見出し画像

【SLAM DUNK GI】19話「ハングリー精神」



福田吉兆が宮城リョータに勝負を申し込んできた。

いつもの調子なら桜木が俺と勝負しろとでも言いそ
うな場面だが、宮城に受けるよう促す。


「りょーちん やってやれよ。」桜木
「仕方ねーな。」宮城


勝負を見届ける桜木と高宮。



「やっぱりやるぞ!? リョーちん やばいんじゃ!?」高宮
おのれ フク助め、、、技が増えてやがる。」桜木

3本先取ゲーム。
ストリート慣れしたボールさばきとキレで宮城を翻弄し福田が優勢に進め2点を先取した。


「これで王手だ!」福田
「くそ こいつ 現役か!? ディフェンスは大したことなかったはずだ。スピードで抜いてやる!」宮城


「なめんなよ! 俺は戦いを止めていない。逃げた奴には負けない。」福田

宮城は止められた。
そして修正がきかないまま、福田に3点目を献上した。完敗であった。



「おい!フク助! りょーちんのブランクは長い。そんなので勝ったと思うなよ。この桜木が相手してやるよ!」桜木

「俺の方が年上だって言ってんだろ。」福田

桜木と福田の対戦がスタートした。


1ON1という勝負の特性上、リバウンダーの桜木は決して得意分野ではない。

一方福田もディフェンスが苦手という両者の力のバランスが勝負をより拮抗させた。

桜木が止めれば、福田も止める。
桜木が入れれば、福田も入れる。


両者はお互い譲らず時間が過ぎていく。


「おりゃーーーもう一本だ フク助!!」桜木
「だから 敬語使えって!」福田


刻々と時間は過ぎ行き、日も落ちてきたところで、高宮が仲裁に入る。



「花道 もう暗くなってきたし 店の準備もしなくちゃならねーから 終わりにしろ。」高宮
「なに!? 勝負をつけず帰るだと。」桜木
「はいはい 店長命令 うちで働くんだろ?」高宮




「・・・・・フク助 これで勝ったなんて思うなよ!」桜木
「福田、、、お前のその動きは、、、、?」宮城

宮城はスキルアップした福田のプレーを目の当たりにし、質問した。


「大学の推薦もなければ実業団に行けたわけでもない。でも俺はバスケ辞めることはしない。」

今は競技バスケより競技人口は少ないが、、、少ないからこそ、日本一目指してストリートバスケのチームで活動している。」

「あの頃より上手くなって当然だぜ。」福田

「日本一・・・」宮城

バスケ系ユーチューバーやるって言ってたな? 俺もやってるよ。チームが運営してるけどな。宮城リョータ! 這い上がって来いよ。 そしたらもう一度勝負してやる。」福田

「・・・・・」宮城

福田は不器用な人間だが、繊細な人間でもあった。
宮城の苦悩を一通り聞いた福田は言葉を贈った。


「俺はもっと褒めて欲しかった、、、陵南初の全国でもスコアラーとしてチームに貢献したって自負してるつもりだ。もっと評価しろって思った。」

「宮城、お前は負けたかもしれない。でも評価されてたんだ。進む道があったのに関わらず、、、進まなかった。」

福田は言葉を選び続けた。


「俺は理解はしたくないけど、もしあの時、牧さんや藤真さんとは違う。仙道に一人で勝とうとするな。気にするな。宮城は宮城だ。」



「そうはっきり言ってくれる人がまわりにいたら、また少しは違ってたんじゃないか?」

「・・・・」


「きっとリョータがんばれ!」
「リョータなら大丈夫!」
「そんなことを言われ続けなんじゃないの
か?」




「まぁ 単なる想像だけどな。」

「フン フク助め かっこつけやがって。」桜木

「頑張れって言葉は時に無責任な言葉だ。」

「俺は言われたかったけどな。」福田



まんざら的外れな言葉ではなかったのだろう。

この日、桜木花道、福田吉兆というハングリー精神を持ち合わせた二人と再会し、二人のプレーを目の当たりにした宮城の心の炎は再び、少しずつともしはじめていた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?