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投機の流儀 セレクション

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メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、…
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#株

【投機の流儀 セレクション】あの頃の日本人は傲慢だった。成功すると、歯止めが利かなくなる島国だ

日本は80年代、一旦は経済の最盛期を迎えた。これがオーバーシュートして、平成バブル時代となった。しかし、今考えてみるとあの頃の日本人は傲慢だった。成功すると歯止めが利かなくなるのも、島国の一つの特色なのかもしれない。 筆者は、基本的にはソニーの盛田昭夫氏と作家で政治家の石原慎太郎氏にはそれなりの敬意を払ってはいるが、この二人が「日本の過信」と「成功すると歯止めが利かなくなる日本の悪癖」を象徴するのは1989年(日経平均が史上最高値を付けた年で、それを超えるのに35年かかった

【投機の流儀 セレクション】都知事選に思う、民主主義の限界

東京都知事選が20日に告示を迎えて、7月7日の投開票となる。金融市場に関係ないことではない。日本の首都東京の1000万人を超す票田のレベルが大いに疑われる。今まで都知事選を制してきたのはメディアを通じて、全国的に著名だった人ということになる。したがって、政策能力やその実行力やリーダーシップは全く無視されて、メディアを通じて顔と名前を認識された者が勝つ。世界的な大都市東京がそういうことで都知事を決めるという情けないことになっているので、選ばれる者も歴代ロクな者はいなかった。

【投機の流儀 セレクション】史上高値更新は通過点に過ぎない。「34年2か月を要した壮大なダブルボトム」を脱したが、どんな長期大相場でも必ず中間反落はある。乗り遅れた筋は、そこを買おう。

週末の22日(木)は4営業日ぶりに大幅反発し、837円幅を上げて、史上最高値を34年2ヶ月ぶりに更新した。 さしたることではない。メディアが大騒ぎしているだけに過ぎない。変化は昨年から始まっている。 34年2ヶ月を費やして 1.2003年の7600円(不良債権山積みという、国内要因による日本経済の大底)を一番底とした。 2.小泉郵政改革相場で、日経平均は約2倍半になった中間反騰を経た。 3.アメリカ発の海外要因によるリーマンショックで、2009年に7000円まで下がり、

【投機の流儀 セレクション】株がヒトを変える

新NISAが1月から始まった。 1.1800万円の生涯投資枠ができた。 2.非課税期間が無期限になった。 失礼な憶測ながら、投資初心者の多くは、目的やライフプランに即した資産運用ができていない人が多いと思う。本稿の読者の皆様はお子様に基本的な方針を教えておくべきであろう。もちろん、そうしておられる方が多いだろう。 「例えば、毎月3万円積み立て、運用利回りを年5%とすれば、20年後には1190万円となる。40年後には4350万円となる」(日経ヴェリタス紙1月7日号)。 人生

【投機の流儀 セレクション】「地殻変動」の芽吹きか?─預金に安住してきた日本の個人マネーが、投資に目覚め始めた。物価上昇は投資利回りの追求を促す。バブル経済崩壊後の低迷相場を知らない若い世代の投資家も増えてきた

標題として掲載したこの文言は、日経新聞紙12月18日号の13面「個人投資家に芽吹く『順張り投資』」の記事の書き出しの文言である。副題が「世代交代で変わる意識」とある。 筆者が常々言ってきたところの「個人金融資産の地殻変動」の兆候かもしれない。なにしろ、日本は2100兆円の個人金融資産を持っている類まれな国である。しかも、先進国でただ一国だけだというのは、そのうちの1100兆円が現預金であって、その現預金のうちの証券類に向いているのはわずか14〜15%である。アメリカは50%

【投機の流儀 セレクション】「解散風、のち不発」の迷走

この迷走は6月と今回で二度目だ。「解散できない首相」と言われるようになった。衆議院の解散権は首相の伝家の宝刀である。 伝家の宝刀の使い方は以下のような例がある。 7年8ヶ月の長期在任した佐藤栄作元首相だが、その間に「第二の昭和恐慌」と言われた「昭和40年不況」を戦後初の赤字財政で乗り切り、戦後最長の「いざなぎ景気」を作出した。その後、彼はこういった。これは政界の常套語になったような気がする。「首相の権力は内閣改造をやるほど下がり、衆議院解散をやるほど上がる」というのである。

【投機の流儀 セレクション】国際比較の上で割安でも買われない日本株

東証一部上場の約半数の企業は1株当たり純資産よりも株価が低い。つまり解散価値よりも株価が低いということだ。1株当たり純利益から言えばPERは14倍弱で、これもNYの23倍に比べれば格段に低い。こういう先進国から見て「割安」と言われる水準にもかからず、外国人投資家の日本株への期待感は高まる兆しがない。英国の投資銀行(日本で言えば証券会社)は「企業は債務を増やしてでも成長への投資を優先すべきだ」と言っているという(日本経済新聞2月3日)。ところが、日本企業は利益剰余金を内部に貯め

