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渡塾が「ヤンキー塾」と言われていた頃のお話(前編)

今日はちょっと昔話を。2013年ごろのお話なので、塾を立ち上げて2年ぐらいの時期です。

その当時、うちの塾に一人の生徒が入塾してきました。ひとり親家庭の中学生男子。その子の入塾後、うちの塾にとある変化が起きます。

「塾通いたいねんけど!」突然入ってくる中学生男子たち

ある日その子が塾にやってくるのと同時に、全く見たことのない子どもたちが2〜3人一緒に入ってきました。

「え、誰??」とポカンとした次の瞬間、「俺もこの塾通いたいねんけど!」と、その子たち。

「えーっと、まずは名前教えてもらっていい?」と名前を聞き、「親御さんには塾に入りたいってこと言ってる?」と聞くと「言ってへん」との返事。

塾ってこんな道場破りみたいな感じで入れる場所でしたっけ?(笑)

正規のルートから外れすぎている入塾のオファーに戸惑いつつも、とりあえず保護者の方に連絡するから連絡先教えてと伝え、保護者の方に連絡をしました。

「突然のお電話すみません。渡塾の渡と申します。実は〇〇君が今うちの塾に来られていて、入塾したいと言っています。うちは最初の1ヶ月が無料体験授業なのですが、まずはその無料体験授業を受けていただくということで手続きを進めても大丈夫でしょうか?」

「そうなんですか。子どもが行きたいって言ってるなら任せます。」

「あ、はい。わかりました。ありがとうございます。それでは申込用紙を持って帰ってもらいますので、ご記入いただいて後日提出をお願いいたします。」

そんな感じで無料体験授業が決まりました(笑)

駐輪場にたまる「ツレ」たち

そこから彼らの無料体験授業が始まりました。中には授業をちゃんと受ける子もいたり、全く受けない子もいたり。

全く受けない子に「じゃあこのプリントのこの問題1問だけでいいからやらん?せっかく来たのに、全く何も勉強しないってそれはそれでちょっとあれじゃん。」と必死の説得を試み「じゃあ1問だけな」となんとか解いてもらうということをやっていました。

「やったで」

「お、合ってる!すごいやん!」

「これくらい余裕やし。」

「余裕なんやったらさ、もう一問この問題やってみてや。これも解けたら結構すごいで。」

「いいで。簡単簡単。」

こんな風に気がついたらプリントを1枚終わらせるという戦いを日々繰り広げていました(笑)

そして塾が終わって帰るとき、駐輪場まで子どもたちを見送るのですが、そこにこれまた見たことない子どもたちが。中にはガタイが大きい、いかつめの男の子も。

後になってわかった話ですが、彼らは同じ中学校の生徒たちで、非行でマークされている子どもたちでした。

彼らはその後も塾に通ってる友達を迎えに駐輪場にやってきました。駐輪場に溜まって、そこで時間を潰していたこともありました。

そうなってくると何が起きるか。お察しの通り、同じビルの他のテナントの方にご迷惑をおかけする事象が起きます。

「うちの従業員が溜まってる彼らが怖くて帰れなかった」

「お客様にも迷惑かかるんちゃうかと心配」

「これが続くようなら、こっちがここを出ていかなあかんくなるわ」

これは実際に他のテナントのオーナーの方から言われた言葉です。

ここで僕は選択を迫られます。

一つは彼らを「迷惑な存在」として学校や警察に通報しなんとかしてもらうという選択。これを選べばひとまず事態は収まるだろうし、他のテナントの方への申し訳も立ちます。

もう一つは彼らを「サポートが必要な存在」として学校と協力し、ここで繋がれたことをきっかけにサポートしていく選択。

ただし他のビルのテナントの方からは「あれをなんとかしてくれ」と言われており、「そっちが出ていかないならこっちが出ていくぞ」とまで言われている状況。

このとき僕がどっちを選んだのか。そしてその後どうなっていったのか。続きは8/18公開予定のnoteをご覧ください^^

またこうした子どもたちとのエピソードから気づかせてもらったことを交えて、ひとり親家庭の子どもたちを取り巻く課題を知ってもらうための活動説明会を毎月1回開催しています。

次回の開催は8月22日(日)の10:30〜12:00です。

「ひとり親家庭の子どもたちを取り巻く課題について理解を深めたい」

「自分にできることがないか考える時間が欲しい」

という方におすすめのイベントですので、ぜひご参加ください^^

詳細・お申込は以下をご覧ください。


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