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【恵那市】偶然の数だけ、旅はたのしくなる。

四月のはじめに岐阜県恵那市と多治見市へ遊びに行ってきた。僕の地元からは高速を使って1時間半弱で遊びに行ける距離だ。多治見市の場合はもっと早く到着するはず。

旅の目的は『焼肉ひーさん家 武並本店』というお店にランチでお邪魔することだった。前にここへ食べに行ったのはもう2年近く前になるが、ホルモンのぷりぷり感が忘れられず、もう一度あの感動を味わいに行きたかったのだ。無論、味は最高である。

日曜日の朝、10時半頃に自宅を出発。天候は快晴。気温が四月にしては少し高く、長袖に薄手のジャケットは失敗だった。おしゃれは我慢というが、この日の暑さは異常だったと思う。

行きの車ではおなじみの佐久間さんのANNを聴きながら運転する。最近は、平日の朝にできる限り散歩をするように心掛けていて、その際にもよく聴いている。憂鬱な時間にも、楽しい時間にもぴったりの佐久間さんの話がとてもだいすきだ。

そうこうしているうちに、恵那市へ到着。時間は12時半頃で、お腹もいい感じに空いてきた。見覚えのある景色のなか車を走らせ、お店に到着すると…。閉まっていた。「あれ?前に行ったのも日曜のお昼だよな?」と思って一応電話してみると、店舗改装中のため臨時休業とのことだ。ショックが大きい。まさかまさかの事態に困惑。といっても、お腹はどんどん空く一方。気を取り直して別のお店を探すしかない。気分は完全にホルモンだったので他の焼肉屋を探すものの、なかなかピンとくるお店がなかった。せっかくの遠出だし、こういうときは地元で長くお店を営んできた方々の味を体験したい。ぷりぷりのホルモンは一旦諦め、お肉系で調べることに。すると、見つかったのが『ばんばん亭』というお店。距離はそこまで遠いわけではなかった。看板メニューはハンバーグ定食ということで、口コミの評価はとても高かった。ここで決まり。『ひーさん家』のホルモンは次回のお楽しみだ。

そこから15分ほどで『ばんばん亭』さんへ到着。待つことなく席へ案内された。ラッキー!メニューをみると、ハンバーグのほかにも美味しそうなメニューがたくさんあった。しかし、多くの人が絶賛するハンバーグ。食べてみないわけにはいかない。ということで僕は迷わず決定。一緒に行った彼女もハンバーグ定食に。僕はデミグラスで、彼女は和風おろし。そして、実はこのお店、メインは焼肉屋さんということでディナーメニューには『ホルモン』があった…。ランチの時間帯に面倒なことをさせてしまっては申し訳ないなあ〜と思いながらも注文できるか確認してみると、「いいですよ!」と笑顔でご対応いただけた。とっても雰囲気のいい店員さんで注文や配膳時の一つひとつのやりとりが心地よかった。この時点でリピート確定だ。

お店の外観はこんな感じ
マジで撮り方下手ですみません…次はカレー食べてみたい!

ほどなくしてハンバーグが運ばれてきた。一緒にホルモンも。見た目はいたって普通のデミグラスハンバーグなのに、味はたしかにめちゃくちゃ美味しい。肉汁もすごいし、何よりその柔らかさたるもの、表現しがたい。だからこそ、他のメニューが気になって仕方がなかった。どれをとっても間違いないと思う。ホルモンは2人前注文してその見た目こそなんだか悲しかったが、大切なのは求め続けたぷりぷり感とその味わい。『ばんばん亭』さんで食べるホルモンも格別だった。一般的な焼肉屋よりもメニューが豊富で、ディナー利用もいつかしてみたい。なかでも一番気になったのは、焼肉屋で出てくるキムチ炒飯。中華料理屋で出てくるものと、どう違うのか。近々、答え合わせをしてみたいと思う。ぷちハプニングが招いた新しい出会いのおかげで、幸福感に包まれた。また行こうと心に誓って店を後にした。ありがとうございました!!!

