見出し画像

シングルタンギングが速くできるからダブル、トリプルは必要ない、は間違いです!(ツキイチレッスンでできること8)

毎月複数回開催しているツキイチレッスン。音楽のレッスンの多くは、教室などに入会し、継続してレッスンを受講するため、生活の中に新たにスケジュールを組み込む必要が出てきます。もちろんその時間があることで生活に潤いを与えるのであればベストですが、仕事や学校、家庭のことと両立させるのが物理的に困難になることも少なくありません。そうなると音楽や練習することが途端にストレスになってしまい、本来楽しむためのものが苦痛になる可能性もあります。

それなら単発でも参加でき、意志さえあれば自分のペースで継続もできるレッスンがあれば良いのでは?と考えて作ったのが単発参加型のツキイチレッスンです。

単発レッスンであればスケジュール的には気軽に参加できると思いますが、1回のレッスンで何を見てもらえばいいの?という疑問が湧いてくる方も多いと思います。
そこで、数回に分けてこのブログで、どんなレッスンがオススメか書き出してみようと思います。「そういう内容だったら受けてみたい!」と思ってもらえたら嬉しいです。
なお、以下のリンクから開催日や詳細をご覧いただけます。

それでは、今回はこんな提案をしてみたいと思います。


タンギングについて学ぶ

僕は中学1年生の時に初めてトランペットを手にした際、先輩から「タンギングは前歯の裏に舌を突く」と教わって、その呪縛が音大生だった頃まで続いていました。自分で治せればよかったのですが、今でこそこんなブログを書きまくってますが当時は奏法などに関してまったくの無知で、根性練習しかできない人間でした(その反動で今があります)。

タンギングというのは僕の持論(言い方)で、「破裂音を生み出すために舌で空気の流れを止める行為」と考えていて、レッスンでもその話をしています。タンギングの話をする時、多くの人は考え方の主語を「舌の開放」にしているように感じますが、それでは演奏するにはタイミング的に遅くて、その一歩手前である舌をクローズする動作がタンギングの質に関わると考えています。
詳しくはぜひツキイチレッスンにいらしてください!

ダブル、トリプルタンギングはスタイル

さて本題。金管楽器界隈でこんなお話を耳にすることがあります。

「自分はシングルタンギングがめっちゃ速くできるからダブルとかトリプルタンギングは使わなくても大丈夫」

シングルタンギングがめっちゃ速くできるのは素晴らしい技術なので、それはどんどん有効利用していただきたいのですが、ダブルタンギングとトリプルタンギングは「シングルタンギングが遅い人が頼るテクニック」ではありません。これらは1つの「スタイル」としてトランペットにとって重要な存在なのです。

アーバンの一番最後のページ

みなさんは「アーバン金管教則本」はお持ちでしょうか。
持っている方は一番最後のカテゴリーを見ていただきたのですが、そこに「トランペットタンギング」といういくつかの小さな曲が掲載されています。
アーバン金管教則本は、元々コルネットのために書かれた本で、当時のピストンやロータリーと言ったバルブがまだ付いていなかったナチュラルトランペットにはできなかった、全ての音階や半音階が自在に演奏できる新しい「コルネット」という楽器を普及するため、そしてコルネット奏者の技術を高めるために書かれたタンギングに特化した教則本です。

アーバン金管教則本の最後のほうにはトリプルタンギングとダブルタンギング、アーテキュレーションを組み込まれたそれらの応用の曲が掲載されていますが、その次に付録的に掲載されているのが「トランペットタンギング」です。
コルネットが誕生する以前からトランペットに求められてきたシグナル的リズムパターンの練習です。
トランペットを演奏していると、オーケストラでも吹奏楽でも、いわゆる「トランペットらしいシグナル(パターン)」を求められることがとても多いです。例えば、ファンファーレ的なメロディとか、マーチのメロディのつなぎや伴奏リズムを指しています。

こうしたシグナルは、もともと軍隊ラッパ(ビューグル)のリズムから生まれました。いくつかのメロディを使い分け、戦闘時の合図や起床、食事などをビューグルによる演奏で指示していたようです。
このタイプのリズムを演奏する際はダブルやトリプルのタンギングによって演奏したほうが「それらしく」聴こえます。いわば「スタイル」です。

もちろん、指揮者やトランペットパートのメンバー、金管セクション内での考え方や作品の研究によってもそれらの演奏をどのようにするかは異なるわけですが、それがどうであれ、確実に言えることはダブルやトリプルタンギングは習得し、常に使えるように準備しておく必要がある、ということです。

これらのタンギング技術にも当然原理や効率的な練習方法があります。「TKTK(tukutuku)」「TTKTTK(tutukututku)」の表記で掲載している教則本が多いため、体(舌)の使い方を勘違いされやすいこれらのテクニック。正しい解釈による練習方法を学ぶならレッスンを受けるのが最も近道です。

ということで、ツキイチレッスンのお話しですが、ツキイチレッスンは単発参加型の内容自由な対面レッスンです。今回のトリプル、ダブルタンギングを正しく習得したり、すでにできる方は、よりクオリティ高い演奏をするための原理、応用を学ぶこともできます。

単発なので入会金や月謝などはなく、レッスン料だけでOKです。理論と音楽の両面からバランス良いレッスンをぜひ一度体験してください。

こちらのリンク先から開催日の確認とお申し込みができます。1ヶ月に複数回、土日祝の中で行っております(会場は池袋です)。皆様の上達のお手伝いをさせていただきます。

ご参加、お待ちしております!


荻原明(おぎわらあきら)

荻原明(おぎわらあきら)です。記事をご覧いただきありがとうございます。 いただいたサポートは、音楽活動の資金に充てさせていただきます。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。