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世界で高まる一人ひとりの健康意識ーヘルスケアオートメーションに挑戦するスタートアップ企業に出資しました

米国Grand View Researchによると、世界のパーソナライズド・ニュートリションおよびサプリメント市場規模は、2022年に434億米ドルと評価され、2023年から2030年にかけて年間平均成長率 (CAGR) 15.0%で拡大すると予測。消費者の健康意識の高まりと小売栄養製品のニーズ増加により、世界の産業を牽引することが期待されているといいます。そして、需要が増加している要因の一部に、生活習慣病の発生率の増加、栄養不足に対する懸念の高まり、高齢者人口の増加などを挙げ、人々はそれを予防するために健康的なライフスタイルを取り入れていると述べています。

こうした消費者意識の変化に伴い、ヘルスケアを含むウェルネス製品・サービスに対するニーズも増加しているようです。McKinseyが2022年に2,000 人以上の米国消費者を対象とした調査では、健康に対する消費者の意識が大きく変化しており、特に、ウェルネス市場ではここ数年パーソナライズド・ニュートリション、ビタミン、美容などの分野で強力なイノベーションが見られ、ますます活性化していることを解説しています。
しかしながら、現在利用可能な製品・サービスは多くの消費者のウェルネス・ニーズを十分に満たしていない点についても指摘。

そのような中で消費者トレンドの1つとして、製品・サービスのパーソナライゼーションの重要性がさらに加速していることを取り上げ、ウェルネスの各分野において、企業がさまざまなアプローチで成功を収めていることについて解説。このようにトレンドを理解し、消費者の潜在ニーズを満たす製品やサービスを提供することができる企業はウェルネス・エコシステムで成功する可能性があると述べています。

また同社は、ヘルス&ウェルネス領域のアーリーステージ投資はここ数年で急増しており、2021年のデジタルヘルススタートアップへの投資が約730件の取引/約290億ドルと過去最高に到達したことに触れながら、ウェルネス市場が急速に成長しており、健康に対する消費者の関心の高まりが今後も続くことを予想しています。

一方、国内に目を向けてみると、経済産業省のヘルスケア産業政策に関する資料では、日本の平均寿命は世界一であるものの、健康寿命と平均寿命に約10年の差があることから、健康寿命を伸ばすことでその差をいかに小さくするかが重要であると述べています。そして、医科診療費の3分の1以上が生活習慣病関連であることなどを指摘した上で、「次世代ヘルスケア産業の創出に向けたコンセプト」の中で、生活習慣病等の予防や早期診断・早期治療の重点化を具体的な取り組みの一つに挙げています。

さらに「未来の健康づくりに向けた「アクションプラン2022」」でも、新型コロナウイルス感染症の影響で日頃から予防・健康づくりに取り組むことの重要性が世界的に認識されていることや、健康か病気かという二分論ではなく健康と病気を連続的に捉える「未病」という考え方も重要であることに触れ、自分の健康状態を自分で把握しながら一人ひとりが主体的に行動するための環境整備が必要であると述べています。

このような中で、健康食品やサプリメントに対するニーズも高まっているようです。富士経済が2023年に発表したプレスリリースでは、サプリメントと健康志向食品の国内市場(H・Bフーズ市場)は長期的に3兆円規模の市場になると予測。
さらに、サプリメントを中心に多くの品目で50代以上が主なユーザーとなるだけでなく、若年層に関しても健康ニーズの向上で利用者が増加しており、こうした健康意識の高まりと活発な商品投入によって今後も市場拡大する可能性が高いことを予想しています。

こうした市場背景を踏まえ、東芝テックはヘルスケア領域のスタートアップ企業のドリコス株式会社(以下、ドリコス)に出資いたしました。

同社は「「快い」を、彩る」をミッションに掲げ、ヘルスケア領域において“いつの間にか健康になる未来”を目指す、ヘルスケアオートメーション事業を展開するスタートアップ企業。ウェアラブルデバイスや体組成計などで取得されたパーソナルヘルスデータを管理するソフトウェア開発・提供から、パーソナルヘルスデータと連携した店舗設置型のサプリメントサーバー機器等のハードウェア開発・提供、そしてユーザーの健康目標に適した栄養素を自動的に調合するサプリメントの開発・提供までを一気通貫で実施しています。

例えば、「GRANDE (グランデ)」はスポーツジムを利用するお客様向けのオーダーメイドサプリサービス。お客様のトレーニング目標や体組成情報などから、一人一人に最適なオーダーメイドサプリメントを専用サーバーで自動提供しています。初期費用無料、ランニングコスト実質ゼロ、スタッフの手間なしで会員の継続率向上や在籍会員数増加が期待できるサービスとして急速に導入拡大が進み、すでに設置予定も含めて100店舗以上で導入が進んでいます。

GRANDEのほかにも、企業のオフィスやクリニック、個人の自宅向けのオーダーメイドサプリサーバーや、コンビニエンスストアの顧客向け栄養サービス、女性向けに生理周期と自動連携したサプリメントサーバーなどを展開。同社は生きる上で不可欠なことが無意識に達成されるという「快さ」を追求し、人々に有意義な時間を残すという挑戦を続けていくとしています。

このように同社が掲げるミッションと提供するソリューションに私たちは大きな可能性を感じており、これから小売企業様が顧客に対する価値向上の一環としてヘルスケア領域の取り組みをさらに強化していくことが期待できると考え、今回の出資に至りました。

今後、両社のハードウェアとデータベースを掛け合わせ、小売企業様やその先にいるお客様のニーズに応える健康意識の高いプロダクトサービス創出の可能性を検討してまいります。

■東芝テック 投資担当者からのコメント

お客様からデータを預かり、一人ひとりに価値ある形で還元することは実現が難しい領域である中、ドリコス様は「健康」という軸でそれを実現されています。さらに、アプリケーション内で完結するのではなく、実際にユーザーが日常生活の中で店舗を訪れた際にその価値を享受できる点に大きな可能性を感じています。ぜひこれから、両社のビジョン達成に向けて共創できることを楽しみにしております。

■ドリコス 代表取締役 竹 康宏氏からのコメント

東芝テック様との資本提携は、弊社が目指す「いつの間にか健康になる」社会の実現に向けた大変大きな一歩となることを確信しております。弊社はヘルスケアのニーズの高まりと共に増大する、1人ひとりのヘルスデータを健康商品にその場で変換できる強みを保有しています。しかし、「いつの間にか」の実現には、お客様が従前から行われている行動の中に、ソリューションを溶け込ませる必要があります。東芝テック様は国内50%以上のシェアを持つPOSソリューションをはじめ、お客様の日常との強固な接点を持たれています。両社の強みを掛け合わせることにより、スピード感を持ったビジョン達成を目指します。

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