鳥里らも

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鳥里らも

漫画とか小説を書いてます! 漫画はTwitterやジャンプルーキーから読んでね! https://rookie.shonenjump.com/users/6871307331125474675

マガジン

  • 小説「月の男」

    10年以上前(!)に「ジャンプ小説新人賞」で最終候補に残った作品です。 全12話、約85000字です

最近の記事

「漫画家のツドイ」に行ってきたレポ(「#わたしのマンガを見て」応募作)

調子に乗って #わたしのマンガを見て にもう一作投稿したいと思います。 ジャンプ+主催の「漫画家のツドイ」という漫画家志望者向けのイベントに行ってきたレポ漫画です。 (集英社以外も参加してるコンテストなのにこれを出すのか!?) 応募ジャンルにエッセイがあるので、せっかくなので応募してみます。 ちなみに下手すぎてネームにしか見えませんが、完成原稿です! サインペン&筆ペンでほぼ一発描きしたものをスキャンして載せているので、見づらさしかないと思います!すみません! ここまで読

    • 漫画ネーム「20年後の魔法少女」(「#わたしのマンガを見て」応募作)

      #わたしのマンガを見て のコンテスト応募用のネームです。 タイトルは「20年後の魔法少女」 作画に集英社の「World Maker」というアプリを使っています。 ここまで読んでいただいた方、ありがとうございました! ちなみにこの作品、ジャンプ+のコンテストで過去に落選したもので、さらにジャンプ+の編集部に持ち込みしたこともあります。 今回のコンテストでは少女漫画の編集部さんも参加されるとのことだったので、女性向けとしてどう評価されるのかが知りたくて応募してみました。 とい

      • ジャンプ+の漫画家志望者向けイベント「漫画家のツドイ」に行った話

        久々の更新です! noteには基本的に小説を載せてましたが、漫画も細々と描いています。 そして先日、「漫画家のツドイ」という、ジャンプ+編集部が主催する漫画家志望者向けイベントに参加してきたので、レポ漫画を描きました! 持ち込みもしています。 ↑レポ漫画は「ジャンプルーキー!」に載せてるので、ぜひぜひご覧ください! (よかったら最後に「いいジャン」してね!)

        • 【あらすじ】evergreen(ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品)

          ジャンププラス原作大賞・連載部門への応募記事です。 【タイトル】 evergreen 【あらすじ】 アヴァニ国の近衛兵・リドが連れてこられたのは、巨大な木々で覆い隠された隠れ里『常磐の郭(ときわのくるわ)』だった。リドはそこで、緑の髪に緑の瞳を持つ少女・サーラと出会う。彼女はこの世に7人いると言われている人ならざる存在・『彩神』の一人で、植物を操る不思議な力を持っていた。隠れ里に幽閉される日々を過ごすサーラと心を通わせるリド。しかしある時、『黄の彩神』ソレイユが隠れ里を襲

        「漫画家のツドイ」に行ってきたレポ(「#わたしのマンガを見て」応募作)

        • 漫画ネーム「20年後の魔法少女」(「#わたしのマンガを見て」応募作)

        • ジャンプ+の漫画家志望者向けイベント「漫画家のツドイ」に行った話

        • 【あらすじ】evergreen(ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品)

        マガジン

        • 小説「月の男」
          12本

        記事

          evergreen 第3話(ジャンププラス原作大賞/連載部門応募作品)

          リドとサーラは追っ手から逃れようとひたすら駆け続けた。しかし長距離走などこれまでしたこともないサーラへの負担は大きく、みるみるうちにペースが落ちていった。 「ハァッ、ハァッ…。」 二人は立ち止まり、少しの間だけ休憩することにした。 「……あれ? お前……!!」 サーラを改めて見たリドは驚いた。炭になったはずの右腕が元通りになっていたのだ。 「その右腕…!! あのとき燃えたはずじゃ…!!」 「あぁ、これ…? また生やしたの。」 サーラは右手を握ったり開いたりしてみせる。 「生や

          evergreen 第3話(ジャンププラス原作大賞/連載部門応募作品)

          evergreen 第2話(ジャンププラス原作大賞/連載部門応募作品)

