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29.なぜあなたは組織を創りたいのですか?

▼誰に読んでほしいテーマか
・組織を大きくしたいと考えている起業家や社長
・採用を強化したいと思っている経営者の方

今回のテーマは「組織」です。
特にこれから、事業を大きくしよう、組織を創ろうとしている
「一人社長」に向けた内容です。


■なぜ組織化が必要なのですか?


という問いに明確に回答できるでしょうか。

いままで一人で事業を行ってきた、
いわゆる「一人社長」が社員を雇用する。
これは大きな決断と覚悟が伴います。

現代は、あらゆる業務が分業化し、サービスとして提供されているため
一人でもサービス運営を成り立たせることができます。
大きな案件も、パートナーと一緒に取り組むといったことが
可能ですし、なにより、その方がコストコントロールも容易です。

しかし雇用を考えるとなれば、話は別です。
コストの側面もそうですが、それ以上に、
人の人生を預かるということになりますから、
途中でやっぱりやめますと簡単に投げ出すわけにもいきません。

しかし事業を拡大、再生産していくためには
人、チームワーク、機能などつまり「組織」が必要なのは確かです。

そもそも「組織」とはなにか?というのは
人それぞれあるかと思うのですが

少なくとも、共通の目的や目標を達成するための共同体であるというのは
一致しているかと思います。

組織を運営するということは、そこにズレが発生しないように、
ベクトルを合わせるといった努力が必要があります。

言い換えれば、
二人以上になった瞬間に、意思決定や、指揮命令などの
マネジメントの関係が必ず発生するのです。

また
組織を創るときには
理念、ミッション、ビジョンなどがセットで考える方も多いと思います。
その時に「人々や社会への貢献」を言語化している方は多いと思いますが
そこに付随して、はっきり言語化するべきことがあります。

「組織を創る目的は何か?」
「社員と共に、どんな組織でありたいのか」

この2つです。

■組織の目的は、社員全員で幸せになること


経営の神様と言われる、京セラの稲森和夫氏は
全従業員の物心両面の幸福を追求する」という
経営理念を、京セラ創業期に確立しています。

様々な企業がこの言葉を自社の理念に引用していますが、

実は、上記に加えて、
人類、社会の進歩発展に貢献すること
という対外的な理念も同社では設定されています。

ES(社員満足)が先にあって、その先にCS(顧客満足)が成立する」
確かにこれはその通りだと思います。

が、「社員満足」とは果たしてなんでしょうか。

給与の高さであったり、福利厚生の豊かさであったり、
柔軟な働き方や、制度であったりと、
特に待遇面=社員満足のような図式は、パッと思い浮かびます。

事実、目に見えてわかりやすいことだからこそ、
ここをリクルーティング活動でも打ち出したりしますし、
より良い待遇を求めて職を探している方も多いと思います。

しかし、待遇という側面においては、
これから組織を創り上げていくフェーズのスタートアップが
大企業と競り合うということは現実的ではありません。

なのでこれから組織を創る社長が、心に留めておかねばいけないのは、

社長「が」、社員を幸せにしてあげる。ということではなく
社員と共に幸せになるということ」です。

そして、その考え方に共鳴や賛同をしてくれる方の採用です。
一昔前の、終身雇用がデフォルトであれば、
社長「が」、社員を養わなければいけない。
といった考え方は当たり前だったかもしれません。
しかし現代は、真逆です。

「自分の仕事がこの先残るのだろうか」という脅威に曝され、
立場役職を問わず、一人一人が自分の生き方を模索しなければ
いけない時代へとシフトしています。

いわば全員が自分自身の人生においてオーナーシップを
持たねばいけない時代だと思います。

社員の生き方や、キャリアなどの在りたい姿を認め・可視化しながら、
そこに組織としてのビジョンを共鳴させて、
(組織に属する限りは)一緒に幸せであるために活動をしている。

こういったスタンスで組織を運営することが大切だと思うのです。

もし「社長が」という社長主体に重きが置かれると、

組織は「社長は、自分に何をもたらしてくれるのか?」という
構図になります。
そして集まってくる人々もそういう方になってしまいます。
そうなると、そもそもの信頼関係が醸成されにくくなります。

