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鯨月
2024年2月27日 19:19
穴開けてピアスはつけなかった 春見えるはずだった星は眠ったじゃがいもを潰すくらいの握力で人は潰えて生ゴミの中炭酸の抜けたサイダーというものはどうしてこうも甘くて邪魔で梅と桃、桜の区別がつかなくて平等主義者を標榜するクソ桜が咲いてしまったら春になり春になったら なったら な幸先が不安だとしても花は咲く 咲いてこぼれて土になる人
2023年12月31日 13:44
「日焼けだけ痛む夏のことどう思う?」空全部眠る汗だけが光る「かたつむりずっと家がついてまわる」エアコンはまだ使えない まだ「花火って音を出す針みたいだね」きみの痛みきみだけの傷「花弁だけかがやく花だけあってほしい」ヒトだけが持つ鮮やかな欲「ひびきれが映える指!ほら一等星!」ハンドクリームは手だけを癒す「飽きがこないのが秋なわけがないでしょう」焼き芋銀杏いちょうの並木「死体に
2024年1月13日 05:30
いくつものページが綴じられ本になり本が集まり私になる末本の背に見える電灯オレンジにひかる月はまだそこにある寝静まる夜がそろそろ明けるとき眠れないのはくるしくないことブルーライトの向こう岸に誰かいる鼓動を感じるありがとうを言う肌の温もりと布団の温もりが重なり合うとき息をするときいつかみな眠るときがくるそのときが夜でなくとも星はかがやく
2024年1月8日 01:00
月はたぶんひとりでいるから月でありたくさんあったら愛せなかった月はたぶん鏡とか見たがらなくてだから宇宙にいたいのでしょう月はたぶん丸くはないかもしれない でも それでもきみを愛しているよ月はたぶんすっぽんに謝り続けているけれど祈りの先は骨人の目を潰さないきみを愛してる 愛の言葉は洒落じゃないんだ
2024年1月4日 23:09
泥団子握り潰してこれが愛、これも愛だ、きみが好きだぴかぴかの魂わたしが磨いてる手垢が離れてきえてゆく振り向かない 振り向けない でも愛してる ふつうのことをしているだけだ肉 骨 脳 ヒトの主成分がなくたって きみはきみ だけど わたしはわたしあの世まで連れてはゆけない 焼かれたらきみは砂になる人魚姫愛するということ愛されないということ 人がひとりであるということまっすぐな光