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「ひとり親だから頑張ったって意味がない」と思っていた子が、半年で劇的に変わった話(後編)
前編を読んでいない方はこちらから。
後編では彼がどんな風に変わっていったのかを、彼の言葉を引用しながら紹介していきたいと思います^^
「俺だけじゃないんだって思えたのが嬉しかった」
前編で「どうして自分だけこんなにしんどいんだ。誰もわかってくれない。人とは違うと思ってたし、誰にも相談できなかった。」と彼が思っていたと書きましたが、その当時は家でも結構荒れていたそうです。
(当時の荒れていた様子を保護者の方が語ってくれています)
その彼が言うには
「塾で『ひとり親あるある』みたいな話をしたのよ。ご飯食べる時間が遅いとか、家に帰ったら500円置いてあってそれで自分でご飯なんとかしないといけないとか。こういう感覚って自分の周りは持ってなくて、それで『なんで俺だけ・・・』って思ってたの。でも塾でその話をして『あ、俺だけじゃないんだ』って。そう思えたのがすごい嬉しかった」
そう言ってくれた彼にこんな質問をしてみました。
「わかってくれる人がいないっていうのはマイナスなわけでしょ?じゃあわかってくれる人ができたってなっても、それでようやくプラスマイナス0になる感じ?」
彼の答えは「プラスマイナス0じゃなくて、プラスだった」でした。
「俺のことお兄ちゃんやと思ってくれていいから!何でも言ってな!」
彼は言います。
「自分はちゃんとした大人になれないと思ってたの。でも『ひとり親あるある』みたいな話をしてる自分と同じひとり親で育った人たちが大阪大学に行ってるって知って、それがめっちゃかっこよく見えた。会話もなんかすげー大人だし、『この人たちカッケー!しかもおもろい!』って(笑)ひとり親でもこういう大人になれるんだ、じゃあ自分もなれるかもしれないなって。」
「あとあれも嬉しかった!ごうちゃん(彼は僕のことをそう呼びます)が『俺のことお兄ちゃんやと思ってくれて良いから!何でも言ってな!」って言ってくれて。あれは覚えてる。」
肝心の僕は「そんなこと言ったっけな・・・」という感じだったのですが(笑)。でも大学3年生だったから言えたセリフですね。今や31歳となった僕には口が裂けても言えないセリフです(笑)
「授業に参加できる感じが楽しい」
ここまではどちらかと言うと「ひとり親家庭であることによって生じたネガティブなことをどうやってプラスに変えていったか」という内容でしたが、学習面でどうだったかという話を最後に触れておこうと思います。
彼が言うには「生徒とのコミュニケーションもすごく取ってくれて、参加型みたいな感じがすごく楽しかった」ということでした。
さらに「自分もそうだったけど、勉強得意じゃない子って学校の授業に参加できないんよね。先生に当てられてもわかんないし、答えられずに黙ってたら隣の席の子が教えてくれたりするけど、それじゃ意味ないし・・・その場はことなきを得るけど後ろめたい気持ちになるんよ。『あ〜俺できないんだ・・・」って。でもここだったら、わからないって言えばわかるまで教えてくれたから。それがよかった。それで『勉強おもろいやん』ってなっていけた。」
そう言う彼は授業がある日もない日も毎日塾に来て、授業の時間以外も自習を頑張るようになりました。
その積み重ねで、入塾後半年で学校の成績が200点近く伸びました。
「ほら、俺理解力はあったから(笑)」と彼は笑って言ってましたが、彼自身が頑張ったことは疑う余地がありません。僕らはほんの少しのきっかけを作っただけです。
逆に言うとこうしたきっかけがあれば彼のように変われる子どもたちがまだまだたくさんいるってことだと思いますし、そうしたきっかけが得られるかどうかは「運に左右される」というのが悲しいですが現状かなと思っています。
話が少し逸れましたが、これが僕が一番最初に出会った子の話でした!
彼はその後も人に比べれば少し遠回りをしました。でも今年大学を卒業して、無事に社会人になりました。大学生時代にはうちで講師をしてくれて、次の世代の子どもたちを支えてくれました^^
GWにはまた大阪に帰ってくるということだったので、その時にまたお酒でも飲みながら当時のことを聞いたりしようと思います^^
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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