【投機の流儀 セレクション】昨年度安値を更新。しかし、3,000円幅の第3波に過ぎない

昨年の1年間は2万7,000円と3万700円の間のサンドウィッチ相場(レンジ相場)だったが、その安値を木曜日は下回った。しかし、これでリズムが崩れたわけはないと思う。 昨年9月14日、3万795円→11月6日2万7,293円 ▼3,502円 11月16日2万9,965円→12月3日2万7,588円   ▼約2万4,000円 ➂1月5日2万9,388円→1月27日2万6,044円→   ▼3,344円 約3,000円幅の第3波が先週現れたに過ぎない。 これが一旦終わった途端に

【投機の流儀 セレクション】官製過剰流動性はいつ終わるか?

自分が買っていれば自分よりも高値で誰かが買ってくれるという期待がなければ株は上がらない。その期待が合理的に連鎖を生んだ状態がバブルと呼ばれる。合理的連鎖を生み、遂には正常な判断を失う陶酔的熱病状態がバブルと呼ばれる。その誰かが買ってくれるという「誰か」は日銀であり「FRB」だった。 これが筆者が昨年酷評した「国家ぐるみの株価操縦」と言われるものである。この「官製ハシゴ」がはずされ期待の連鎖が途切れれば過剰流動性相場は終わるとしなければならない。日本も米国も中央銀行の資産購入は

【投機の流儀 セレクション】日経平均4万への道のり

楽天証券チーフ・ストラテジストの言い分であるが一理あるので私見を交えずに要約する。 次の三つのうちのどれか一つだけが実現すれば日経平均が4万円に到達する。 (1)PER評価が今の15倍から21倍になること。 今の15倍の東証一部PERが21倍に上昇すれば40%高となる。日経平均は4万円になる。PER21倍というのはアベノミクス時代にも現にあったし、アベノミクス相場の最中にもそれを超えたことあったし、現在の米国S&P500の評価はPER22倍である。異常事態ではあったが平成バブ

【投機の流儀 セレクション】今年は、年足で陰線か否かは分からないにしても波乱含みであることは間違いあるまい

今まで3年連続して大発会は前日に比べて安かったが今年は大幅高で始まった。これは、一つは前日のNY株が高かったこと、もう一つは年末はVIX指数が16ポイントまで落ちた、こういう時は機関投資家が株式会社組み入れのウェイトを高めるという動きなのかもしれない。いずれにしても4年ぶりに大発会が高かった年である。 思えば、18年にも大発会は大幅高だった、ところが、その年の10月2日にアベノミクス相場の老年期大天井をつけて年足では陰線になった。歴史は繰り返すというが、そのまま同じには繰り返

【投機の流儀 セレクション】逆張り中心の個人投資家の流儀が成功してきた

次の内容は日経ヴェリタス紙12月26日号の巻頭特集4ページの要約である。私見を交えずに要約する。 リーマンショック以降、昨年末まで一日に日経平均が5%以上下がったときが23回ある。その日の終わり値で買った場合に1年度の運用成績はどうかという集計である。一日に5%以上下がったことは23回あって、その日の終わり値で買って1年後の成績はプラスだった場合が23回中の22回。その中の最高は20年3月の買いで1年後の成果はプラス70.8%でこれが最高だった。本稿が「現金で保有して待とうと

【投機の流儀 セレクション】トルコリラ最安値続いて危機に見えるが実は……

【御礼とコメント】 お陰様で、拙稿メルマガが2021年「資産運用の部(株式)」で第1位を受賞しました。アンケートで決めるのだそうです。 多くの読者の皆様のお蔭さまでありました。ここに、改めてご報告いたし御礼申し上げます。 以下は、選者から依頼された「受賞のことば」です。 私とパートナー石原は、恐れるべきことは正しく恐れ、且つ正しく挑戦するという、正統派投資法を世間に広めたいと願うばかりです。 2月と9月の3万600円は、年内でもダブルトップですが、89年大納会の平成バブル大

【投機の流儀 セレクション】個人投資家群に変化の兆し?

シタタカな個人投資家は下がれば買う、上がれば売るという逆張り投資が得意であったが、この投資家に変化が生じつつあるという見方がある。「中長期目標の個人投資家が新型コロナ禍で増加し、株主還元や成長性を見極めながら個別株にも資金を投ずるようになっている」、要するに下がれば買い上がれば売るというやや短期的な売買を得意とする個人投資家たちの動向に変化があり、中長期目標で株主還元や成長株を買うように変化してきたというのだ。その元手は今まで絶好調だった米国株の利益で得た資金ではないかという