【カフェ営業記】コーヒーの魅力をかみ砕いて伝える「翻訳家」でありたい
僕は今、京都でLaughterというコーヒーショップを運営しています。
お店に立っていると、コーヒーに関する質問をよくされます。
あまり専門用語などを使うと小難しくなってしまうので、例えを交えながらお話しています。
今回はその中でよく聞かれる「焙煎」と「ブレンド」についてのお話。
・「焙煎」は玉ねぎを炒めること!
まずは「焙煎」
「焙煎って何ですか?」と聞かれたら「玉ねぎを炒めているときをイメージしてください」と答えます。
炒める前の玉ねぎは白色です。
そこから火を加えていくとだんだん焦げ茶色になっていき、色の変化と共に甘みと香ばしい香りがします。
「飴色玉ねぎ」ってやつですね。そこから、自分の好みに合わせて火を止めるわけですが、火を止めずにいると炭になってしまう…。
これと同じようなことが、コーヒーの焙煎でも起きています。
コーヒー豆も初めから茶色い色をしているわけではありません。
焙煎前の生豆と呼ばれる状態では、淡緑色をしています。そこから、火を入れていくことで段々茶色く色付いていき、芳醇な香りがしてきます。
そこから、各豆に合わせたタイミングで焙煎を終えれば、よく見るコーヒー豆の出来上がり。長く焼けば焼くほどコーヒーらしい苦味が出てきますが、あまりに長く焼いてしまうと炭っぽく、美味しくなくなってしまいます。
玉ねぎとコーヒー。やってることそっくりだと思いませんか??
それは、火を加えることで共に「メイラード反応」「カラメル化」と呼ばれる化学反応が起きているからだそうです。
焙煎というと、職人技が必要で小難しいイメージもありますが、身近なことと同じ反応が起きています。
・「ブレンド」は絵の具を混ぜ合わせること!
「ブレンドコーヒーってどうやって作っているんですか?」
これもよく聞かれることです。
改めてですが、「ブレンド」は数種類のコーヒー豆を混ぜ合わせたもので、一種類のコーヒー豆では出せない「新たなおいしさ」を引き出すものです。
そこで、僕はいつもブレンドを「絵の具を混ぜ合わせること」とお話しています。
例えば、「空」を描く色を作りたいとイメージしたとします。そしたら、青とか白といった空色が作れそうな色を用意して混ぜていって、理想の「空色」を探すことになるでしょう。ブレンド作りもまさにそんな感じです。
ブレンドコーヒーを作る際も、まず最初にブレンドの方向性を決めます。
うちのお店では、「華やか系」「しっかり系」「バランス系」の3つを作りたいと決めてスタートしました。
バレンタインブレンド、クリスマスブレンドといった季節限定のブレンドを作る時も「チョコレートに合うような深煎り系のブレンド」といったように、イメージを膨らませてブレンドの方向性を作ります。
そして、方向性が決まればそれに合うコーヒー豆をセレクトしていきます。華やかなブレンドを作りたいときは、浅煎り系の豆を中心に。しっかり系のブレンドを作りたいときは、深煎り系の豆を中心に選んで配合していきます。
上手くいかないときには、配合の比率を変えたり、ほかの豆を加えたり。思いつく限りのパターンを試して、ブレンドを形作っていきます。
ちなみに、絵の具で迷子になって色々混ぜた結果黒色になってしまうように、コーヒーもあまりにもたくさんの豆を混ぜてしまうとぼやけた味になってしまいます。
改めて、ブレンドは一種類のコーヒでは出せない「新たなおいしさ」を引き出すもの。
一色では出せない「新たな色」を引き出す絵の具の混ぜ合わせと同じところを目指しています。
・コーヒーに関する「翻訳家」でありたい
コーヒーは嗜好品のイメージが強く、「分からない」「難しい」と思われることもしばしば。
しかし、その奥深さゆえにハマると面白いのだとも思います。
だからこそ、僕は一人のコーヒー屋店主としてコーヒーに関する「翻訳家」のような存在でありたいなと。
コーヒーの事を時に分かりやすく、かみ砕いていきながら一人でも多くの方にコーヒーという飲み物の魅力を伝えていきます!
このnoteでもコーヒー屋の日常を沢山発信していますので、ぜひ読んでみてください~!
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