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2024年8月の記事一覧

「天才とホームレス」 第19話 『黒人牧師と過去』

「天才とホームレス」 第19話 『黒人牧師と過去』

なんという恵みでしょう。
このような景色が見られるとは。

なんという素晴らしい日でしょう。
皆さんに出会えるとは。

ワタシは昔、大罪人でした。

ニューヨークで生まれてすぐに親に捨てられました。
物心つく頃には、スラムの少年たちがワタシの家族になりました。

悪いことはなんでも、皆さんが思いつくようなことはすべてしていると思います。
生きるために。

生きるためにたくさんの人を傷つけました。

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『公園物語』 その16

『公園物語』 その16

二週間に一度、ぐらいのペースで公園に行って絵を描いた。
娘のおかげで全然怪しくない。孤独もない。
ブランコぐらい押しますよ。こんなに助かってるんだから。

そうすると、学校帰りの小学生が公園の横を通る。
絵に引き寄せられるように近づいてくる。

「なにしとんー?」
「あ! 前もおったおっちゃんや!」
「前、ここでギター弾いてたやろー?」
僕も有名になったもんである。

高学年の女子は、娘のブランコ

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「天才とホームレス」 第18話 『おっちゃんと過去』

「天才とホームレス」 第18話 『おっちゃんと過去』

俺は天才だった。

昔から神童と呼ばれ、村では誰よりも優秀やった。

高校に上がって街に出てきた時も、その鼻は折られなかった。
だれよりも賢かった。
だれよりも勉強ができた。
また論争にも負けたことがなかった。

京都の大学にトップの成績で入ると、そこでも負けることはなかった。
大学闘争の激しい時代だった。

経済学の観点から見ると、それはまるで幼稚なものだった。
何度か集会に行って討論をした。

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「天才とホームレス」 第17話 『てっぺいと過去』

「天才とホームレス」 第17話 『てっぺいと過去』

大阪の汚ない街で生まれた。

小学校に入った頃、父ちゃんが死んだ。

おれは死んだの意味がわからんくて、
周りがワンワン泣いてるのが不思議で、
ずっと父ちゃんの仕事場にあった機械の絵を描き続けた。

1年後、母ちゃんが働き始めた。
父ちゃんの写真の前で泣くことがなくなった。
でもおれと一緒にいる時間も少なくなった。
おれは寂しかった。

その頃おれはおっちゃんと会った。
おっちゃんは黙ってそばにお

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『公園物語』 その15

『公園物語』 その15

「自然農法」
そんな言葉が飛び込んできて、僕は飛びついた。

肥料も農薬も使わない「ほったらかし」農法だという。
これは僕らにぴったりじゃないか。
なまけものでルーティンが苦手な僕らに。

と、いうことで、あんまり詳しく調べる前に、僕の秘密基地で始めることにした。
衝動的なのだ。僕は。

とりあえず種を蒔けばいいらしい。

「水も肥料もやらなくていい野菜」
で、検索をかける。

そしたら枝豆が出て

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「天才とホームレス」 第16話 『教会とお祭り』

「天才とホームレス」 第16話 『教会とお祭り』

教会にはたくさんの「悩み」が集まるらしい。

僕らはあの黒人神父のところに頻繁に通うことになった。

教会にはいろんなところから人が集まっていて、おじいさんおばあさんが多かった。
それは僕らにとって都合がよかった。

おじいさんおばあさんも、子どもに負けないぐらい、友達になるのが上手い。
僕は助かった。

その人たちの悩みには、
あの町工場の小さな発明たちが役に立った(第8話参照)
数学女子のセナ

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