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投機の流儀 セレクション

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メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、…
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【投機の流儀 セレクション】自民新総裁に市場はどう反応するか?

過去最多となる9人の立候補、自民党の内部危機、混戦の様相、各候補による異なる経済政策、総裁の専権事項である伝家の宝刀たる解散権を総裁にもならないうちにちらつかせるバカ(進次郎)もいる。それをたしなめる石破氏もいる。 総裁選を経て、市場はどう変化するか? アベノミクスの再来を予言しているような総裁もいる。今、これらの9人を各自2〜3行ずつ要約してみる。無論、筆者の主観であるから、笑い捨てていただければ結構である。 1. 高市 早苗 金融・財政・政策にスタンスを置く

【投機の流儀 セレクション】「手本」にはならないだろうが「見本」にはなるだろう──失敗見本を含めて

私事にわたって恐縮だが、筆者の動きは「手本」にはならないだろうが「見本」にはなるだろうと思って書く。 筆者は寄り付きで日本製鉄(5401)を短期売買のつもりで買った。3003円で買えた。すぐに3105円で売り指値をしたが、買い値からは約80円戻ったけれども、当日は売れなかった。この3105円の売り指値は半年分の配当金+手数料の値段である。 一日で1年分の配当金を取れれば良しとする考えである。東電(9501)は買わなかった。石破さんが原子力発電をゼロにすると言っているし、そ

【投機の流儀 セレクション】中央銀行と市場との間合いの取り方は?

8月5日の暴落・6日の暴騰、これについて考えさせられたのが市場と日銀の関係である。日銀が悪かったわけではない。しかし、明らかにきっかけは暴落も暴騰も日銀がつくった。そのきっかけの虚を突いた短期トレーダー投機家が猛烈に動いたことによる。 中央銀行と市場との間合いの取り方はFRBとNY市場、日銀と日本株式市場、あるいは為替市場、これらの場合全て難しい。市場に対して中央銀行が好意的に過ぎれば、次の危機への歪みを生むリスクを蓄えていくことになる。したがって、常に市場を理解して、市場

【投機の流儀 セレクション】日銀は、利上げ・利下げの判断ミスを繰り返してきた歴史がある

FRBが利下げを反復して施行することが確実であり、時間の問題である。当然、米ドル高を招く。それに対して、日銀が利上げをすれば円高を招く。当然、大幅なドル安円高になるという経路をたどることになる。ところが、日銀は今まで時々、利上げの判断ミスを繰り返してきた。 まずは、1990年の三重野康の破壊的行為だ。次に2000年のITバブルの時の利上げで、半年後にはそれを訂正して利下げせざるを得なくなった。通常の引き締めは景気過熱やインフレ加熱の時に実施される。植田総裁は「追加利上げはあ

【投機の流儀 セレクション】日本市場を絶好の狩り場と見た、海外筋の動き

日本株式市場全体の「護送船団方式」が終わって、日本の株式市場はいよいよ外界の荒波にさらされる状態になった。日銀の株価下支え操作が終了し、企業間の株式持ち合いという互助システムが急スピードで解消に向かっている。 いよいよ、日本株式市場は護送船団でなくなって、海外の投機家から見れば絶好の狩り場となった。円安を味方にして日本株を買い攻勢に転じ、あるいは日経平均インデックスを売りまくり、夏休みで市場参加者が少ないこともあって、市場の変動性(ボラティリティ)を高くてして儲ける投機筋に

【投機の流儀 セレクション】8月に入ってからの1週目と2週目の「史上最大の下落幅」「史上最大の上昇幅」を示現した背景

ここが重要なところであると筆者は思うが、1.金融市場が破壊された訳ではなく、2.日本経済の実態の予測が崩壊したことでもない。 1番目は、90年〜03年にかけての不良債権不況や08年〜09年にかけてのサブプライムローンの破裂から端を発したリーマンショックはこの類に入る。 古い話しだが、97年の日本の金融危機(大証券が2社破綻・大都銀が1社破綻・中堅地銀が破綻等)や71年の8月に発生した「ニクソンショック」はこの典型であった。 「失われた13年(1990年〜2003年春)」の

【投機の流儀 セレクション】ジェットコースターのような日本株──「植田ショック」というのは適切でない。

5日(月)の日経平均が一日で4451円幅という歴代最大の下げを演じた。発射台が高いのだから下げ幅は大きいということは決まっているが、下落率もまた大きかった。7月11日の高値42000円を起点にすると、8月5日までに3週間で25%下げた。平成バブルの崩壊やITバブルの崩壊やリーマンショックの初速を超える下げだった。 ところが、6日(火)には一転して3217円という「歴代最大の上げ幅」を演じた。発射台が高いのだから、上げ幅も歴代最大となる。 このように、日本株がジェットコース

