「ワルツの革命」アーノンクール
衒学的指揮者アーノンクールがウィーンにおける舞曲の展開を徹底的に追ったアルバム。対象は「始祖」モーツァルト、ヨハン・シュトラウスⅠ世とそのライバル、ヨーゼフ・ランナー。可能な限り自筆譜や初版譜などを使用し、作曲者が指定した楽器を用いることによって、後世の編曲で覆い隠されていた部分が明瞭になり「革命的」演奏となった。ワルツやポルカが単なる娯楽的作品ではなく、文化史的にも、音楽学的にも重要な意味合いを持つのだ。「ワルツは19世紀のヨーロッパ社会の進化を映す鏡である」(アーノンクー