          運命は一瞬ですべてを変えてしまうーーー。 そのとき、サーラ達はちょうど城の庭園でピクニックをしているところだった。もちろんリドも呼ばれている。リドは自分がここにいるのは場違いじゃないかと思いつつ、サンドイッチを頬張りながらサーラと侍女達が楽しく笑いさざめく様子を眺めていた。 ふいに、サーラがゾクッと身震いをした。その顔はどんどん青くなっていく。 「サーラ様……?」 「あ……あぁ……」 動揺する侍女達に囲まれたサーラは、うずくまるような体勢になった。 「なにか……なにかが、起

          evergreen 第2話(ジャンププラス原作大賞/連載部門応募作品)

          evergreen 第1話(ジャンププラス原作大賞/連載部門応募作品)

          彩のない人生だった。 灰色に塗りつぶされたような日々を、ただひたすらに生きているだけだった。 あの『庭園』に足を踏み入れるまではーーー。 目隠しをされた男が、神々しい森の中を導かれながら歩いている。無精髭を蓄え、青年期を過ぎつつあるその男は、視界を塞がれているにも関わらず、大胆に歩を進めていた。彼を先導するのは別の男で、兵士の装いをしている。森は静寂に包まれており、彼らの足音だけがその場に響いていた。 やがて彼らは巨大な木のうろに入っていった。トンネルのような空間を抜けると

          evergreen 第1話(ジャンププラス原作大賞/連載部門応募作品)

          【あらすじ】月の男(ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品)

          ジャンププラス原作大賞・連載部門への応募記事です。 【タイトル】 月の男 【あらすじ】 つばめは、なぎなたの部活動に励んでいる女生徒。ある日、彼女の父が不気味な絵画を購入したのをきっかけに、つばめは夢の中で、絵画の世界に入り込んでしまう。そこは銃を手にした黒づくめの『月の男』が住む、白い砂と真っ黒な闇に覆われた世界だった。『月の男』はつばめ達の世界にも姿を現し、騒ぎを起こすようになるが、その姿はつばめ以外には見えていない――。困惑するつばめに、『月の男』は勝負を持ち掛ける

          【あらすじ】月の男(ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品)

          月の男 第3話(ジャンププラス原作大賞/連載部門応募作品)

          翌朝、私はあくびをしながら学校へとゆるやかな坂を下って行った。『月の男』のせいで眠った気がしなかったが、休んでいる余裕はない。今日から期末試験が始まるのだ。 教室に入ると、みんな一見いつもと同じように思えるけれども、どこかそわそわとした空気が漂っていた。友達とキャッキャッと笑いながら、試験に出る用語を当てっこしている者、完全に諦めて余裕をぶっこいている者、焦っているように見せかけて、頭の中に万全の状態で知識が待機している者。それぞれが試験前独特の雰囲気を作るのに一役買っていた

          月の男 第3話(ジャンププラス原作大賞/連載部門応募作品)

          月の男 第2話(ジャンププラス原作大賞/連載部門応募作品)

          「あっちゃん、大丈夫? 災難だったね…。」 私たちは武道場を出て、水飲み場で篤子の肩を冷やしてあげていた。 「あーもう、ほんと災難だ。天災天災。」 幸い、篤子の打撲は軽傷だったようで、この前の私のように患部が腫れたりはしていなかった。篤子は丈夫だからなぁ、と他の部員たちが笑っていた。 「天災…? あれが…?」 私は思わず口を開いた。 「え…?」 ユキが微かに首をかしげる。 「あれは天災じゃない。二人ともあの男を見なかったの? あの真っ黒な『月の男』を!」 「男……?」 二人は

          月の男 第2話(ジャンププラス原作大賞/連載部門応募作品)

          月の男 第1話(ジャンププラス原作大賞/連載部門応募作品)

