将来、この恋が辛くなることを知っていれば、恐らく貴方に想いを伝えていた。まるで冷めてしまった珈琲のように、たらればを口にすればするほど後悔の味が苦くなっていく。社内で会う度に目が行くのは、決まって細く長い綺麗な指。薬指の結婚指輪が胸を締め付ける。今の貴方は、あの頃よりも魅力的だ。

画像1 【140字小説14】

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