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太宰の言葉とそぼろおむすびを噛みしめた

【376むすび】豊田(浦和)肉そぼろ

恥ずかしながら、1年以上食レポを続けてきたのに、おむすびがなぜ美味しいのか、なぜ人の心を揺り動かすのかをちゃんと言語化できていなかった…

フォローさせていただいているcocoro薫風さんが、おむすびについて、文献などを調べてnoteにまとめてくださっている。
なるほど!なるほど!と思えるところがあったり、こんなことがあったのかという発見も多い。

そもそも、おむすびって昔からよく食べられているのに、他の料理(カレーやラーメンや寿司やパンなど)と比べて情報が多くなかったり、体系的にまとまったなかったりする。
あまりにも身近な存在だからかもしれない。

そして、cocoro薫風さんが調べてくれた中で、これから続けていくうえで大きなヒントになることがあった!

それは、作家太宰治が有名な斜陽の中に書いたこの言葉だ。

「おむすびがどうしておいしいのか、知っていますか。あれはね、人間の指で、握りしめて作るからですよ。」

おむすびの素晴らしさがこの50文字にも満たない言葉の中で表現されている。こんな言葉で書いてみたいよなあ。

そして、この太宰治の言葉に対して食文化研究者の吉川誠次さんが解説した文章は、まさに圧巻だった。


食べ物のおいしさを左右する特性には、化学的な性質である呈味(ていみ)成分と香気成分と、物理的な性質を左右するテクスチャーという触覚に関係する性質がある。

おむすびは携行食糧として、箸がなくても指先の触覚と咀嚼(そしゃく)の際に、口腔で知覚する付着性と凝集性と固さのバランスの微妙さを、味わい分けて楽しむ感覚は、米の飯粒の破砕と粘着の度合いによって、団子・ちまき・おはぎ・おむすび・にぎりずしと、それぞれの食味としてとらえるのである。指先の感覚を、楽しむのは、アラブ・インドなどの食文化にも共通する。

(これでも一部の抜粋。本文では、もっと長く解説している)

すごい。これだけ知的な言葉を用いて、おむすびの美味しさを多角的に表現するとは…

自分のリポートの稚拙さをちょっと反省。とはいえ、これから続けていくときのいいヒントになったなあ。

ああ、手づくりおむすびが食べたくなった…

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浦和にある手づくりおむすび豊田。
茨城県の龍ケ崎産のコシヒカリを使ったこだわりおむすびのお店。

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たくさんあるおむすびの中から選んだのは、肉そぼろというおむすび!

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これぞまさに、おむすび!

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肉そぼろ。
お肉だけかと思ったら、卵の黄身が刻まれて入ってた!

このおむすび、指先の触覚と咀嚼(そしゃく)の際に、口腔で知覚する付着性と凝集性と固さのバランスの微妙さがたまらない。そして、米の飯粒の破砕と粘着の度合いがそぼろの肉汁を凝集した甘塩さと絡んでいく。

やっぱり、難しいことは書けないなあ。
自分の言葉になってない…
でも、すっごくうまいーーのだ。

まあ、表現は少しずつ磨いていくことにしよう。

ご馳走たまでした!



「にく」とだけ書かれたおむすびとは?


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ファンベースデザイナー、地域創生プロデューサーなどしてます。 おむすびnoteを毎日書いてたり、浦和レッズを応援したり… みんなが、好きなこと、応援したいことを素直に言える世の中にしたいなあ。 皆さんと、いろいろなコラボをしたいです! ぜひぜひご連絡ください!