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イ・ムジチの四季(アーヨ盤)

イ・ムジチの「四季」は、日本クラシックレコード史上最も有名な盤のひとつ。バロック音楽のトビラを開けた役割は大きい。イ・ムジチ合奏団はローマのサンタ・チェチーリア国立アカデミアの卒業生12名が集まって1951年に結成、編成はヴァイオリン6、ヴィオラ2、チェロ2、コントラバス1、チェンバロ1。十八番の「四季」はこれまでに9回録音しており、この盤は2回目にして最初のステレオ録音。コンマスのフェリックス・アーヨは当時26歳。透明で颯爽としていて躍動感があり、艶やかで流麗。何度聴いても飽きない、ウキウキして充実感がある。いっぽうでBGMとして多用されたせいか、バロック音楽の中では「四季」の人気だけが突出している。その後60年間、アカデミックな古楽器ブームを経ても、この盤を人々が忘れることはなかった。まさに「不滅の名盤」にふさわしい。
イ・ムジチ合奏団
フェリックス・アーヨ(ヴァイオリン)
ヴィヴァルディ
協奏曲集 Op.8「和声と創意への試み」より第1番~第4番『四季』
録音時期:1959年
録音場所:ウィーン、ムジークフェラインザール

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