          白い。どこまでも白い世界。 あたり一面白い砂で、私はその中に埋もれていく。 まるで砂時計の中に閉じ込められたかのように、静かに砂は流れ込んできて、私はそれに埋まっていくのに、ただ何もせずにそこにいる。 このままだといつか完全に埋まって、窒息するのはわかっているけど、根拠もないのに頭の中のどこかで、そのうちきっと抜け出せるだろう、という思いを漠然と抱いている。 こんなお話どこかで読んだっけ? 砂に埋もれていく人のお話――― 「――つばめ⁉」 「え?」 はっ、と我に返った。今、

          月の男 第1話(ジャンププラス原作大賞/連載部門応募作品)

          【完全版】月の男 第12話(最終話)

            さらっ。  体を起こそうとかすかに腕を動かすと、その下に敷き詰められていた白い砂が袂に払われて、優しくこすれる音がした。  ゆっくりと凝り固まった体を起こし、白い砂の上に座ると、そこにはどこか懐かしいけれど、初めて見る光景が広がっていた。いつも見る「月の世界」に似ているけれど違う。自分の横たわっている場所は、何もない広場のようになっていた。そして、その広場の四方を、高く高く生い茂る、様々な種類の木々が取り囲んでいる。それらの木々は、幹も葉っぱもすべて、真っ白だった。真っ白

          【完全版】月の男 第12話(最終話)

          【完全版】月の男 第11話

           控室のあたりには、もう選手たちの姿はほとんどなかった。みんな、開会式のために試合場に行ってしまったのだろう。この大会では、狭いながらも、各校の代表選手ひとりひとりに控室が与えられる。桂野学園。控室はどこだろう。お父さんが理事長だから、おそらく他校よりも少し良い部屋を与えられているはずだ―― 「きゃあああ!」  甲高いかすかな叫び声に、私は思わず足を止めた。どうやら声は、斜め前の控室から聞こえてきたらしい。どこかで聞いたことのある声。控室のプレートを見ると、そこには「桂野学園

          【完全版】月の男 第11話

          【完全版】月の男 第10話

           会場に着くと、出場選手や各校の応援の選手たちが、すでに集まり始めていた。私はひとまず売店で水を買い、ごくごくと飲み干して息を整える。朝食も何も食べていないが、そんなこと言ってはいられない。  あいつが、この会場のどこかにいるはずだ。脅迫状を書いた『月の男』を名乗る者が。 「つばめ様⁉」  素っ頓狂な声がし、何者かがこちらへ駆け寄ってくる。一瞬身構えたが、よく見ると、父親から警備員として雇われている大治郎だった。彼は桂野学園や自宅の屋敷など、その日ごとに指示された配属先で、警

          【完全版】月の男 第10話

          【完全版】月の男 第9話

           目が覚めるともう朝だった。私は半日近く眠っていたらしい。朝食を食べに食堂へ降りると、すぐに松子が近寄ってきて、私の体調を気遣った。私が笑顔でお礼を言うと、松子も幾何か安心したようだった。母親はまた例によって、「夕食も食べないで」だのなんだの言っていた。私は反論しようとしたが、今はとにかく食べることに集中しようと思った。  自分でも驚くほどに食欲があった。ふと、家庭科の先生が、「意欲と食欲は比例する」なんて言っていたことを思い出した。 「つばめちゃん。」 学園へ着くと、廊下

          【完全版】月の男 第9話

          【完全版】月の男 第8話

          みんなはまだ武道場にいるようで、更衣室に戻ってきている部員はいなかった。もしかすると、みんな私に気を使って、一人にしてくれているのかもしれない。そう思うと、ことさらやるせない気持ちになった。更衣室で少し冷静になり、徹夫に悪いことをしたかな、と考えながら外へ出ると、当の徹夫は更衣室の外で、じっと待っていた。 「……なに。覗きなの。京子ならいないわよ。」 「違うよ。」  私の嫌味なのか、苦し紛れの冗談なのかわからない発言をあっさりと流し、徹夫は歩き始めた。 「家まで送るよ。」  

          【完全版】月の男 第8話