手作り和牛ハンバーグ定食
ちょっと寂しい…笑


続いて向かったのは恵那市にある『庭文庫』というお店。僕は2021年に電通のコピーライターである阿部広太郎さんの連続講座に参加していた。そこで知り合った中津川住まいの方が教えてくださった場所だ。ここがとてもいい。いまとなっては雑誌でも取り上げられるほどの古本屋となったが、そこを最初に知った2022年頃はまだそこまで認知されていなかったのではないかと思っている。

向かう道中では桜がとても綺麗だった。川沿いで花見をしている家族やのんびり新聞を読んでいるおじいちゃんもいたりして、なんとも微笑しい光景だった。春のあたたかい空気、青い空、すきな人と歩いて桜を眺める時間は何にも代えがたい幸福のひとときだった。

後ろぼかしすぎた・・・。

『庭文庫』さんまで行く道中、もう一つ気になる場所があった。なんの変哲もない神社だったのだが、車を運転していてそこを見つけた瞬間、「ここに寄りたい!」となるほど魅力的な場所だったのは間違いない。田舎の町の道中にポツンと現れる神社。ジブリを彷彿とさせるような不思議さがあった。でも、とりあえずは『庭文庫』へ向かうため、一旦見送って後で行くことに。

回り道をしながら『庭文庫』さんに到着。駐車場がいっぱいでどうしようかと思ったが、お店から出てきた一人の女性が「私でますので」と一声掛けて下さった。運良く車を停められた。約2年ぶりの『庭文庫』だった。置いてある古本は普通の書店や古本屋では見かけることのないものがほとんどで、それがまたいい出会いなのだ。どんな思いがあってこの本を取り扱っているのかな、と想像したりすることも楽しい。「ここへ訪れたからこそ出会えた本」というのも多くあり、僕は独立系の書店を巡ることが本当にすきだ。『庭文庫』は坂(丘?)の上にあるので、縁側から見える山と木曽川、架空送電線たちの景色が最高。建物が古民家というのも、これまた味があっていい。自然豊かな地域の特性を活かしながら人と人をつなぎ、まるでドラマのような文脈を現実世界に紡ぐこの空間がとても素敵だ。平たい言葉で言えば、地方創生とでも言うのだろうか。僕もいつか、こんな形で町と接点を持って活動していきたい。

縁側からみえる景色

この日は彼女だけ1冊の本を購入し、店を後にした。それから、ここまでの道中で気になったという神社へ向かうことに。名前は忘れてしまった。

なぜか惹かれませんか?

鳥居をくぐって階段を登ってみると、そこにある桜は想像以上の大きさだった。「こんな立派な桜みたことないね」と二人で話していると、スーツを着た一人の男性が声を掛けてきた。



「ここの桜はね、この辺りで一番なんだよ。多分、明治時代の初期頃に植えられたんじゃないかな。年に一度はお祭りみたいなこともしているよ」

「そうなんですね。僕らもこんなにも大きな桜みたことないです。地元の方ですか?」

「そうだよ。今はタイに仕事で住んでいて、ちょうど今朝一時的に日本へ帰ってきたんだ。家に帰るよりも先にここの桜を見に来て、これから戻るところなんだ。まあ、ゆっくりしていきな」

「ありがとうございます!」



男性はそのまま車に乗って去っていった。明治の初期って、あんまり想像できない。でも、よくよく考えてみれば、今歩いているこの場所もずっとずっと昔からある場所で、景色や名前は変わっても何千年も前から歴史は繋がっている。日常のなかにある当たり前のことを、改めてじっくり考え直して、
その事実に感謝することって大切だなと、思った。良い寄り道だった。また、来年の春、ここへ来たい。


その神社からみえた遠くの桜

時計をみると、16時半を過ぎた頃。そろそろ帰路につきながら、どこか寄れそうなところがあれば向かうことに決めた。多治見市にもう一軒すきな書店があることを思い出し、寄ることに。名前は、『ひらく本屋/』。前回も今回も車でしか行ったことのないお店だが、JR多治見市からも近い書店なので、次は電車で行ってみるのもいいかもしれない。

店内に併設されている『喫茶わに』さんもオススメ!

ここの本屋さんも取り扱いの選書が素晴らしい。イメージとしては、『旅』『観光』系の本が多いと思う。ここで本を一冊購入して、隣の喫茶店でゆっくり読んで、そのあと向かいにあるお蕎麦屋さんでご飯を食べる、そんな贅沢な時間を過ごしたい(喫茶店のなかでの写真がありませんでした・・・涙)。


長かった一日も、そろそろおしまい。帰り道に夜ご飯をササッとすませ、帰宅。月曜からは仕事が始まるので、日曜の日帰り旅はなるべく早く帰るように心掛けている。しっかり休める時間も計算して旅の計画を練ることが、いい旅にするための秘訣でもある。この日はいろんな偶然が重なり合った。
人、景色、自然、食。思いがけないことの連続が、想像以上のたのしさを連れてきてくれた。今こうして思い出を振り返っているだけでたのしくなる。また、必ず恵那市へ行きたい。僕のなかには、まだみんなが知らない特別な恵那市があるように感じる。



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