その結果、
「売上や社員も増やしているが、なぜか社長が一人で何でもこなしている」
という状況が生まれやすいのです。

■はじめからフラットを目指さない


どんな組織にしたいですかという質問をしたときに

「社員が自走してくれる組織」とか、
「裁量を与えて自由に動けるフラットな組織」
という回答が返ってくることがあります。

確かにそのような組織を理想形だとする気持ちもわかります。
少し前の言葉でいうと、「ティール組織」などが有名だと思います。

こう書くと怒られそうですが、
これを初期の段階の組織で実現するのは、限りなく難しいと思います。
そもそも順番が逆なのです。

例えば
・メンバーが自分の目標やミッションを言語化できてない
・メンバーが自己判断で、相談せず、物事を進めている。
・メンバーが、自分の意図とは違った行動をしている。

若い組織では、こういうことが頻繁に起こります。
これはメンバーが悪いという話をしたいわけではありません。

採用されたメンバーも、特にベンチャーやスタートアップを働く先として
選ぶ方は、バイタリティが高く、能動的に動く方が多いので、
良かれと思って行動していることが多いと思います。

ただ、だからといって上記のような違和感を放置してしまうと、
組織として共通の目的を達成するという目的と遠のいてしまいます。

是正策として、細かな行動管理をして意思決定をさせないといった
方法もありますが、行き過ぎるとマイクロマネジメントと捉えられたり、
ともすればハラスメントという問題に発展する可能性も
はらんでいたりします。

なので、このような問題の「処方箋」となるのは
まず「規範」をつくることにあると僕は考えて、伝えています。

いわゆる「個人の集まり」と、「組織」との一番大きな違いは
この規範が存在し、それがどれだけ浸透しているかどうかだと思っています。

ただこういう反論もあると思います。

「たかが数人の組織に、細かいルールなんて定めたところで意味がないよ

厳密にいうと「規範」は「ルール」とは非なるものと僕は思っています。

「ルール」は、できあがった仕組みやプロセスを再現性をもって
遂行するために守るべきことというニュアンスです。

これに対して「規範」というのは
「迷ったときに、どう行動するべきなのか」
「壁にぶつかったときにどうするのか」

といった、「この組織の一員として、なにを行動の基準に置くのか」というあり方を定めたものです

これは、やはり組織のリーダーである社長にしか決めることはできません。
これが十分に浸透した先に、はじめて共通の目的やビジョンが存在することができ、自律的な組織運営というところに一歩近づくのだと思います。

ただ経験してきた社長ほど、
これは理想論、つまり絵に描いた餅になりやすいという意見もわかります。

現実的には、動きながら考えるが当たり前だったりするので
どうしても、「失敗して覚える対応」がデフォルトになったり、
「これくらいは良い感じに進めておいてくれ」と
思ったりする気持ちもあると思います。

なので「規範」は、ただ言葉にしただけではダメなのです。

これをどう社内に伝播させていくのか、誰と一緒に進めるのか。
その役割までも固めるということに重きを置くのが
実は最も大切だと思っているのです。

■組織という「一人の人格」を創るということ


組織とは、社長の写し鏡だといわれます。
つまり社長の考えや姿勢が、そのまま組織になるということです。

ただ僕は、組織を創るとは、「一人の人格」を創るという表現が
結構しっくりくるというか、ふさわしいと思っています。

もちろん社長と組織は切っては切り離せないものですし、
経営責任がトップにあるのは間違いがないことなのですが、

目指していくべきは、「社長がいつづけなくてはならない組織」ではなくて
「社長が手を放しても、特定の規範が守られて、動く組織」だと思うのです。

「組織(会社)という、人格を創ろう」とすると、
組織作りにおいて必要なものがおそらく違って見えてくるはずです。

わかりやすく言えば、「人格が在る」ということは、
人でいうその人「らしさ」がないといけないのです。

・物事を決める基準(意思決定やのプロセス)
・情報の伝達(意思決定をするための情報が届くプロセス)
・思考手順(発信や提供のプロセス)
・対外的な在り方(上にあげた規範のようなもの)
・対外的なコミュニケーション(顧客との接点)
・トラブルが起きた時の行動(備えと予防)

などなど。これを組織や採用になぞらえて、
どのような場面に、どんな人が必要かを考えていくと
活動自体が、少し違って見えてきそうですね。

いきなり先々まで見通すのは難しいかもしれませんが、
組織作りを本格化していこうとしたときには
ぜひ取り入れてみても有用な考え方だと思っています。

今回はここまでとなります。
最後までお読みいただきありがとうございました!


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