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ブリュッヘンと18世紀オーケストラの「第九」

ブリュッヘンと18世紀オーケストラは、モダン楽器の団体との違いを意識し、古楽器による合奏の特色を徹底して追求しており、現代オーケストラの「均等の美学」を真っ向から否定している。そのため今までの古楽器にないシンフォニックな、迫力のある響きが生まれた。ブリュッヘン自身が「私たちは傑作しか演奏しないのです」と語っているとおり、彼らの演奏は傑作揃いである。
そのコンビが8年がかりで完結させたベートーヴェン・シリーズのラストを飾る第9作目のアルバム。 しかしこの「第九」だけはさすがに初期の第1番や第2番のような過激さにはやや欠ける。これは彼らが疲れたわけではなく、作品の完成度の高さゆえであろう。
フランス・ブリュッヘン指揮18世紀オーケストラ
ベートーヴェン
交響曲第9番「合唱」
リン・ドーソン(ソプラノ)
ヤルト・ファン・ネス(アルト)
アンソニー・ロルフ・ジョンソン(テノール)
アイケ・ヴィルム・シュルテ(バス)
リスボン・グルベンキアン合唱団
1992年11月録音


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