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インバウンド最前線の現場から

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日本のことを海外に伝えるお仕事をしているわたしたちは、現役の通訳ガイドです。 インバウンドの現場の最前線で、誰よりも外国人の近くにいるわたしたち。 現場で実践してきたこと、見た…
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#インバウンド対策

インバウンド富裕層の食事について思うこと

インバウンド富裕層の食事について思うこと

コロナ前と同様、インバウンドのお客様は日本での食事を楽しんでいる。先日ガイドとして同行したタイ人富裕層のお客様は、

「美味しい和牛はバンコクでも食べられるけれど、美味しい牛タンは日本に来ないと食べられないんだ!」

と、牛タン愛を熱く語って下さり、新宿でのショッピングの合間、デパートにある牛タン専門店で厚切りの牛タン焼とビールを堪能された。そんな様子に刺激を受けた私は、久しぶりに牛タンが食べたく

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サワッディーカは「触っていいか?」

サワッディーカは「触っていいか?」

2022年10月11日から水際対策が更に緩和され、外国人の自由な訪日個人旅行が認められ、短期滞在のビザが免除されることになりました。日本好きのタイ人もこの朗報に沸き立っています。

訪日タイ人観光客の約7割は個人旅行者。これからの紅葉、雪のシーズン、日本各地にタイ人の姿が戻ることを期待したいです。

これまで多くのタイ人のお客様を受けて入れてこられた方々も、また、今後もっとタイ人に来て欲しいという

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10月から個人旅行客の入国を解禁

10月から個人旅行客の入国を解禁

「現在1日あたり5万人としている入国者数の上限を来月10月11日から撤廃し、個人旅行客の入国を解禁する」と、岸田首相が昨日表明しました。これにより水際対策が感染拡大前に近づき、インバウンドの中心である個人旅行者の増加が期待されます。

現状日本政府観光局によりますと、先月の8月、中国からの入国者は12300人、台湾からは5000人、香港からは1300人、シンガポールからは1800人でした。その内訳

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インバウンド訪日外国人が気になっていること。

インバウンド訪日外国人が気になっていること。

ちょうど3ヶ月前の梅雨時に、関西空港でお客様を待っていました。着陸から1時間ほどで、マスク姿でお出ましになったお客様。到着階で待つ私を見つけて、手を上げての合図にはお辞儀でご挨拶。長旅の緊張感から解き放たれたようで、お客様の笑顔があふれていました。

水際対策緩和を受けて、本当にありがたいことに、お客様をお迎えする機会をいただきました。空港でお客様と無事に合流、その後ホテルに向かう車中では、必ずお

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お客様に教えていただいたこと

お客様に教えていただいたこと

「赤坂見附にお気に入りのワインショップがある。名前は知らないけれど。」

コロナ前は毎シーズン日本を旅行されていたというタイ人のお客様。久しぶりの日本に到着後、東京都内に向かう車内で、今回の訪日「最大の目的」ショッピングについて、そんな風に切り出された。

お客様の記憶と照らし合わせて判明したのが、日本有数の品揃えを誇る創業1624年の老舗酒店だった。土地柄、専ら飲食関係の方による利用が多く、知る

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9月7日から入国5万人へ

9月7日から入国5万人へ

新型コロナウイルスの水際対策が緩和され、9月7日から1日当たりの入国者数の上限が5万人に引き上げられることになりました。インバウンドの回復を期待する関係者にとって、嬉しいニュースです。

中国では2020年1月末、出入国者は健康申告カードの記入で健康状態の申告を行うという制度が始まりました。PCR検査情報、新型コロナの感染歴、ワクチン接種日などの申告も求めてられていました。
しかし、2022年8月

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インバウンド再開の不安とシュッシュの話

インバウンド再開の不安とシュッシュの話

コロナ禍で迎える3度目の夏、行動制限のない初めての夏休みは、残すところあとわずか。歴史のある花火大会や夏祭りが開催されて、久しぶりに観光客でにぎわった地域もありました。

インバウンド関連では、6月10日の水際対策緩和から2ヶ月が過ぎ、あちこちで外国人観光客の姿をちらほら見かけるようになってきました。ようやく、コロナ前の日常に戻りつつあるようで、明るい兆しを感じています。