【投機の流儀 セレクション】大相場の終焉の大底にせよ、中間反落にせよ、底値の付け方には一定のパターンがある。AIがあろうが、なかろうが、人間の思考法に古今大きな変化はないからだろう

「動画」で底値の付け方についてのご質問があった。実際の実例をパネルで示して説明したが、ここでまとめておきたい。 人間の思考能力は2000年前からほとんど変わっていない。2000年前に1人のユダヤ人のことが「聖書」として世界のロングセラーとなり、2500年前の一中国人の日常の言動が「論語」としてロングセラーになっている。2500年前からヒトの思考法に大差はない。 ところで、大相場の終焉の大底、または中間反落の底値、いずれにも四つの型がある。この四つ以外にはない。頑固にこのよ

【投機の流儀 セレクション】円ドル相場について─「通貨マフィア」は大場元財務官・榊原英資元財務官・黒田元財務官・神田現財務官

彼らは1985年のプラザ合意以降、円ドル相場が250円から10年間で79円になり、その後148円まで大幅介入で持って行き、また民主党政権時代に75円になり、そこから安倍政権で125円まで、ほとんど介入なしで持って行った。ほとんど介入なしで、金利政策だけで持って行った。 この時に為替市場に介入して、株式市場では禁じられている相場操縦を「覆面介入」して遂行したのは80年代の竹下内閣の時に大場財務官、当時は「時の人」となった。 その後、派手な言動で「ミスター円」として有名になった

【投機の流儀 セレクション】どんな大相場でも、中間反落のない相場はない。この原則に例外はない──「大相場」は中間反落がなければ成立しない

この標題で「大相場」というのは、平均株価が最低2倍前後、概ねは2倍を超える2.5倍である。いざなぎ景気相場2.5倍、列島改造相場(過剰流性相場)2.5倍、平成バブル相場5倍、小泉郵政改革相場2.2倍、アベノミクス相場2.9倍等々である。 これらの全てに中間反落があった。「いざなぎ景気」の時の中間反落(半値を切った)は景気の先行きを示す反落だという弱気に対して、当時は権威のあった経企庁が「踊り場」「景気の陰り」という言葉を使い、これで成長相場は終わったわけではないことを示唆し

【投機の流儀 セレクション】「世界4位の移民大国、日本」としての実情と今後の在り方

生産年齢人口が日本は減り続けているが、働き手の数は全く減らなかったどころか、日本は過去最多の水準で推移している。労働移民の年間受け入れ数では、日本は世界第4位である。アメリカ・ドイツ・オーストラリアの次に続く。 そして、移民合計に対する一般滞在型移民の比率も日本はアメリカ・ドイツ・オーストラリアに次いで第4位である(国立・社会保障人口問題研究所の直近のデータによる)。永住型移民を見ると、先進国全体で毎年500万人新たに入国している。そのうち、日本が受け入れているのがかなり多い

【投機の流儀 セレクション】都知事戦について

のっけから非論理的で情緒的な言い回しになって恐縮だが、思ったところを率直に述べたい。 本稿の読者諸賢の中には無論都知事選に関与する方は多く、小池現都知事の支持者も多かろうから、そういう人々からの反感を買うことは承知しながら、考えたことはストレートに述べることを自分の棲み方としてきたので本稿はその線で行く。 小池都知事は人相が習近平に似て来ている。両者ともに不潔なことを為し続け、不正なことを続け、厚かましさにおいて天下一品であり、出自が両者ともにいかがわしい。 習近平は清華大

【投機の流儀 セレクション】「異常状態」から「正常状態」に戻った=メガトレンドの潮目が変わった

個人向け国債などという利回りの低いものを3年債が過去最高となって、10年債は12年ぶりの高水準となった。1万円単位の小口から買える個人向け国債の需要により、金利上昇が鮮明になった。7月発行の変動金利の10年債は12年ぶりの高水準となった。固定金利の3年債は過去最高水準となった。 ここで「金利なき世界」から正常な世界、つまり「金利ある世界」への意向をにらんで、需要が集まった。「異常状態」から「正常状態」に戻ったということだ。 【今週号の目次】 第1部;当面の市況 (1)バリ

【投機の流儀 セレクション】都知事選に思う、民主主義の限界

東京都知事選が20日に告示を迎えて、7月7日の投開票となる。金融市場に関係ないことではない。日本の首都東京の1000万人を超す票田のレベルが大いに疑われる。今まで都知事選を制してきたのはメディアを通じて、全国的に著名だった人ということになる。したがって、政策能力やその実行力やリーダーシップは全く無視されて、メディアを通じて顔と名前を認識された者が勝つ。世界的な大都市東京がそういうことで都知事を決めるという情けないことになっているので、選ばれる者も歴代ロクな者はいなかった。