渡剛

1989年熊本県生まれ。未婚の母子家庭で育ちました。今は大阪で、ひとり親家庭の子どもた…

渡剛

1989年熊本県生まれ。未婚の母子家庭で育ちました。今は大阪で、ひとり親家庭の子どもたちを支えるNPO法人あっとすくーるの理事長をしています。facebookアカウントはこちら→https://www.facebook.com/tsuyoshi.watari.3

最近の記事

ヤンキー塾のその後

先日、ヤンキー塾と呼ばれていた頃のお話を前編・後編に分けて書きました。 これで書き終えたつもりだったんですが、もう一つだけ当時のエピソードを思い出したので、今回はそれを書いてみます。 「後輩」たちにも人気の渡塾。しかし・・・先日の記事で書いた子たちが中学を卒業し、これで一区切りだと思っていたら、なんとその後輩たちが入ってきました(笑) 入塾理由を聞けば「○○先輩があそこいい塾やでって言ってくれたんで!」とのこと。 ヤンキーの上下関係の影響力の強さは侮れません・・・

    • 渡塾が「ヤンキー塾」と言われていた頃のお話(後編)

      前編はこちらからご覧ください! 僕らに何か力になれることはありませんか?ある日の午後、僕は事務所の電話の受話器を取りました。 PCの画面には箕面市内のとある中学校の連絡先が表示されています。 深呼吸をして、表示されている電話番号を入力します。 「はい、箕面市立〇〇中学校です」 「突然のお電話失礼します。私は箕面で学習塾をやっているNPO法人あっとすくーるの渡と申します。そちらの生徒さんのことで少しお話したいことがあってお電話させていただきました。実は今、そちらの生徒

      • 渡塾が「ヤンキー塾」と言われていた頃のお話(前編)

        今日はちょっと昔話を。2013年ごろのお話なので、塾を立ち上げて2年ぐらいの時期です。 その当時、うちの塾に一人の生徒が入塾してきました。ひとり親家庭の中学生男子。その子の入塾後、うちの塾にとある変化が起きます。 「塾通いたいねんけど!」突然入ってくる中学生男子たちある日その子が塾にやってくるのと同時に、全く見たことのない子どもたちが2〜3人一緒に入ってきました。 「え、誰??」とポカンとした次の瞬間、「俺もこの塾通いたいねんけど!」と、その子たち。 「えーっと、まず

        • テストの点数が上がっても褒められない?

          7月に入り、夏本番な暑さがやってきました・・・。この時期のマスクは本当に辛いものがありますね。 さて、子どもたちは1学期末のテストも終わり、来週から夏休みが始まります。 今回はその1学期末のテストに関するお話です^^ テストの点数が上がった!ある日のこと。「渡さんちょっといいですか?」と講師が言ってきました。隣を見れば担当生徒も一緒。 「どうしたん?」と返すと「〇〇ちゃん、50点満点のテストの五教科合計が30点上がったんです!」との報告が! 「そんなに?!」と驚く僕

        ヤンキー塾のその後

        • 渡塾が「ヤンキー塾」と言われていた頃のお話(後編)

        • 渡塾が「ヤンキー塾」と言われていた頃のお話(前編)

        • テストの点数が上がっても褒められない?

          32歳になりました。

          6月28日に誕生日を迎え、32歳になりました!(サムネイルの写真は、誕生日を機に買ったコーヒーセットです) 20歳の頃にあっとすくーるを立ち上げ、当時はそれこそ子どもたちの「お兄ちゃん」のような距離感で接していたのですが、いよいよ「お兄ちゃん」は厳しい年齢になってきました・・・。 「お兄ちゃん・お姉ちゃん」的な関係は大学生たちに任せて、僕は僕で年齢相応に子どもたちや保護者の方々の支えになれるように頑張ろうと思います。 さて、せっかく誕生日という節目の機会なので、いくつか

          32歳になりました。

          ひとり親家庭の子どもたちのために自分にできることは?|大学の授業で1人の学生の方から質問を受けた話

          先月はいくつかの大学の授業にゲストスピーカーとして呼んでいただきました。 毎回最後は質疑応答の時間があるのですが、これまで受けたことがない種類の質問を受けました。今日はそのことについて書こうと思います。 恵まれているが故の葛藤「大学に入って子どもの貧困のことや、今回みたいなひとり親家庭の話を聞く機会が増えました。自分はひとり親家庭でもなく、貧困でもない家庭環境で育ってきたのですが、そういう話を聞くたびに申し訳ない気持ちになります。どのようにこうした気持ちに向き合えばいいで

          ひとり親家庭の子どもたちのために自分にできることは?|大学の授業で1人の学生の方から質問を受けた話

          明石市の養育費の検討委員をやってみて感じたこと

          普段は大阪でひとり親家庭の子どもたちをサポートするNPOの代表をやっている僕ですが、他にもいくつか肩書きをいただいています。 ・公益財団法人あすのば 評議員 ・NPO法人ブレーンヒューマニティー 理事 ・NPO法人edge 理事 あと恐れ多くも一章だけですが本も書いております(笑) こうしてありがたいことに様々な機会をいただくことができているのですが、今回はその中の一つである明石市の養育費の検討委員をやって感じたことを書こうと思います。 前置きが長くなりましたが、

          明石市の養育費の検討委員をやってみて感じたこと

          「母子世帯の発生を抑える」ために必要なことは?

