制作日記:詩画集「胡蝶の夢」PDF版の話
詩画集「胡蝶の夢」掲載から2週間経ちました。
詩画集の制作過程の記録も今回で終了。
掲載は引き続きいたします。
「リスタート」をテーマにした今年。
自分なりに伝えたい事を表現できるよう制作しました。
読んでいただければ嬉しいです。
今回はウェブショップにデジタルコンテンツとして販売しているPDF版の見本と編集の事を話そうと思います。
デジタルコンテンツPDF版「胡蝶の夢」見本
編集の基本は縦スクロール。
紙に刷られた単行本も好きなのですが、最近はスマホなどで読むことが多く【見開き】よりは【縦スクロール】が読みやすい。
まず、「読みやすさ」を意識して編集することにしました。
PDF版なのでいつもは表紙絵と題名のみに注意して考えますが、今回自身で撮影した夜空の写真が世界観と合っているので背景で差し込みました。
wordでの文章執筆と編集作業でしたが、表紙はCanvaというアプリで制作。
水彩の色彩を引き立てる為に写真はモノトーンに編集。
アプリ上で組み合わせて文を差し込みました。
この夜空の写真は自身のウエブショップの背景にも差し込んで、詩画集のイメージに合わせています。
【文字のデザイン】は文章の世界観を決める重要なポイント。
文字の形が違うだけで風景が変わってきます。
絵の制作に例えると【制作する画材】に近い考え方ですかね。
今回は【游明朝】というデザインにしました。
製本されているものでもよく見ると文字のデザインが本ごと違うので、作者と編集者の間で話し合いでもされたのだろうかと思うとロマンがありますね。なので、本ごとに違う文字のデザインを見るのが好きだったりします。
「啓示」と「胡蝶の夢・黄昏」も【詩】なのですが、中心揃えではなく左端に寄せてあります。
理由はページをまたぐからです。
基本として中央揃えは1ページで完結するときに使います。
「縦スクロールだから気にしなくても良いのではないか?」
とも思いますがページ数を下に記載しているので中央揃えでは読むときにページをまたげません。
横にそろえると白い空間ができるので、視覚的にページを自然とまたげます。この形にするまで【編集画面】で通して読み、最終的に【ゲラ刷り(紙にコピーした状態】でも確認して決めました。
5行の為に1ページ使いました。
「フォント(文字のサイズ)を小さくして詰めれるのでは?」
とも思いますが、詩のイメージとしては【ゆったりと時が流れる】そんな文体なのであまり詰めたくはありません。(なにか詰めると「急いでいる」感じがするので・・)
その為に文の区切りを見つけて2枚で編集しました。
一つの詩を2枚の分けて掲載する時は【文の区切り方】を考えます。
〈場面が変わる文〉
〈文の括りで完結する並び〉
詩の世界観を壊さないように慎重に選びました。
今回の「胡蝶の夢」では【一文に1ページ】つかったところもあります。
それも【読んだ印象】を考慮して編集しました。
ここまでは、ウェブショップに見本として掲載しているものになります。
全体的に文のデザインは一緒ですが、「文の長さ」「文の流れ」「文の間」を考えて句読点を足して文で繋げたり、文字の大きさを微かに変えたりなど
45ページのなかで「胡蝶の夢」という作品をデザインする意識で編集しました。
編集にさいして、今まで小説を読んできた経験と脚本学校での場面を想像する勉強が役に立ったような気がします。
あとは、音楽が好きで歌詞を見るのも好きなので「目をつぶって曲の世界観を想像する」その感覚も役に立ちました。
「胡蝶の夢」という作品の世界を作るデザインと編集。
水彩画のイメージを体験してもらえるような【文】とデザインを。
PDF版ではそれを心掛けました。
ご覧いただければ嬉しいです。
*PDF版「胡蝶の夢」/掲載作品原画販売
note版「胡蝶の夢」*10月末まで割引してご提供しています
最近の制作
「胡蝶の夢」のなかで「羽化」という作品もあるように、現在は新たな世界に飛び立つ為に試行錯誤中です。
【表情】というものを描きたくてデッサンをしたり資料を探したり、メモが多くなりそうです。
今現在は、ほぼ白紙。
真っ白な紙の上に「表情」という文しかない状態です。
これから、脳の中を漂っているイメージや生活の中で生まれた気付きなどを拾い集めて形を作り【何か】を【制作】します。
誰かと何かを共有する為に【絵】が生まれ、さらに【言葉】が生まれて
【文字】が生まれる。
原始的な伝達方法ですが、私の制作はそれをなぞるように進みます。
「自身で感じた気持ち」を誰かに伝える為に
また一から始めています。
今年は湿度もあり体力を奪う暑さが続いていますが、皆様もお身体ご自愛くださいませ。
2024年8月24日
制作日記
詩画集(過去作品掲載)
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