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マゼール&ウィーン・フィルによるラヴェル

マゼールの演奏史はワイルド時代(50~60年代)、スッキリ時代(70~80年代)、巨匠然時代(90年代以降)に分けられる。
ラヴェルについては1981年に本場フランス国立管との録音があるが、今回は何とウィーン・フィルとの共演。VPOのラヴェル録音は非常に珍しく、ほとんど初録音ではなかったか? 
注目すべきの⑤は後半から各楽器が自己主張を始め、コーダ直前ではテンポがぐっと遅くなり、結果旧盤より1分近く長い演奏となっている。フランス人のオケだったら怒り出すところだろう。
また④はラヴェル自身がヨハン・シュトラウスを意識しながらも最後にちゃぶ台返しをしている曲だが、マゼールはここで得意だったニューイヤー・コンサートのように非常に濃厚でシンフォニックなワルツ演奏をしている。VPOのメンバーも面白がって付き合っているようだ。ワイルド時代に戻ったみたい。
ロリン・マゼール指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ラヴェル
①「ダフニスとクロエ」 第1組曲
②「ダフニスとクロエ」 第2組曲
③スペイン狂詩曲
④ラ・ヴァルス
⑤ボレロ
1996年録音


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