いろえんぴつ9

いろえんぴつ9

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銅像(数多いな…)

二宮金次郎は、薪を下ろす 西郷隆盛は、足の裏を揉む モヤイは、あくびをする 坂本龍馬は、髪をかきあげ 花鳥号は、水を飲む 細川たかしは、歌を歌い 毘沙門天は、くしゃみ…

アレ

アレ入れた? アレだよ アレ ほらあのあんたが好きなアレ いつも絶対入れてって言うじゃない 入れてあったらメチャメチャ喜ぶアレ あの右の突き当たりにあるあの店の 入っ…

1日が終わっていく時

1日が終わっていく時 テーブルの上を綺麗に片付けて できるだけ 持病の薬を飲む ソファに寝転んで 体を小さく丸めて できるだけ それから 思い切り伸びてみる できるだ…

ばしばしゃ

かせまのふきすさぶばしばしゃ いっぽんのきのののみきにたって とはまさらないようにたえている みぎににどべばじごく ひだりにとへもばぎょむ うじろばかあぶたのくたの…

80

思い出に 誰でもなんでもみんな思い出になるよ あなたも私もあの人も あれもこれもそれだって あなたの胸の真ん中の あの真っ黒な梅干も わたしの右の脇の下 挟まっている…

こどく こどく

こどく こどく こどくをかんじる みそしるをすするとき あめのなか うんてんするとき げんかんでくつをそろえるとき あさおきたとき よるねるとき にじがでたとき いたガ…

俺たちが空を飛ぶ時

俺たちが空を飛ぶ時 時々出くわすのさ 頭のてっぺんに赤い⭕️のあるやつを そいつに出会ったら 追いかけずにはいられない てっぺんにある あの⭕️を しばらく無心で追い…

今が一番痛い

これは爆弾のスイッチ これは毒蛙の卵 これは赤ちゃんの臍 これはユスラウメの実  神々の  罰なのでしょうか  人中の  真ん中にできた  大きなニキビ

ねがうはきみの

わすれないで おかあさんが かたつむりになっても わすれないで おかあさんが かわべりのいしになっても  わすれないで わすれられることがしあわせだとしても もうなん…

探すのに

どこかに きっとあるのじゃないか 全てのものが 流れ着く場所 大好きだったおしゃぶりや チャリの荷台で揺られて落ちた お花のついた赤い靴 電車の窓からすっ飛んでった …

回るコマ

そりぁ 誰でもみんな 楽して稼ぎてぇ なんにもしなくても 金がもらえる わぉ 最高 そんなゆめを一度や二度 みたことないなんてやつこの世にいないだろ 金があれば大概…

いきてん

1限  細く長い息の仕方     苦しくない息の止め方 2限  薬物中毒と縊死の様々な違い 3限  墜落死 圧死 事故死その他のための     痛くない関節の外し方 …

時を止める

時を止めるのは簡単だ。皆の動きがぴたりと止まる。笑顔のやつは笑顔のまま。テヘヘのやつはテヘヘのまま。コイツーのやつはコイツーのまま。動いているのは私だけ。私は最…

フォント

この世はフォントで溢れてる 明朝 ゴシック はぁんしーはーと 祥南行書に 半古印 こまどり トガリテ ロンドに あずき はぁ このときめきをしたためるのに 適したフ…

踏んづけると痛い

冬の終わりを感じるこの日。ある者は整々とした終わり。ある者は名残惜しい終わり。泣く者笑う者。小さな人生の節目。そんな中、生きてきて一度も意識したこともないであろ…

1センチ

このときめきを よもや言葉にするのなら できればできれば 俯いて 1センチほど浮いていたい 1センチなら君も気づかないでしょ よもや僕がときめきを 言葉にする時浮いて…

銅像(数多いな…)

銅像(数多いな…)

二宮金次郎は、薪を下ろす
西郷隆盛は、足の裏を揉む
モヤイは、あくびをする
坂本龍馬は、髪をかきあげ
花鳥号は、水を飲む
細川たかしは、歌を歌い
毘沙門天は、くしゃみを2回
ある年ある日ある時間
すべての像が動き出す
好き放題に動き出す
女の子は、赤い靴を磨き
名寄岩は、四股を踏む
閻魔王は、にっこり微笑み
貫一は、お宮にとにかく謝る
「ごめん!蹴ったりして
      マジでごめん!!!」

