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凝視しなくてはならない      『福田村事件』

2023年9月1日公開、『福田村事件』

各所のミニシアターで公開されており、評価もかなり高い作品。
久しぶりの平日休みという事で「テアトル新宿」さんに行ってまいりました。

昼過ぎでしたがほぼ満席でしたね。

後に、感想述べますが、かなりハードな作品ではあります。
簡単にあらすじと概要をどうぞ。

       『福田村事件』

公開年 :2023年
上映時間:136分
ジャンル:ドラマ、伝記【PG12】
監督  :森 達也
出演  :井浦 新、田中 麗奈、永山 瑛太、東出 昌大、コムアイ、柄本明
     水道橋博士、ピエール瀧、豊原 功補、etc

         あらすじ

1923年春、澤田智一(井浦新)は教師をしていた日本統治下の京城(現ソウル)を離れ、妻の静子(田中麗奈)と共に故郷の福田村に帰ってくる。智一は、日本軍が朝鮮で犯した虐殺事件の目撃者であった。しかし、妻の静子にも、その事実を隠していた。その同じころ、行商団一行が関東地方を目指して香川を出発する。9月1日に関東地方を襲った大地震、多くの人々はなす術もなく、流言飛語が飛び交う中で、大混乱に陥る。そして運命の9月6日、行商団の15名は次なる行商の地に向かうために利根川の渡し場に向かう。支配人と渡し守の小さな口論に端を発した行き違いが、興奮した村民の集団心理に火をつけ、阿鼻叫喚のなかで、後に歴史に葬られる大虐殺を引き起こしてしまう。

Firmarks

感想

最悪の結末・人間の醜さ・時代価値観など、
常に心理的負荷がかかるような作品でした。。

実話という避けようのない結末。
どうにか好転しないか祈るように観ましたが、無情な最後です。

作品を通して、集団心理や村社会の嫌~な部分が詰まってます。
噂が伝播していくシーンとか、虫唾が走るほど嫌でしたし、
村の住民も水道橋博士もぶん殴りたかった。
水道橋博士演じる長谷川が正に元凶で、
ありもしない事実を煽り、一方通行の見方しか出来ない。
いつの時代もこんな奴は存在しますよね。

でも思うわけですよ。
仮に自分が1920年代の日本に生を受けていたら、
福田村の住人のようになったのだろうか、
思想統制の時代に我をもって行動できるのだろうか。

そう考えると、自身は全く湧きません。
現代だからこそ多様性云々言えてますが、
情報・思想統制の時代で正しい選択なんて無いんだろうなと。
ただ、長谷川という男が信念をもって行動を起こすことは結構ですが、
扇動し一方通行で事を成す事は明らかに違います。

私は「人間がもつ集団心理の暴走性」をまじまじと見て何かが心に刻まれたし、同じ人間だという事実をどう捉えるかを考えています。
これに関しては、時代関係なく学校や会社など、身近なコミュニティでも発生する恐れがあるので、その際に信念をもって行動できるかですね。

俳優陣は豪華ですし、
東出さんはハマリ役でしたし、イメージ通りの役で良かったです。(笑)

【PG12】ですので、少々の濡れ場とポロリも少々ありました。
突出してグロテスクな感じでもありません。
少し思うのは、人を刺すシーンなどのはリアルさに欠けていましたが、
(リアルにする必要もないんですが。)
リアルだったら良かったなとは思います。

以上です。


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