ゆっくりではありますが

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戻ってきた訪日タイ人観光客

戻ってきた訪日タイ人観光客

7月某日、成田空港第2ターミナル。
添乗員付きパッケージツアーに限定した外国人観光客の受入が再開されて1か月。いまだ、コロナ前の到着便ラッシュ時とは比べものにならないほど隙間の多い到着ロビーで、ミートボードを掲げて待っていると、日本人に交じり、マスクをした外国人の姿を目にする。飛行機の到着から約1時間弱。水際対策の緩和後、お客様とのミートは、こちらが拍子抜けするくらいスムーズだ。

約2年、こうし

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中国、2022年ゴールデンウイークの旅行動向

日本ではコロナ下で迎える3回目のゴールデンウィークでした。過去2年と違い、「緊急事態宣言」や「まん延防止措置」が出されず、各地で賑わいが見られました。
中国では、上海は今なおロックダウンで、北京では地下鉄や市バスが停まっているところもあります。

しかしながら中国のCtrip(オンライン旅行会社)がまとめたレポートによりますと、全体的に見ると、今年の連休期間に旅行に行った人は、2020年、2021

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知らなきゃ損!サステナブルツーリズムとSDGsが満載の日本版ガイドライン

知らなきゃ損!サステナブルツーリズムとSDGsが満載の日本版ガイドライン

最近メディアでよく見かける言葉のひとつが、サステナブルツーリズム。一体何をどこから始めればいいのかと悩んでいませんか?

サステナブルツーリズム、この言葉を直訳すれば「持続可能な観光」。
あまりにも抽象的な言葉なので、できれば敬遠したくなりますよね。

そして持続可能と言えば、頻繁に目にするこちらの言葉。

SDGs (持続可能な開発目標)町のいたるところで見かけるポスター、久しぶりに乗った電車の

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タイの当たり前が、日本の当たり前ではない。そこから起きる小さなトラブル。

タイの当たり前が、日本の当たり前ではない。そこから起きる小さなトラブル。

「郷に入っては郷に従え」

よその土地へ行ったらならば、その地の風習を尊重し従うのがよい。これはもちろん日本に限った考え方ではなく、英語には ’’When in Rome, do as the Romans do.’’ そしてタイ語にも ’’เข้าเมืองตาหลิ่ว ต้องหลิ่วตาตาม’’(意味: よその国では片目をつぶって見えないふりし、その場所のやり方に従うべきだ) という諺

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お客さまに突然異変!

お客さまに突然異変!

食事は旅の大きな楽しみの一つです。せっかく出てきたご馳走をアレルギーや宗教上の理由で食べられないのは本当に残念なので、事前にできるだけお尋ねするようにしています。今回は「お客さま」に突然異変が!人命にかかわる一大事!の事例を紹介します。

今から8年ほど前のことです。
台湾の経済新聞の記者5名のグループにアテンドしました。
ある有名な家電メーカーの大阪本社で今後の経営方針などを聞いた後、車で移動し

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インバウンド受入再開までのカウントダウン〜現場感覚を取り戻す研修のススメ〜

インバウンド受入再開までのカウントダウン〜現場感覚を取り戻す研修のススメ〜

これまでオンラインで対応してきたインバウンド研修は、少しづつ会場開催に切り替わってきました。最近では人材育成の支援などで、研修カリキュラムや講義内容を共同設計したり、それぞれの地域に合わせた研修のリクエストをいただくことが多いです。

インバウンド関係者からは、来年春のツアー予約が入ってきているとの情報がちらほら聞かれます。再開までのカウントダウンは、気づかないうちに始まっているようです。

久し

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タイ・バンコクなど、11月1日から外国人観光客の受け入れ本格再開。

タイ・バンコクなど、11月1日から外国人観光客の受け入れ本格再開。

「日本はいつから外国人観光客を受け入れるの?」

このところ、タイ人の友人からそんなストレートな質問を受けることが増えてきました。日本国内におけるコロナ感染者数の収まりや、ワクチンの接種状況はタイにも伝わっていて、今か今かとこちらの様子をうかがっているようです。

そのタイでは、一足先に今年7月1日から「プーケット・サンドボックス」プロジェクトにより、プーケット県で外国人観光客の受け入れを再開。さ

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