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絶好調のクラウディオ・アバド

80年代のアバドはロンドン響、ミラノ・スカラ座管、ウィーン・フィル、シカゴ響といった世界有数のオケとの録音を多数行い、まさに絶好調であった。首席客演指揮者を務めたシカゴ響とのこの録音は、ミュンシュ盤と並んで20世紀の幻想交響曲のベスト盤であった。しかし前者が標題音楽としてのドラマ性を劇的に表現した熱血系であるのに対し、アバドは複雑多彩なオーケストレーションを誇張なく忠実かつ客観的に再現している。つまり全く異なる演奏である。後者のスタイルはその後ピリオド系の演奏に引き継がれ、現代の主流になっている。
クラウディオ・アバド指揮シカゴ交響楽団
ベルリオーズ
幻想交響曲 作品14
1983年録音

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