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【投機の流儀 セレクション】国際比較の上で割安でも買われない日本株

東証一部上場の約半数の企業は1株当たり純資産よりも株価が低い。つまり解散価値よりも株価が低いということだ。1株当たり純利益から言えばPERは14倍弱で、これもNYの23倍に比べれば格段に低い。こういう先進国から見て「割安」と言われる水準にもかからず、外国人投資家の日本株への期待感は高まる兆しがない。英国の投資銀行(日本で言えば証券会社)は「企業は債務を増やしてでも成長への投資を優先すべきだ」と言っているという(日本経済新聞2月3日)。ところが、日本企業は利益剰余金を内部に貯めてしまっている。9年連続で480兆円に積みあがった。安倍政権発足時代は200兆円ぐらいだった。ここが先進国企業との価値観の違いである。90年代の貸し渋りによほど懲りたトラウマであろうか。日本企業は利益剰余金を社内に積み上げて、それを設備投資にも人件費アップにも使わない。こういう企業姿勢に対して海外投資家は日本の事業計画者は積極性に乏しいと見るのであろう。

【今週号の目次】
第1部 当面の市況
(1)米市況との当面の関係
(2)1月は2020年3月以来の1年10ヶ月ぶりの下げ幅だった
(3)「当面の陰の極」と「コツンと来た感じ」とは違う
(4)業績上振れ銘柄に買い
(5)コロナ禍のピークアウトは読めない
(6)先週半ばからグロース株に売り
(7)25日線との乖離率が大きいものから買われた
第2部 中長期の見方
(1)「株式市場に不吉な前兆 これは下落相場の始まりか」
(2)消費者心理を表す消費者態度指数は2ヶ月連続で悪化
(3)中長期の見方:中間選挙はバイデンの苦戦が予想される
(4)この1年の大型株の台風の目は海運株と銀行株だった
(5)国際比較の上で割安でも買われない日本株
(6)JPモルガン証券は 1月下旬からマクロ系ファンドは日本株売りに傾いた――彼らも失敗はすることあり
(7)東芝の迷走、病巣は日立に比べて技術者トップが少ない
(8)脱炭素問題と東電
第3部 国策に売りなし、国策には乗れ
当面の小さな々々事例(日本郵政株〈6178〉の売り出し)
昭和の大きな事例(佐藤内閣の昭和40年不況脱出と史上最長の「いざなぎ景気」の作出→3年後にGDP世界2位)
平成の大きな事例(①1992年の大失政・宮澤内閣の大蔵官僚、②1995年と98年の恐慌防衛策の小さな成功・村山・小渕内閣、➂2003年の大英断―公的資金で解決・小泉竹中プラン、➃2012年の「日本を取り戻せ」・安倍内閣)


【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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