          少し前ですが、こんなニュースがありました。 この中で「いかに若い人の妊娠率を下げるか、母子世帯の発生を抑えるか。」という発言があるのですが、そこに対して反論を唱える記事をいくつか目にしました。 ただ世間の多くの方は「なんで?若い人の妊娠率が下がったり、母子世帯にならなくてすむなら、そっちの方がいいんじゃないの?」と思うのではないでしょうか? 社会の多くの方々にそのように思われてしまうことに個人的に危機感を覚えているので、僕なりに「なぜ今回の発言が問題視されるのか」を解説

          「母子世帯の発生を抑える」ために必要なことは?

          未婚の母子家庭で育った僕が父の命日に思うこと。

          今日5月28日は僕のお父さんに当たる人の命日です。亡くなったのが2007年なので、今から14年前。 僕がそのことを知らされたのはもう少し後の秋頃になってからでした。 ある日母から「ちょっと大事な話があるから」と。 ホテルのレストランみたいなところで、当時僕が奨学金でお世話になっていたライオンズクラブの方(母の知り合いでもあります)と3人でご飯を食べることになりました。 「ライオンズクラブの方も一緒に大事な話ってことは、大学の進学費用に関することかな?もしかして奨学金とか

          未婚の母子家庭で育った僕が父の命日に思うこと。

          「母子家庭 子供 影響」のキーワードが意味するもの

          先日いつものようにグーグルアナリティクスを見ていたら、あるところに目が止まりました。 今までそんなに見られていなかったこちらの記事のアクセスが増えてるんです。 じわじわ見られるようになってきてたのは知ってたんですが、進学費用に関する記事等の実用的なものよりも見られるようになってきてたんです。 これは今までになかった変化なんですね。 どんなキーワードで検索されてるんだろう?と思って見てみたらいくつかのキーワードが出てきました。 「父親不在 影響」 「母子家庭 子供 

          「母子家庭 子供 影響」のキーワードが意味するもの

          「社会人継続中です。www」と元塾生の保護者さんからLINEがきた話。

          4月中旬、いつもと同じように事務所で仕事をしていると1通のLINEが。LINEを開いてみると、元塾生のお母さんからこんなメッセージが届いてました。 「社員証できたみたいです。社会人継続中です。www」 このメッセージを見て、思わずニンマリしました。 ああ、こうやって冗談にできる日が来たんだなぁと^^ 早速僕はお返事しました。 「すごい!なんか大人になってますね(笑)」 「おかげさまで…。とりあえず初任給でなんか記念品買ってもらいたい!っていうのが次の目標です。もち

          「社会人継続中です。www」と元塾生の保護者さんからLINEがきた話。

          「ひとり親だから頑張ったって意味がない」と思っていた子が、半年で劇的に変わった話(後編)

          前編を読んでいない方はこちらから。 後編では彼がどんな風に変わっていったのかを、彼の言葉を引用しながら紹介していきたいと思います^^ 「俺だけじゃないんだって思えたのが嬉しかった」 前編で「どうして自分だけこんなにしんどいんだ。誰もわかってくれない。人とは違うと思ってたし、誰にも相談できなかった。」と彼が思っていたと書きましたが、その当時は家でも結構荒れていたそうです。 (当時の荒れていた様子を保護者の方が語ってくれています) その彼が言うには 「塾で『ひとり親あ

          「ひとり親だから頑張ったって意味がない」と思っていた子が、半年で劇的に変わった話(後編)

          「ひとり親だから頑張ったって意味がない」と思っていた子が、半年で劇的に変わった話(前編)

          今日は僕があっとすくーるを立ち上げて一番最初に出会った生徒のことを書こうと思います。 この子と一番最初に出会っていなければ僕はこの仕事を続けられなかったかもしれません。 それくらい思い入れがある生徒なので、前編・後編に分けて記事を書こうと思います。今日はまずは前編ということで、彼との出会いや出会った時の彼の様子・状況について書いていきます。 彼との出会いのきっかけ 僕があっとすくーるを立ち上げる際に色々お話を聞かせていただいた母子家庭のお母さんたちのグループがあったん

          「ひとり親だから頑張ったって意味がない」と思っていた子が、半年で劇的に変わった話(前編)

          初めてのnote

          はじめまして!渡剛と申します。NPO法人あっとすくーるというひとり親家庭の子どもたちをサポートする団体の代表をしています。 これから毎週1回noteを更新していくことに決めました!最初の記事では僕の自己紹介と、今後noteで発信していく内容について書こうと思います。 未婚の母子家庭育ち 冒頭で「ひとり親家庭の子どもたちをサポートする団体の代表をしています」と書きましたが、自分自身が未婚の母子家庭で育ったことが今の仕事をしている理由の一つです。 僕は1989年に熊本県熊

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