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アレ

アレ

アレ入れた?
アレだよ アレ
ほらあのあんたが好きなアレ
いつも絶対入れてって言うじゃない
入れてあったらメチャメチャ喜ぶアレ
あの右の突き当たりにあるあの店の
入って奥の棚の上
店長一押しオススメのアレ 
わざわざ行って買ったんだから
アレあそこにしかないからね
あたしはあってもなくてもいいけどさ
アレあると華やぐし
傘増しにもなりやんす
きょうび手取りも下り坂
傘増しこそが ヴェリ ヴェリテ

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1日が終わっていく時

1日が終わっていく時

1日が終わっていく時
テーブルの上を綺麗に片付けて できるだけ
持病の薬を飲む
ソファに寝転んで
体を小さく丸めて できるだけ
それから 思い切り伸びてみる できるだけ
携帯を左手で見つけて
眼帯を右手で外す
眼窩を右手で揉みながら
Netflixのウォッチリストの追加をする
できるだけ
ハートフル 
ホラー
アクション 
ホラー ホラー ホラー
見たいものが そのまま今の心を映す
恐怖を できる

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ばしばしゃ

ばしばしゃ

かせまのふきすさぶばしばしゃ
いっぽんのきのののみきにたって
とはまさらないようにたえている
みぎににどべばじごく
ひだりにとへもばぎょむ
うじろばかあぶたのくたののなか
まぇにとべばたぐたしゃしぐしゃ
ひげみちはうえ
だげれどもうぇまにいけばおたるぢろ
だがらまみちもきっぎよく
とぱらされないょくにち
たぇているだえとている
でもんこればかがんね
てきねねえんたまわ
        (『謎の言語

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80

80

思い出に
誰でもなんでもみんな思い出になるよ
あなたも私もあの人も
あれもこれもそれだって

あなたの胸の真ん中の
あの真っ黒な梅干も
わたしの右の脇の下
挟まっている米粒さえも
なんでもみんな思い出に 

あなたをつねったあの人も
わたしをこずいたあの人も
一緒に泣いたあの人も
一緒に笑ったあの人も
誰でもみんな思い出に

ひとりの夜 終わりが近づいた夜
白いレースのカーテンの
ひだを数えている

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こどく こどく

こどく こどく

こどく こどく
こどくをかんじる
みそしるをすするとき
あめのなか うんてんするとき
げんかんでくつをそろえるとき
あさおきたとき
よるねるとき
にじがでたとき
いたガムをかんでいるとき

じゆう じゆう
じゆうをかんじる
みそしるをすするとき
あめのなか うんてんするとき
げんかんでくつをそろえるとき
あさおきたとき
よるねるとき
にじがでたとき
いたガムをかんでいるとき

いのちのなまえが こ

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俺たちが空を飛ぶ時

俺たちが空を飛ぶ時

俺たちが空を飛ぶ時
時々出くわすのさ
頭のてっぺんに赤い⭕️のあるやつを
そいつに出会ったら
追いかけずにはいられない
てっぺんにある
あの⭕️を

しばらく無心で追いかけていると
ふと思うんだ
まずい
このままでは
俺 一生
こいつを追いかけるだけになる
そういう時は
ッポンッ
フンを落として立ち去るのさ
ッポンッ
あ 外れた
あぁ フンを命中させなければ
俺とあいつの目が合う
あっ 走り出す

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今が一番痛い

今が一番痛い

これは爆弾のスイッチ
これは毒蛙の卵
これは赤ちゃんの臍
これはユスラウメの実

 神々の  罰なのでしょうか

 人中の  真ん中にできた  大きなニキビ

ねがうはきみの

ねがうはきみの

わすれないで
おかあさんが かたつむりになっても
わすれないで
おかあさんが かわべりのいしになっても 
わすれないで
わすれられることがしあわせだとしても
もうなんにもしてあげられることはないから
せめてちきゅうのかたすみで
かたつむり いしころ
えのころぐさ きつつき
しもばしら おてんきあめ
かねのなるき ちょうとんぼ
ねがうはきみのしあわせ
あめあがりアジサイのはうらをはいずって
ゆうぐれ

