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ひと粒で二度美味しい、どころじゃない。 ~ 舞台 フェイクスピア ~

こつこつと時間を見てはラジオに投稿をしています。

しかし、最近は不調で3月以降読まれない不遇な日々が続いていました。

内容が面白く無いだけだと思いますが・・・。

ところがいつもは用事があって投稿出来ない曜日の番組に送ってみたところ、スコーンと採用される嬉しいサプライズ発生!

気を良くしたところで、舞台「フェイクスピア」鑑賞へ出掛けました。


こちらはイープラスかぴあの案内メールを見て、野田秀樹さんの舞台は観たことが無かったし、白石加代子さんが出演!ということで抽選に応募しました。

きっと人気の舞台だし、主演が高橋一生さんだから倍率高そう・・と、くじ運が悪い自分は諦めムードでしたが、なんと第一希望に当選♪

足取りも軽く東京芸術劇場へ向かいました。

人気の舞台だけに会場も満席。もちろん皆さんエチケットもしっかりしているので、マスクや手指の消毒、大きな声で場内で話すなどはしていません。

自分もしばし本を読んで、そして目を休めて上演を待ちます。


幕は最初から下りても張られてもおらず、場内が暗くなって照明が舞台を照らすと、高橋一生さんと演者の方がいつの間に舞台中央に出現。

1階の前から13列目の端っこでしたが、はっきり顔が見える距離。

しばし高橋さんのひとり語りがあり、橋爪功さんがやってきて、待望の白石さん。白石さんの現実と芝居とが混ざり合ったような語りが始まると、その雰囲気に場内は一気に掴まれて、笑いが起こります。

そこからはセリフの妙と登場人物の年齢や人格の入れ替わりが激しくなり、何とか相関図を頭に描きながらついて行きます。ほんとに「ついて行く」のに必死。

前田敦子さんの意外なドスの利いた口調に驚いたり、川平慈英さんと伊原剛志さんのお茶目な二人組に笑わされたり。

時間軸や場所の設定もなかなかややこしく、これにも頑張ってついて行きます。

野田さんの演技を初めて観ましたが、エネルギッシュで素っ頓狂な役柄に驚きつつも笑ってしまいます。軽快?な攻撃的セリフと動きが・・・!


ここから、ちょっとネタバレ風になるので、これから観劇予定の方は後日お読み頂けたら嬉しいです。


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話が佳境に入って行くと、それまで笑って見ていた雰囲気が一変。

今まで繋がっていないようで、分かりにくかった部分が、どんどん繋がって行きます。セリフも「あのセリフ、そうなのか!」と、気付いたり。

そして自分が子供の頃にあった、あの出来事へ突入していくと、かなり息苦しい気持ちになりました。

その昔、聞く気が無かったけど、いつぞや聞いてしまった「ある会話」。

それは音声だけでしたが、今、目の前で繰り広げられています。

隣の席や、ちょっと離れたところから嗚咽が漏れ始めます。

隣の席の女性は20代と思われたので、「あの出来事」をニュースでガッチリ目にする機会は検索でもしない限り見ることは無いと思うのですが、目の前の圧倒的なリアリティに感情が高ぶっていたんじゃないかと。

自分は泣きはしませんでしたが、「あの出来事」のニュースや画像、当事者の方のニュースにより報道されていた「思い」が頭を掠めて、ただただ釘付けでした。


いまのコロナやオリンピックのこと、様々な見えているようで、見えていない問題、雑音にしか聞こえないようで実際に起こっている出来事を具現化した舞台なのかぁと思いました。考えすぎかな。。


最後の最後には観ていた人たちのそれぞれに思う「救い」があったような気がします。

ベタもベタですが、日々、大切なことを大切にして、それをベタにでも伝えておかないと、どうでも良いことと同じになってしまうんだなぁっと。

とにかくセリフが機関銃で、ひとつの言葉に別の意味があったり、別々の言葉が実は繋がっていて、とても大切な言葉だったりと、1回ではとても「本当のところ」がわからないであろう舞台でした。

出来たらもう1回、いや複数回見て、セリフの一つ一つをじっくり感じたい。

野田さんの舞台、また機会があったら足を運びたいです!


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