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村の人々

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バルセロナ郊外の小さな村の家具修復工房に訪れる村人たち。おかしな人から最高に素敵なお客様、ベテラン同業者からアーティスト仲間まで いろんな人をご紹介
運営しているクリエイター

#スペイン語

停電したシャッター

停電したシャッター

久しぶりに工房日記らしい話です。

クリスマス休暇が始まった初日。
工房へ行くと
仕事熱心な角の肉屋のおっちゃんが外でタバコ吸ってる。
手前のカフェもなんか変。
バイク屋のチャビィが
「電気ないよ」って

ええぇ!?

停電!?

工房の前まで行くと隣のカーテン屋のおじさんがトウセンボして
「通行料金いただきます」
とか、また古典芸能なギャグをかましてきた。
「停電してるの?」って聞くと
「停電、

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1928年の時計

1928年の時計

最近知り合ったのは時計を修理するのが趣味のラモン。
彼はわたしの友人からわたしのことを聞き、訪ねてきてくれました。
工房の裏の通りに住んでるめちゃご近所さん。

本業は観光バスの運転手さんですが趣味で時計を直します。
古ーい時計から新しいものまで、機械仕掛けであればなんでも。
仕事場には時計の心拍計みたいな機械だとか
小さすぎるピンセットとか、小さすぎる部品を保管するトレーだとか
面白そうなものが

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来た来た!1900年代初期の家具 

来た来た!1900年代初期の家具 

家具の修復を依頼するというのは
誰でもパッと思いついてできることではなくて
まず、修復する価値のある家具を持ってないとできません。

修復する価値のある家具というのは
古くてそれ相当に価値のあるもの
または家族や友人からの思い出の家具、
合板ではなく無垢材など素材のいい家具などで
誰もがそんな家具を持っているわけではありません。

必然的にお客様は
それなりに教養のあるご家庭、芸術性の好みに秀でた

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家具屋に必須!積載ゾーン物語

家具屋に必須!積載ゾーン物語

うちの工房の場所、もともとはガレージでした。
前の持ち主はジャガーとクラシックワーゲンを悠々と2台駐車するのに使っていたそうです。
80㎡なのに!
贅沢!!
そのため、工房の前は車両の出入り口”VADO”として駐車禁止になっていました。

ーースペインミニ知識 VADO積載ゾーンーー
VADO: es un permiso municipal que permite invadir el espa

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村で出会った仲間たち Vol.1

村で出会った仲間たち Vol.1

家具修復工房をオープンするにあたり
多分一番心配だったことが
TAPICERIAという椅子などの布張り半同業者をライバルにしたくないというところでした。

半同業者とはいうものの、私が修行したフリアの工房は分業制で
家具の木の部分や塗装、組み立てなどは全部私たちがしていましたが
椅子の布張り、籐編み(トーネットチェアの座面などのアミアミ)、金属部の研磨、ガラス職人などは
近所にあるそれぞれの専門職

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