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探すのに

探すのに

どこかに きっとあるのじゃないか
全てのものが 流れ着く場所
大好きだったおしゃぶりや
チャリの荷台で揺られて落ちた
お花のついた赤い靴
電車の窓からすっ飛んでった
ふんわりリボンの白い帽子や
あの先生にこっそりもらった
コーラの匂いのねり消しゴム
秘密を書いた小さなノート
小瓶にためた膝のかさぶた
薔薇の花びら ひまわりの種
鼻に画鋲がささった写真
ひと息吸っただけの吸い殻
誓いを立てた世界で1

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回るコマ

回るコマ

そりぁ 誰でもみんな 楽して稼ぎてぇ
なんにもしなくても 金がもらえる
わぉ 最高
そんなゆめを一度や二度
みたことないなんてやつこの世にいないだろ
金があれば大概の願いはかなうから
医療の進歩も 金で買える
それはつまり寿命も金で買えるってこと 
とはいえ楽して稼ぐって何さ
楽なように見えて 結構しんどいって仕事は
たくさんあるようだけど
楽して稼ぐってさ
誰かを騙したり 横取りしたり
こっそり

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いきてん

いきてん

1限  細く長い息の仕方
    苦しくない息の止め方

2限  薬物中毒と縊死の様々な違い

3限  墜落死 圧死 事故死その他のための
    痛くない関節の外し方

4限  メイクアップ講習
     講師『ゾンビにならない死に顔』
           著者 眉唾もえ

※お知らせ 東通路 『死に顔100選』に
      新しく10の死に顔が加わりまし
      た。是非参考にしてくだ

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時を止める

時を止める

時を止めるのは簡単だ。皆の動きがぴたりと止まる。笑顔のやつは笑顔のまま。テヘヘのやつはテヘヘのまま。コイツーのやつはコイツーのまま。動いているのは私だけ。私は最適な角度のベッドにゆっくり横たわって、鼻先にかかる伸びきった前髪を、中居正広の如く吹く。すると世界が動き出す。
あら、つまんない。ケーキは倒れただけですんだんですね。

「倒れないようにケーキを持ち運ぶとき人間はわずかに天使」  

そのわ

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フォント

フォント

この世はフォントで溢れてる
明朝 ゴシック はぁんしーはーと
祥南行書に 半古印
こまどり トガリテ ロンドに あずき
はぁ このときめきをしたためるのに
適したフォントは一体どれだ?
装甲 源界 幻ノ
叩きつける退職願に
適したフォントは一体どれか?
もじゃに えるまー アンニャントロマン
不幸な手紙と気づかぬように
適したフォントは一体どれなの?
清風明月 花鳥風月
あなたの今際に開かれる 家

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踏んづけると痛い

踏んづけると痛い

冬の終わりを感じるこの日。ある者は整々とした終わり。ある者は名残惜しい終わり。泣く者笑う者。小さな人生の節目。そんな中、生きてきて一度も意識したこともないであろう私の事を、ある年齢の者たちが、秘めた想いを胸にそわそわと思い出す。長年の劣化で、黒ずんだりへこんだりしていても、その者達には、輝く宝石や全ての災いを払う魔除け。はたまた唯一無二のレアアイテムとなるのだ。
しかしながら、愛の力はあわれ、信じ

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1センチ

1センチ

このときめきを よもや言葉にするのなら
できればできれば 俯いて
1センチほど浮いていたい
1センチなら君も気づかないでしょ
よもや僕がときめきを
言葉にする時浮いているって
よもやよもや気づかれたら
こんな恥ずかしいことはない
耳まで赤くなるどころか
眉まで真っ赤に染まるほど
よもやの君の勘の良さ
さあれどもさあれども
そこが君の良さであり
僕がときめくとこでもある
さぁ 雨があがったよ
何もか

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