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【投機の流儀 セレクション】官製過剰流動性はいつ終わるか?

自分が買っていれば自分よりも高値で誰かが買ってくれるという期待がなければ株は上がらない。その期待が合理的に連鎖を生んだ状態がバブルと呼ばれる。合理的連鎖を生み、遂には正常な判断を失う陶酔的熱病状態がバブルと呼ばれる。その誰かが買ってくれるという「誰か」は日銀であり「FRB」だった。
これが筆者が昨年酷評した「国家ぐるみの株価操縦」と言われるものである。この「官製ハシゴ」がはずされ期待の連鎖が途切れれば過剰流動性相場は終わるとしなければならない。日本も米国も中央銀行の資産購入はリーマンショック後に始まり、昨年末FRBの総資産は約990兆円となった。米国のGDPの40%に相当する。これを半分に減らすことが望ましいという声があるそうだ。この「官製バブル」の深淵のシグナルを送っているのが株式・債券の所謂トリプル安であろう。 米FRBは90年代に日本の故三重野康元日銀総裁時代に意図的に起こした過剰な金融引締め(オーバーキル)を学習しているはずだから、株式市場に波乱を呼ぶとしても極端なことを避けるように努力するであろう。
しかし、NY市場という巨大なものがFRBの意向通りになるとは限らない。基軸通貨である米ドルが安いということは、短期的に見れば日本の輸出に有利ということになるが、本来は波乱が起きる前兆という見方がある。その予兆は米ハイテク株の変調という形で出ているように思われる。日本株は一応の高値圏でもみ合っている。去年の2月と去年の9月に3万700円という、今のところで言えばダブルトップを付けているが、その10%下ぐらいのところで往来相場を続けている。

第1部 当面の市況
(1)当面の市況
(2)当面の市況は「陰の極」に近い
(3)利回り上昇を好感し外債買いが2ヶ月ぶりの高水準
(4)「陰の極」に近いが量的緩和の縮小局面では荒れ模様の日が増える可能性がある
(5)日銀黒田総裁、利上げ議論全くない
(6)日銀の緩和継続発言で銀行株が軒並み安
(7)グロース株安の大きな背景
(8)海外投資家の動き
(9)オイルマネーが日本市場に流入するか否か、原油価格による
(10)円ドル相場は12月に119円台半ば、高値は1月に110円台半ば、米利上げは3回
(11)我々は実感していないがアメリカでは7%のインフレというのは市民の実感となり、株式市場にも浸透した
第2部 中長期の見方:
(1)「30年間の停滞期」に個人金融資産は倍増。但し、用心深いことに、現預金の内の7%しか株に行ってない。世界一の用心深さだ
(2)官製過剰流動性はいつ終わるか?
(3)政局はどうか?
(4)キャピタル・パートナーズ証券、債券アドバイザーの見方(同社の担当者より、1月17日)
(5)「ニッポン大修繕時代」
(6)長期的には財政出動はコロナ対策から公共事業拡大に移行
(7)4月からの東証上場株の再編成を実りあるものにしたい
(8)プライム市場に残る志、大阪チタニューム、日本ペイント(4612)、敢えてスタンダード市場へ行く心意気(井筒屋)
(9)トルコリラは安すぎる。買いだと思う――3年先に金融政策大転換。ローザンヌ条約100年で、地下復活。NATOの一員だから3年先はアメリカが放置しない
(10)政府系ファンドがトルコ企業に積極投資
第3部 株価は過去を記憶して動く

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
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