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五感で味わう!碾茶の葉をまぶした「しおむすび」

【840むすび】MISOJYU (浅草) しお


突然ですが・・

みなさんは、おむすびを食べるときにどの感覚を使って味わいますか。


「舌で味わう、味覚に決まってる!」
そんな風に答えられる方も多いのでは。



でも、ちょっと。ちょっと待ってください!
それだけでは、もったいないかも。




実は以前、こんなことを書いている。


あの太宰治が、斜陽の中で書いたこの言葉なに、深く感銘を受けたのだ。



「おむすびがどうしておいしいのか、知っていますか。あれはね、人間の指で、握りしめて作るからですよ。」


おむすびの素晴らしさがこの50文字にも満たない言葉の中でぜんぶ表現されている。

この太宰治の言葉に対して食文化研究者の吉川誠次さんが解説した文章は、さらに圧巻と言えるものだった。

食べ物のおいしさを左右する特性には、化学的な性質である呈味(ていみ)成分と香気成分と、物理的な性質を左右するテクスチャーという触覚に関係する性質がある。

おむすびは携行食糧として、箸がなくても指先の触覚と咀嚼(そしゃく)の際に、口腔で知覚する付着性と凝集性と固さのバランスの微妙さを、味わい分けて楽しむ感覚は、米の飯粒の破砕と粘着の度合いによって、団子・ちまき・おはぎ・おむすび・にぎりずしと、それぞれの食味としてとらえるのである。

指先の感覚を、楽しむのは、アラブ・インドなどの食文化にも共通する。



この2つが伝えてくれているのは…
おむすびの味わいや魅力というものは、味覚だけではないということだ。




よくよく考えてみると、「味覚」や「触覚」、「嗅覚」の他にも、目でその色やカタチを味わう「視覚」だったり、食べるときの咀嚼音も楽しむ「聴覚」だって味わうことができる。


つまり、おむすびは五感で楽しめるワンダーな食べものなのだ。



ということで・・・



「五感をフルに使って食べたい!」
そんな風に思えるおむすびを探しに行ってみたいと思う。



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浅草の大通りから路地を入ったところにある、MISOJYU。

かなり珍しく、味噌汁を専門にしているお店だ。
レトロシックな建物の外観と味噌汁のギャップに、ちょっとワクワクしてしまう。


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お味噌汁の他にも、おむすびも充実している。


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店内もかなりお洒落。

このお店は、書道家の武田双雲さんが結成した「TEAM地球」がプロデュースしているらしく、書や絵画も飾られていて美術展に来たみたいだ。



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頼んだのは、「しおむすび」

えっ!これが、しおむすび!?
ワカメおむすびと間違えたのでは? 


これを見たら、誰もがそう思ってしまうかも。
実はこのおむすびの周りについているのは、碾茶の葉。

碾茶とは、抹茶の原料。
茶を摘採まで20日以上被覆してその生葉を蒸して揉まずに乾燥させたもの。玉露と同じように、収穫前に被覆した茶葉を蒸し、碾茶炉で乾燥して製造するらしい。
その香りは玉露同様独特のかぶせ香があり、その香ばしさに魅了されている人も多いらしい。


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さくさく。パリッ。
ほぉ、この食感と音は面白い。
お茶の葉だけど、固くはなく、もみのりのような軽い食感。


味はシンプルに塩のみ。
でも、これがお米の甘さを最大限に引き出していく。


特筆すべきは、その香りだ。
口から鼻孔に向かって、碾茶のかぶせ香が通り抜けていく。


やっぱり、おむすびは手で持って食べるのがいい
ちょっと行儀がよくないけれど、指についた、ごはんつぶや碾茶の葉までぺろりと舐めてしまった。

はあ。うまい。
五感をフルに使って味わうことができた。



みなさんも、五感を使っておむすびを楽しんでみませんか。

ご馳走たまでした!



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