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「CDJ 19/20」 28日のハイライトレポートをお届けします!

・欅坂46

絶対的エース・平手友梨奈は不在。しかし彼女たちは、各曲ごとにセンターをリレーしながら、欅坂46の生き様を「COUNTDOWN JAPAN」に深々と刻み付けた。"世界には愛しかない"では守屋茜が、"二人セゾン"では小池美波が、"エキセントリック"では土生瑞穂が、堂々とセンターを担っていく。特に、"サイレントマジョリティー"、"ガラスを割れ!"といった鮮烈な反骨精神を滾らせる楽曲で、鬼気迫るパフォーマンスを見せつけた小林由依の表現力は凄まじかった。そして、菅井友香センターによって披露された"不協和音"。《僕は嫌だ》という壮絶な絶叫に、満場のEARTH STAGEが震えた。今から振り返れば、この日のセットリストは、欅坂46の3年半にわたる孤高の闘争史を見事に凝縮したものであった。僕たちが欅坂46に求めるもの全てを、彼女たちは全身全霊で表現し切ってくれたのである。ロッキング・オン主催フェス7度目の出演となる今回のステージは、まさに、これまでの歩みの一つの結実ともいえる本当に素晴らしいものであった。


・King Gnu

開演前からただならぬ期待感が充満していたEARTH STAGE。最初に火花を散らしたのは、この夏にドロップされたばかりの"飛行艇"。そのイントロが轟いた瞬間に、既にこの曲が、ロック・アンセムとして無数の人たちに受容されていることが確かに伝わってきた。テンポの速さによってではなく、濃厚なグルーヴによって熱狂空間を生み出していく"Slumberland"。J-POPのフォーマットに則っているにもかかわらず、深く壮絶な余韻をもたらす"白日"、"The hole"。彼らのあらゆる表現は、もはや既存のJ-POP/J-ROCKの尺では計りきることはできない。それでも彼らの音楽は、その歪さを残したまま、未知なるポップ・ミュージックとして完全開花を果たした。2020年代の日本の音楽史は、ここから幕を開ける。


・BiSH

Official髭男dismの裏。まさに、今回の「CDJ」における最大の逆境ともいえるスロットを担ったBiSH。彼女たちは、その闘いに見事に打ち勝った。アイドル界、パンク界、ロック界、その先に広がる広大なJ-POPシーンへ。6人は、幾度とない越境を繰り返しながら、自分たちの存在意義を示し続ける。"プロミスザスター"のロック・アンセムとしての輝きは、これまでの、そしてこれからも続いていく物語を鮮明に想起させてくれた。「負けないで生きて生きて、またどこかで会いましょう。」この日、彼女たちは、他のどんなロックバンドよりも鮮烈な反骨精神を滾らせていたように思う。僕は、彼女たちの歩みを全力で支持する。


・フジファブリック

2009年12月、志村正彦、逝去。そのたった数日後に行われた「COUNTDOWN JAPAN 09/10」。フジファブリックのスロットでは、当初予定していたセットリスト順に過去のライブ映像が映し出された。残されたメンバーたちは、ただただその景色を見つめるしかなかったという。あの夜から、今年で10年が経つ。こんな容易い言葉で形容できないかもしれないけれど、あまりにも特別な時間だった。10年前、志村が「CDJ」で歌うはずだった"Sugar!!"。「音楽は続いていくぜ!」という力強い宣言と共に披露された"銀河"。そして、もはやJ-POPアンセムと化した"若者のすべて"。10年経っても、志村の曲たちがこうしてフェスのステージで鳴り響いている光景は、決して当たり前のものではないんだ。残された3人が彼の意志を継いでくれたことに、僕は何度でも感謝を伝えていきたい。これからも3人は、フジファブリックとして志村の歌を歌い続けていく。フジファブリックとして新しい音楽を生み出し続けていく。だから寂しいことなんてないし、僕はデビュー15年目の先へと続いていく彼らの物語にワクワクしている。最大限の愛と敬意を込めて。



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