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2024年7月の記事一覧

カラカラ喉には炭酸水だね

カラカラ喉には炭酸水だね

 朝起きてすぐ、乾いた喉に塩味のポテトチップスを口に放り込んでいく。二度寝をして10時半になってた。好きな人からの着信で再度目覚めた。今起きたばかりだよと笑い会話を続けていく。ポテトチップスを食べて血糖値が急激に上がったからか、身体が怠くて起き上がれない。

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神さまとのセックスは

 醜男とのセックスは気持ちの良いものとして終わった。わたしは人柱として捧げられたようなものなのに丁寧に壊れものを扱うように彼はわたしの身体を撫でた。彼のゴツゴツした指がわたしの胸や陰部を這うとき、わたしは恍惚とし我を忘れ猫が交尾する時鳴くような甘い声を出した。彼の顔には痘痕と黒子が目立ち浅黒い肌は紅潮していた。深い目元とほうれい線の皺が目立っていた。こんな醜い男のお陰で絶頂に達したと思うとやるせな

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暑すぎて弾け飛びそうな

暑すぎて弾け飛びそうな

 朝4時に目覚めても正直困惑してしまうだけで、何をしようかとソワソワしてしまう。昨日約束した親友との作業通話をかけてみるが、出ない。仕方がないからネットサーフィンに時間を使う。1時間半くらいゴロゴロしたあと、今度は電子漫画を読んでいく。今は小学校3年生くらいの時好きだった『ショコラの魔法』という漫画が、自分の中でリバイバルしているのでそれを読む。

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砂時計で時を刻んで

 バイトが終わって帰り道とぼとぼ歩いて家に着いた。ただいまーと言いながら、ドアを開ける。母親が険しい顔で待っていて、こう言い放った。「アンタ昨日混血の色男と街歩いとったやろ?隆(たかし)くんはどうしたん?あんな睦まじく話しとって、あれは浮気やろ。」全く身に覚えのなかったわたしは急いで弁解する。「あのね、高木さんはバイト先の社員さんなの!うちとは何の色恋の関係もない。お母さんなんなの、最近。ずっとそ

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安楽死救済制度でも救われない。

 20XX年、逼迫した介護による問題で知的障害や精神疾患を抱える者、後期高齢者の安楽死救済制度が法律にて確立された。杏奈は重い、生活に支障をきたすレベルの精神疾患を患っているので、この安楽死制度を受ける側となる。2週間、湖の近くのコテージで余生を過ごしたあと薬物投与で安楽死を図る。ずっと幻覚や幻聴に苦しんでいた杏奈はやっと解放されるんだという思いと、死への恐怖が拭えなかった。幻覚や幻聴って当事者は

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戦争

 クタクタの足でなんとか玄関まで辿り着いて、ドアを開けた瞬間しゃがみ込む。プラスチックのパックに入ったポテトサラダをプラスチックのフォークでお皿に出さずにそのまま食べる。つまんないテレビ観ながら、時折目に入ってくる月を睨む。たぶん世界が滅んでしまうまでこんな生活を続けるんだろうな......

 あと一個ジェンガを引っこ抜けば簡単に崩れ落ちるだろうに、絶妙なバランスを保っている。その造形に大した美

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