見出し画像

ベームと日本

伝統を重んじる指揮者ベーム。当該音楽作品がこれまでどのように演奏され今日に引き継がれてきたかという思いが人一倍強かった。目立ちたがりの再現(演奏)行為が多い中で、独墺系音楽の水準器としての役割を果たした。伝統を重んじると言えば日本人もそうだし、ほぼ手兵と言っていい(名誉指揮者だった)VPOもそうだった。かくして1975年3月のこのコンビの来日公演によりベームの人気に一気に火がついた。NHKが生中継したこともありカール・ベームの名は小学生でも知るところとなった。さてこのブルックナー4番はその来日の期待が高まっていた1974年11月に2枚組LPとして国内発売され、「理性と感性のバランス」「ゆるぎない構成力とVPOの表現力の多様さ」などが「かえって新鮮」と絶賛され同年のレコード・アカデミー賞大賞を獲得してしまった。
カール・ベーム指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ブルックナー
交響曲第4番変ロ長調 「ロマンティック」(ノヴァーク版)
録音:1973年11月、ウィーン(ステレオ)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?