初の実店舗「Laughter」にかける想い
2018年10月15日。
友人とともに株式会社アカイノロシを設立した。
現在の事業内容は、「タイコーヒーの輸入・卸売・小売販売」である。
さて、アカイノロシ設立からちょうど二周年を迎える2020年10月15日。
ついに、アカイノロシ初の実店舗「Laughter」をオープンする運びとなった。
振り返れば、「実店舗を持ちたい」という思いは1年以上前から密かに抱いていたものだ。
今年の春にはあと一歩で契約までこぎつけたテナントがあったのだが、新型コロナウイルスの感染拡大という予想だにしない出来事により、実店舗の計画は一度白紙となった。
この記事を書いていた4月下旬は緊急事態宣言の真っただ中。
お店の計画も、週末のポップアップストアも、イベント出店もすべてが白紙に。明日何をすれば良いかも考えなければいけない状況に陥った。
一体いつまで先の見えない日々が続くのか...。
そう思っていた矢先、事態は意外な方向に転がる。
緊急事態宣言発令による外出自粛やリモートワークの促進により、「巣ごもり消費」や「おうちコーヒー」「おうちカフェ」という新たなトレンドが生まれ、コーヒー業界に追い風が吹き始めたのだ。
しかし、冷静に分析するとただコーヒーがたくさん売れているというわけではなかった。
コロナ渦以前よりお客さんと顔が見える関係性をしっかりと構築し、独自の商圏を築くことが出来ていたお店が、緊急事態の中でも「あのお店の商品を買いたい!」とお客さんから「必要とされる存在」になっていたのだ。
それは品質が高いのはもちろんだが、「コーヒー」という商品を通じて各社・各店舗が伝えたい想いや、美味しさへのこだわり。店主のキャラクターなど第六感的要素が伝わっているからこそなんだと思う。
お客さんと顔が見える関係性をしっかり構築し、その関係性を積み上げていく。そのためには、例えリスクを背負ったとしても拠点となる場所が必要だという結論に至った。
そして、コロナ渦の今だからこそ提供したい「価値」がある。
コロナウイルスによって、世界の常識が大きく変化した。リモートワークやオンライン化の進行で、場所や時間の制限を超え人々がつながるきっかげとなったことは、ポジティブに捉えることができるだろう。
その引き換えに、通勤や移動の時間などこれまでの人間生活に「ムダ」がたくさんあることや、もっと効率的にできることがあるかもしれないということが明らかになったともいえるだろう。
でも、「ムダ」がない人生ってなんだか疲れてしまう気がする。
通勤時間に好きな本を読んだり、移動中に空に浮かび上がった虹に心を奪われたり...。
一日の中に隠れている何でもない、まさに「余白」の時間の中に、人生を彩る要素が隠れている気がする。
こんな時代だからこそ、そんな人生の「余白」を彩れるような商品・空間を提供していきたいと思う。
この思いの背景には、私が抱いてきた一つの「夢」がある。
私の夢は「人のココロを動かす表現者」になることだ。
なぜ、そんな夢を抱くようになったのか。話は中学時代までさかのぼる。
ある日、母親と映画を見に行った時のことだ。映画を見ている人たちの共通点は「同じ作品を見ている」ということだけ。性別も年齢もバラバラ。にもかかわらず、面白いシーンでは皆笑い、感動のシーンでは皆泣いている。
そんな様子を見て、人のココロを動かせる人ってカッコいいなと思うようになり、それ以来俳優さんやシンガーソングライターなど「表現する人たち」に大きな憧れを抱くようになった。
学校が全く楽しくなくて退学まで考えていた高校時代は、伝説の深夜番組「水曜どうでしょう」で笑顔をもらい、コロナの自粛期間中は楽器を持たないパンクバンド「BiSH」の楽曲を聴いて勇気をもらった。
振り返れば、いつの時も「表現する人たち」に救われてきた人生だった。
いつのまにか、自分も「人のココロを動かす表現者」になりたいと思うようになった。
だからこそ、このお店では自分の持っている全てを思い切り表現したいと思っている。そして、自分も誰かの心を動かせるような存在になれればなんて考えている。
最後に店名の「Laughter」について。「Laughter」は英語で「笑い」「笑い声」といった意味がある。以前、現地視察でタイ北部の農園に行った際のこと。農園主のご自宅に宿泊した日の翌朝、何も告知していないにも関わらず、自然と周辺の農園主たちが自分の作ったコーヒー豆を持ち寄り、言葉も分からない中でみんなでコーヒーを飲みあったときに、その美味しさ・楽しさを、笑顔と一杯のコーヒーだけで共有できたあの空間がとても最高だった。
今回の店舗も、「ヒトのつながりと一杯のコーヒーからたくさんの笑顔が生まれる」そんな空間にしたいと想い、この店名に決めた。
アカイノロシだけの店ではなく、関わる全ての方に育ててもらう。
そんな空間を作り上げたい。
伝統と革新のまち西陣の新たな担い手として、大きなのろしを上げられるように。
アカイノロシ三年目の挑戦が10月15日から始まります。ぜひご期待ください!
Laughter
〒602-8498
京都府京都市上京区西熊町289
Laughter
075-366-8870
https://maps.app.goo.gl/K5kdZhHDCgoRRuse7
市バス 乾隆校前 徒歩5分
地下鉄 今出川駅 徒歩20分
※千本寺之内交差点より、寺之内通りを東に徒歩5分ほどです。
P.S 入口にどかんと貼られたロゴマークはある人がモチーフになっています。
その答えは、ぜひお店で!