え方ですよね。

ぼくはこの考え方は好きです。

学生の頃は、単純な暗記能力よりもこういった「考える力」を

伸ばしたほうが個性豊かな人になると思うからです。



僕も学生の頃、すごーく悩んでました・・・

ただ自分がいわゆる中二病なだけなのかなって思ってた時期もあります。

でも僕が実際、学生の頃に感じていた違和感は

あながち間違いではなかったんだなと気づきました。



もちろんその当時は、日本の教育方針が間違ってる!!

なんてことを声を大にして言えるような革命家タイプではなかったです。

まあ今も革命家ではないんですけど(笑)



日本は大好きですし、日本から世界に羽ばたいて活躍する人が

たくさんいる素晴らしい国であることは理解しています。

でも日本の教育が

「長所伸展」タイプではなく、「短所克服」タイプだということ。



これに関してはもう少し何とかならないかなーとは思います

もっとその人それぞれの「個性」を伸ばす教育方針に変えたら

日本はもっと面白くなるんじゃないかなと思います。



僕自身まだまだ「表現力」が優れているというには程遠いので

周りの人にポジティブな影響を与えられるぐらいの表現者に

これからなれるように色んな言葉を紡いでいきたいと思います。











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